魔方陣を描きましょう
しばらく見張ってルキブが登ってこないのを確認してから、テレンシオはようやく肩の力を抜いた。
するとタイミングよく神からの通知。
開くと、また何かの図面が表示された。
地図ではなく、何かの模様に見える。
それを見たマオ。
「魔方陣じゃん」
「魔方陣?」
「テレンシオ魔方陣知らんの?」
「知ってはいるけど、こんな形だっけ?」
テレンシオが魔方陣を見るのは主に教会で、何かしらの病気や怪我を和らげてもらう時に使う、羊皮紙に描かれた模様であった。
しかし、今回送られてきたものはそれとは全く別の形で、似ても似つかないものだった。
「魔方陣ってのは色んな形があるんだ。それこそ地域や国によってもバラバラで、魔方陣とは知らずに神聖な模様として刻まれている所もある。っていってもオレもそのタイプは見たこと無いけど」
「ふーん。そうなのか」
あらためて模様、魔方陣を見る。
三色で表されたそれは、青色で書かれた文字も入り交じったごちゃごちゃしたものだった。
いや、よく見てみると青色で書かれたものは説明文だった。
「こっちにも何か書いてあるぞ」
「ほんとだ」
ボタンのような物を押すと、図形を押し退けて神からの伝言が表示された。その代わり図形はボタンのような物に変化した。
神からの伝言はまず、ルキブ戦お疲れさまとの文章から始まり、ルキブを使って亀裂を塞ごうと思ったのに落とすとは思ってなかったとの苦言に変わり、今回は仕方がないから練習として贄を変わりに用意するから図面を見て魔方陣を描き亀裂を塞げと締められていた。
ーーゴトン
目の前に白く濁った歪な形の石が突然現れた。
神から送られてきたやつだ。
「なんだ!?突然現れたぞ!!」
それを見て盛大に驚くマオ。
そういえば、こいつは見るの初めてだったか。
テレンシオは石を拾い上げた。
これを贄にするのか。
贄ってなんだ?生け贄みたいなものか?
石を隅に移動させてから剣で地面を削ってマオと協力して何とか魔方陣を描いていく。といってもそこまで複雑なものではなくてよかった。
説明を見ながら何とか完成させた。
「ほんとにこれであってる?」
あまりにも魔方陣っぽくない魔方陣に不安にあるテレンシオ。
「多分大丈夫。他の魔方陣だって模様のひとつひとつに意味があるだけで、対して違わないよ。えーと、次はこの石を贄として設置するんだよな」
マオがクワガタの角が生えた円の中に石を設置する。
「次は?」
「起動箇所に魔力を注ぎ込むって。まって、なんか俺指定になってる」
「テレサ魔力あるん?」
「知らん。はじめて知った」
魔力があるのと魔法が使えるのとは別である。
例えるならば、水に抵抗がなくて平気で入って動ける人と、魚のように川を泳いで渡れる人と同じではない。
水に抵抗がなくても泳げるとは限らない。
そんな感じで魔力があっても魔法が使えるようになるには勉強しないといけないし、勉強しても使いこなせるとは限らないのだ。
テレンシオはまた別で、魔力があることすらしらなかった。
あまりにも辺鄙な所で育ったので、検査する金も機会も無かったのである。
「魔力を注入するって、どうするの?」
というわけでテレンシオはマオに魔力の使い方を訪ねた。




