マオは思う
ハーリの戦い方は独特だった。
尾と粘液と石が武器なのに、それを鞭のように振り回したり、伸ばしたりフェイントを掛けたりしてマオは少し翻弄されていた。
何より武器の石が5個なのがいけない。
時間差で襲い掛かってくる。
だけど、と、マオは口元に浮かぶ笑みを止められない。
マオは育ちは違うが、生まれはとある戦闘民族だ。血が強者を常に求めている。
今までは化け物のような師匠の元で修行の毎日であったが、ようやく一人立ちが許され旅立って、まさかの崩落事故で死にかけた。
何日も動けなくて、食べるものも水もない暗闇で、こんなに人は呆気なく死ぬのかと絶望した。強くなっても、運命はどうなるか分からない。
そんな中、テレンシオかやって来て助けてくれた。
恩人だ。
しかも仲間になってくれとまで言われ、剣や靴まで恵んでもらった。
オレにできることは少ない。
精々テレンシオよりも多く敵を倒し、魔法で傷を癒してやることくらいだ。
「ウルァ!!」
全ての石を弾き飛ばし、一気にハーリに詰め寄ると、邪魔だったエリマキごと斜めに切り裂いた。
ハーリは短い悲鳴を上げ、倒れる。
完全に事切れたことを確認してから、マオはテレンシオの傷を治すために踵を返した。
「あいつ強ェ」
ハーリの規則性のない攻撃を全ていなしながらタイミングを見計らい、ハーリが隙を見せるや全ての石を弾き飛ばし一気に距離を詰めてハーリを斬った。
しかもハーリは一撃で終わるとか。
あのエリマキは鉄のように固く、斬りにくいというのに。
「テレサ!足首治してやるよ!」
「?」
包帯で固定でもしてくれるのかと思ったら、マオは腫れた足首に手を翳し、何やら呟くと手が淡く光始める。
「!?」
じんわりと痛みが引いていき、ついには腫れすらも完全に引いてしまった。
「どーだ?」
「おおおお、すげー。魔法使えるのな」
「今んところ支えこなせるのは本当に少ないけどな。またなんか怪我したら治してやるよ」
「それは凄い助かる」




