鍛えましょう①【勇】
ググルグは困り果てていた。
まさかの勇者がカウンター攻撃オンリーで、通常攻撃がノーコン過ぎて当たらないなんで誰が思う?あの子もう14だよね、普通さ少年時にチャンバラとかの遊びでもう少し何とか使えるくらいにはなるでしょう。
なんなのあれ?何故あそこまで当たらないのか?
「うーーーむ…」
「フォーさんが珍しく悩んでる」
「あそこまで悩むのいつぶりくらいか?」
「さあ?お前が女に騙されて借金肩代わりさせられたくらいじゃない?」
「おい、どんだけ昔の事いってんだよ」
そんなググルグを仲間、ゴイダにヒール、ニロ、ミケランジェロは遠目で見守っている。
ググルグは神様関係以外では滅多に取り乱さない。それこそどんなに強い魔物が現れたとしてもググルグが冷静でいてくれるからここまで生き延びてこられたと言っても過言ではない。
そんなググルグをあんな姿にしている張本人はというと。
「にーくにくにくにくにーく♪鶏肉んまー!!」
「………」
「………」
「………」
「………」
ググルグの目も前で焼鳥を頬張り幸せそうな顔をしていた。
信じられるか?勇者だぜ?アレ。
あんな猿みたいなの、誰が勇者と信じてくれるのか。
「……どうすればアレを人…ゲフンッ!じゃなかった。勇者に仕立てあげられるのか?」
「流石のフォーさんも無理じゃね?」
「ミケランジェロの更正を成し遂げたフォーさんならあるいは…」
「ゴイダちょっとお前さっきからオレに喧嘩売ってる?」
「まぁまぁまぁ」
「お、フォーさんが立ったぞ」
すくっと立ったググルグに仲間が視線を向ける。ググルグは鶏肉を食べ終え横になろうとしているテレンシオの襟首を掴まえた。
「え、ぐっさん何すんの?俺眠いんだけど」
「ーーーだ」
「え?」
ググルグが何か言ったが小さくてよく聞き取れなかった。仲間は聞き取るためにずりずりと近付いていく。首をかしげるテレンシオにもう一度説明すべくググルグは大きく息を吸った。
「明日より楽しい楽しい魔物の洞窟巡りをする!!!もうてっとり早く強くするのはこれしかない!!!」
ぐるんとググルグの首が回り仲間達を見る。
鬼がいた。
「お前ら、飯はもう食ったみたいだな。これから駿馬に乗って一番近い洞窟に向かうぞ!!」
「い、今から!?」
「今からだ!!!こいつが勇者になった以上さっさと強くなって貰うために時間を最大限に使う!!返事は!?」
「イエッサーーー!!!」
仲間が揃って敬礼するなか、眠気に勝てなかったテレンシオはググルグに襟首を掴まれながら爆睡中であった。




