ルキブ戦③
ちょっとあまりにも疲れて書き上げられなかったので、今日の分は明日に回します。
マオが囮としてルキブの周りを挑発しながら動き、時には隙をついて攻撃、そしてテレンシオはマオの動きを見ながら尖らした石を全力で投げてギリギリの所をサポート。
そしてルキブの血を直に体に染み込ませたテレンシオの臭いは、ルキブには届かない。
ルキブは血の臭いや人間の臭いに敏感であるが、それが自分の血の臭いだと嗅ぎ分けることは難しくなる。
自分の臭いが、普段は感じられないように。
しかもそんなに目がよくないルキブは、既にテレンシオの攻撃によって片目が使えない。
なので、今ルキブは殆どマオの臭いと音を便りに戦っているのだ。
ルキブの血の臭いを利用しているテレンシオは気配を消して着々と準備を進めていった。
ルキブとマオの戦いの様子を見ながら、ググルグから無理矢理教え込まれた技を使い素早く岩を砕いて細かい石にすると、それを地面の裂け目の周りにばら蒔いた。
あとは仕上げにマオがルキブの四肢を削ってくれれば上手くいく。
金属をつけた骨はまだ口内に刺さっているから、下手に雷を口から放つことは出来ないだろう。
そう思っていた。
『ゲレゲレゲレ!!!』
ルキブが奇妙な音を発し、大きく跳んだ。
「!?」
「!!?」
なんと、ルキブは天井へと張り付いた。
まさかそんな動きをするとは思わなかったマオは一瞬動きが鈍り、次にされたルキブの動きに対処しきれなかった。
ルキブの口から何かが飛び出してきた。
それは口内にある骨を、口が傷付くのも構わずに弾き飛ばし、マオを捕らえて地面へと縫い付けた。
「しまっ…!!?」
蛙に似た舌だった。
それが伸びてマオの体を地面に縫い付けた。
あまりの力に身動き一つ取れない。
しかもルキブは、マオに向かって口を大きく開いて飛び掛かってきていた。
そんなマオの視界を影が横切る。
ぶちんと、音と共に体に掛かる圧が消える。
そして思いきり蹴り飛ばされた。
「テレサ!!」
テレンシオが襲い来るルキブとマオの間に割って入り、マオを押さえつけている舌を切り落として離脱させた。
しかしそれでもルキブの勢いは止まらない。
喰われてしまうとマオが顔を青くした時、テレンシオは動いた。
襲い来るルキブの勢いに合わせ、まるで一つの流れのようにするりと回転しながら受け流すと、その勢いを乗せた剣をルキブの残された目に向かって振り切った。
『ギャアアアアァアアー!!!』
大音量の悲鳴が洞窟内に響き渡る。
テレンシオは、目を攻撃したあとにルキブの巨体が落ちてきた衝撃によって撥ね飛ばされて地面に転がっていた。
「大丈夫か!?」
舌を引き剥がしたマオが急いで駆け寄ると、テレンシオはフルフル震える手でグーサインをした。
どうやら地面に叩き付けられて物凄く痛いが、ひどい怪我はしていないらしい。
「ごめん、マオ、あそこの岩の裏から俺の上着取ってきてくれないか?ちょっと今動けないから…」
「分かったすぐとってきてやる!!」
マオはテレンシオの上着を取ってきて手渡すと、その間に回復したテレンシオはそれを持って、ルキブに気付かれないように素早く地面の裂け目へと向かった。
「今さっき残りの目も潰したから、合図したら大声をあげろ」
ルキブとは裂け目を挟んで反対側に来ると、テレンシオは上着を全力で振って大声を出した。
マオもテレンシオに習って声をあげると、ルキブは首をこちらに向けると、怒りの声をあげながらこちらへと突っ込んで来た。
そして、ルキブはテレンシオの撒いた小石を踏んで盛大に滑り、そのまま裂け目の中に落下した。
「綺麗に落ちたな」
「こんなに上手くいくとは思ってなかったけど、やったぜ!」
こうして、対ルキブ戦は幕を閉じた。




