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潜伏期間 16(要経過観察)
冒険者委員会を出たスラッシュは、その足で
ユアンの元へと足を運んだ。
彼の所属するMVNO
によって打ち出されたDSDAによって彼が訪れたのは
委員会ブランドを利用している者達のいる組織。
そこに待ち受けていたのは、爽やかな笑顔を絶やさないユアンという女性。
穏やかな笑みに隠された苛立ちが、彼女の指先に現れていた。
トントン。
ひじ掛けを軽く指で叩いている
それれは彼が、この部屋に通されてから、報告を終えるまで続く。
報告を聞く間は、笑顔を絶やさなかったユアンだったが
何故かスラッシュは恐怖を感じていた。
彼女への報告を終え、部屋を出た後も
スラッシュの脳内では、ユアンの指先が刻む正確な音が
繰り返し鳴り響いていた。




