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伝説の前の物語  作者: 佐藤太郎
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ちらちら

悠然と部屋を出たギャランを待っていたのは

レイリオも、シーオもどこかに向かった後で

誰も自分を待っていなかった

という悲しい事情、その哀愁が少しだけギャランの心を揺さぶっていた。


「今日は初日だったはずだけど?」

受付の窓口で係員に告げたのは

レイリアと共に申し込みをしようとしていたシーオの言葉だ。

「ですから、申込といっても、何でも良い

と言う訳ではないんです。

そこは、なんと言いますか、ほら、ねえ・・・・・・」

そう言いながら、チラチラとこちらを胃伺う受付けの表情を見て

金銭的な解決を望んでいると悟ったシーオが不快感を示す。

だが、ここでなにがしかの行動に出れば、全ては望まぬ方向へと進んでしまう

と、わかっていた。

そして彼女が選んだ答え。

覚悟を決めた苦渋の決断。

ゆっくりと彼女の右手が胸元へと延びていく。

かすかに震える手でボタンを外し、襟を少しだけ開くと。

そこに刻まれた印紋の一部がチラリ。

さっきまで、シーオの仕草に下衆な感覚で視線を送っていた受付

の表情が瞬時に強張る。

ただ、幸いにもレイリオの後ろで行った仕草だったことで

彼には悟られていないようだった。

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