潜伏期間 10(グレイ 受)
普通の物語に
そんな要素を入れてみたら?
なんて思っていたら
そもそも
この物語が普通なの?
という
理不尽な言動をする賊。
シランにしてみれば、特にこれといった警戒をすることも無いような相手だ。
ただ、ほんの少し
気持ちを苛立たせる「何か」を持っているのは感じていた。
この苛立ちの理由を知ろうと、賊であるエイを観察する。
すると、彼の視線の中に潜む意志が原因だと言う事が判った。
暴漢エイがトングに対する反応は、全霊が込められていると感じられる。
しかし、自分に対しては、何の警戒もしていない。
それは、特に際立った能力を持っていないであろうトングに対して
最上級の警戒をする、ピントのずれた賊に対する苛立ちだ
と自分の中で確信したシランが
トングの言葉を遮って、二人の間に割って入る。
無能な賊に、真に警戒すべき存在を知らしめる為に。
いや、それまで命があるか、まずこちらを先に知れべなければならないかもな。
湧き上がるシランの殺意が体内に充満し
高まる感情が解き放たれる寸前。
予想外の事が起こった。
突然の後ろからギュッ!
という行為に驚きを隠せない。
しかし、そこは取り乱す事無く、エイへの攻撃を放とうとする。
「少し、落ち着いて」
耳元で囁くトングだったが、彼のアレはムクムクと膨れ上がり
静まる様子が無い。
このままではちょっとした被害が生まれてしまう。
そう感じたトングがシランの気を逸らす為に
彼の衣服の下へと滑り込ませた手が
まるで別の生き物の様に敏感な部分を求めて全身を巡る。
「・・・・・・!」
全身を覆う嫌悪感、そして快楽。
相反する情報がシランの脳を混乱させる。
これが彼にの心臓に激しい動悸を生んむ。
そして、その鼓動に合わせて尚も浸食しようとするトングの触手。
あまりにも激しい未知の刺激に、思わず膝から崩れ落ちるシランの精神と
本能が自己防衛という扉を開く。
かろうじて踏み留まる事が出来たのは
トングの気分なのだろうか?
解放され、力なく崩れ落ちるシランも
ようやく落ち着きを取り戻したようにも見える。
「あ・・・」
彼の事を心配して傍に寄り添うトングに対して
何か言いかけたシラン。
そんな彼の肩を優しく抱き寄せながら
「おめでとう、貴方は合格です。
これからも」
そこまで言った後、満面の笑みで
「よろしくお願いします」
と。
そんな二人の姿を目の前で見ていた暴漢エイは
彼らのやり取りを目の前で見る事で傍観エイと
しての役割を見事に果たしたのだった。
この物語に足りないもの
いや、まあ
突然ですけど、わかったんです。
何が足りないのか?
それは




