伝説の剣附近 25(あんた誰?)
思いついたらすぐ実行。
名言です。
圧倒的な強さをによって勇者を蹂躙して来たモーパイの動きが止まった。
彼の顔に緊張が走る。
変態デビュー直後だからといっても、魔獣となった者が瞬殺されると言うのは
両者の間によほどの力の差が無ければあり得ない事だ。
そして、それ以上に驚いたのは
召喚獣が魔獣の頭を砕いた後の行動だった。
彼は脳の中にある魔獣石を取り出し、飲み込んでしまう。
その様子をただ、呆然と眺めるだけの勇者達とモーパイを横目に
恍惚とした表情のエイデンの姿が、彼らに死を予感させる。
誰も動かない、いや
動けない状況で、エイデンが静かにモーパイの方を見た。
「失礼、せっかくの登場なので
少し絵面を気にしてみたんだが、どうだろう?」
一拍空いて
「は?」
ほんの一部の勇者が極限の緊張から、気持ちが途切れた瞬間だった。
ただ、残念なことに
彼らは緊張と同時に命まで失ってしまう。
この力を見てモーパイが恐怖を感じている。
それは、今の攻撃で油断した者が倒されたのではない、と言う事を
感じたからだ。
「あ、貴方はいったい・・・・・・」
絞り出すように声を出すモーパイは会話によって自分の生きる道を探ろうとした。
「ん?
私?」
何気ない質問で時間を稼ごうとしたモーパイの思惑以上に
困惑する召喚獣、そんな彼が考えた末に出した答えが
「私はエンデン。
かつて、勇者パエリアによってこの世界に導かれた者。
そして契約者を失った今は、在るべき所へ帰ることは出来ない放浪者
であり望郷の士という立場になるだろう。
ならばこの世界を「綴る者達」であるあなた達を全て受け入れ
この世界そのものを負の螺旋から解き放つ
解放者、としてここにあると言うのがしっくりくるのかもしれない」
この言葉を聞いて、この場に再び「ポカーン」タイムが訪れる。
何とも言えない雰囲気が支配していたその場所に
ようやくエナンデ村に残っていた勇者達が増援に駆け付けたのだった。
後悔先に立たず。
経験済みです。




