表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様が勇者を使って魔王を討伐するそうです  作者: 古嶺こいし
勇者を見付けて鍛えましょう
12/58

伝説の始まり【勇】

いや意味わからんとテレンシオは思った。それどんな組織の人的な脅し方かと。



「ちなみに理由を聞きますが、なんで?」


『くっそこいつもうタメ口になりやがった。誰だこいつ勇者候補に選んだの。私じゃねーか』



すでに神としてアウトな言動にこの神は気付いているのだろうか。いや、いないだろう。

未だにブチブチ言っている神の姿を見ている捕獲組織のリーダーは静かに視線を下にしていた。



『分かったわ、理由を説明してあげる。心して聞きなさい』



ようやく立ち直ったらしい神が椅子にふんぞり返りながらそう言った。もう威厳も神々しさも何もない。全て投げ捨てていた。



『まず一つ。その左手にある紋様は勇者の印。ていうーか、私が勇者と認めました、補佐対象ですっていう目印なの。なんか見てみたらあんた勝手に紋様を上から刺青で落書きしてカスタマイズしてるけど、あとでしっかり消すから!跡形もなく!』


「ええー!せっかくかっこよくしたのに!!」


『私の紋様の方がかっこいいわよバカ!!

そんで、二つ目!!その紋様、死なないとっていうか、何らかの形で存在が無くならないと消えない仕組みで、それ一つだけしか出現してくれないの!わかる?レアなのよ!それ!!』


神ってアレだな。キレやすいんだな。バカ言うし。

しかも「レアなのよ!それ!!」の台詞と共に俺に向かって指差す。おかしいな、神官から聞かされた神ってもっと厳かで尊くて思わず拝みたくなる存在だって言われてたのに完全に嘘じゃねーか。


というか、神との対面なのに俺と親父縛られたままじゃねーか、糞だわ。


この時点でテレンシオの神に対する不信感はMAXだった。

このとき神がいかにその紋様がありがたいものなのかを語っている時もスルーする程に。



『というわけ。だから勇者降りるっていうなら存在を消してもらう他ないの、分かった?』



息を切らせた神を見てテレンシオはこう思ってた。


とてもめんどくせえと。



(結局、勇者するのもめんどくせえ、死ぬとかもっとめんどくせえ。でもどちらかしか道はないっつーんなら少しでも生きてた方がマシなんだよなぁ)



テレンシオは長い溜め息をつくと立ち上がった。



「神様よ、なんか報酬とかねーの?このままじゃあ俺どっちの道選んでも死ね!じゃあ納得いかないんですけど?」


『ちょっと、死ぬか勇者になるかの選択肢でしょ?どっちの道選んでも死ね!とか言ってないじゃない』


「何言っているんですか?神様。勇者になったらとても危険なことさせられるんでしょ?下手したら死ぬかもしれない危険なこと。俺名誉とか別に興味ないんで、もっと別の報酬ないと正直やる気でないすよ?」


『………、それもそうね』



確かに言われてみればそうだわ、と、神は考え出した。テレンシオは思った。この神、人間に言われるまで気付かないなんてアホなんだな、と。


しばらく考えた後、神はこちらを向いた。



『わかった。任務を達成した暁には願いを一つ叶えてあげる。何でもってわけにはいかないけれど、出来る限りの事は叶えると約束するわ』



これでどう?と神が言う。

テレンシオもしばらく考え、頷いた。



「了解した。破るなよ、神様」


『破らないわよ、神様だもの』



その様子を見ていたエレネシオ()は訳がわからんと首を捻りっぱなしであった。



『頼んだわよ。また後で連絡するわ』といって神は消えた。



テレンシオはくるりとエレネシオ()を向くとこう言った。



「じゃ、というわけなんで、俺勇者になるから残ってる俺の分の仕事よろしく!」













こうして、二代目勇者の物語が始まったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ