ルキブ戦①
ルキブ。
鮫の頭に四本の先が黒い角を持ち、胴体は蜥蜴のように長く、鱗を持つが滑り毛があり、蛙のような手足と、ヒレのついた尾を持つ怪物だ。普段は水辺にいるが、人間の臭いを嗅ぎ付けると何処までも追い掛けてきて食らい付く。
人の言葉を話すが、会話は成立せず、口から電気の塊を放つ。
「こわい」
「目がこわいな」
遠い物陰からそのルキブを観察しているのだが、見るからにグロいしキモい。目は黒目だけがギョロンとしていて、どこ見ているのか分からない。
しかも何かブツブツ言葉のような物を言っているらしいが、それも恐怖に拍車を掛けている。
「おい、あれ。ルキブの足元に亀裂が入っている」
「ほんとだ。しかもけっこう大きいな」
「あの中に落とせねーかな」
「あいつを?」
「あいつを」
マオが顎に手をやって考える。
「どうやって?」
「…………隙あらば、何とかして蹴落とす」
「作戦ざっくり過ぎんだろ。しっかりしてくれリーダー」
それは冗談として、いきなり戦闘に入るのは良くない。
まずは地形を良く見て、ルキブを観察することから始まった。
ルキブは鼻が良いらしい。
水の中でも遠くの血の臭いを嗅ぎ取れる程に。しかし地上では少し違うのか、遠くにいるテレンシオ達の臭いはまだ正確には嗅ぎ取れてはいないようだ。
一応何か匂う気がするみたいな感じで、頭をあげて空気中の臭いを嗅いでいる。
その様子を見て、テレンシオはある作戦を思い付いた。
「ええー、本当にそんな作戦でいくの?」
マオが不満な顔をする。
「凄く地味だけど、コツコツ削っていく方が確実に倒せる。問題はマオの体力だけど?」
「ナメんなよ!最後まで粘って見せるわ!」
行ってくる!とマオは剣を片手にルキブへと走っていった。
テレンシオは荷物を置き、上着と靴を脱いでズボンだけとなる。そして、マオが作戦を開始するタイミングを見計らっていた。




