第一訓練所へようこそ⑦【勇】
襲い来るカカシ、増える目玉模様。
敵意が感じられないからカウンターが使えず、テレンシオは部屋の端に追い詰められていっていた。
攻撃といっても、手の棒ぶん回し、足の棒で突きなのだが、まぁその攻撃力の高いこと。手の棒が当たった壁は抉れて足の棒の突きで地面に穴が開いている。これ、当たったら重傷じゃないか?
それに加え。
《あっはっはっはー!!!どうした!?全然攻撃してこないじゃない!!?》
悪魔だった。
こいつ神違う、悪魔や。
カカシを見る。目玉模様が重なり始め、一部マーブル模様になりつつあった。気持ちが悪いを通りすぎて芸術作品になりつつあった。何事も突き抜ければ見方が変わるんだな。
じゃなかった。違う違う。
《ほーらほらほら、ミキサーに轢かれちゃうわよー》
ついにカカシは独楽のように高速回転し始めた。
それを見て、テレンシオの中で何かが切れた。
「ソイヤッ!!」
手の棒が当たる寸前、素早く身を屈め軸となってる足の棒を素早く足払いした。
《!?》
カカシが横倒しになり、腕の回転も相まって遠くの方にすっ飛んでいった。
そしてテレンシオは剣を投げた。
剣はカカシの胴体に立てに突き刺さり、地面に縫い付けられた。バタバタと暴れるカカシの手の棒を踏みつけ、顔の目玉模様をゲシゲシと蹴りつけ始めた。
《ええ!?ちょっ、ちょっとなにやってるの!?》
しかしテレンシオは蹴るのをやめない。
頭を蹴り、胴体を蹴り、足の棒を蹴り。
そして満足したように一つ息を吐くと、胴体に突き刺さった剣を抜いて、足でカカシを踏みつけながら目玉模様にザクザクと突き刺し始めた。無言で。
そしてすべての目玉模様を消し終え、カカシの上空に浮かんでいた色付きの棒が消えると、カカシとして原型を留めていないズタボロの物体も崩れるようにして光になって消えた。
「はあー!スッキリした!」
テレンシオが爽やかな笑顔で額の汗を拭く。それはもう良い仕事したぜという感じに。
そんな様子を見て神は思った。
あんまりいじめ過ぎたら全力で攻撃しに来るだろうからほどほどにしておこう、と。




