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伝説の剣附近 26(惨劇、その前に)
「もうしばらく」
などという言い訳は却下され、早急に村を出発させられた勇者達が
ようやく、それらしき集団に遭遇する。
「怪しげなのが二匹ほどいるじゃないか
魔獣ってのは、どっちのこった?」
勇者の集団で最高齢のビピノが軽快なステップで先陣を切りながら
マジーデに確認する。
「それとも、どっちもやっちまって良いんか?」
確認だったはずだが、答えを聞く気があるのか無いのか、言いっぱなしで
スピードを上げた。
「ちょっ、まっ!」
慌てるマジーデの声は既に届かず、ビピノがエンデンに肉薄し
拳を固めた。
近寄るビピノに対して、エンデンが五月蠅そうに腕を振り、払おうとするが
それを掻い潜って、鳩尾に一撃を与えるビピノ。
手応えがイマイチだったか、の表情が曇る。
「思ったよりかてえな」
悶絶必死と思われていた攻撃は、エイデンが先程飲み込んだ魔獣石を
胃液と共に吐瀉する程度でしかない。
そして戻って来た魔獣石のきらきらと輝きは、まるでただいま
と言っているようだった。
この隙を見てモーパイが素早く動く。
素早く大地を蹴ると、背中に翼を生み出し
空高く消えていった。




