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ただ、どんな人でも前を向いて生きているわけじゃありません。
「うぅぅ。ぐすっ。、、っぐ。。」「わああああああああぁぁぁ。ああぁ。」
電気もついていない暗いワンルームのマンションで泣き叫ぶ。
そこは不本意な自分ひとりだけの世界。脱ぎ捨てられた服、カップ麺やコンビニ弁当の食べ残しがそのままになったままカピカピになっている。かれこれもう2週間ぐらい掃除なんてしていない。おそらくほかの人が入ってくれば異臭しかしないのだろう。体にはちからが入らない。何をしようとすべて彼女の思い出がフラッシュバックする。だからこそいっこうに体は動こうとしない。
「もうなにもしたくない・・・。もうなにも。」
本当はそこに受け止めてくれる相手がいて、ずっと何も言わずに自分を抱きしめてくれる彼女がいてくれた。なにもかもがダメになりそうで自暴自棄になった自分から逃げず、目をそらさず、ずっと自分を支えてくれる。いつもそうやって支えてくれた彼女がいまはもういない。
ただ、くやしさと、ふがいなさと、おのれの未熟さに色づけられ、深いの灰色のように色づいた声が響くだけだった。ただむなしく響くだけだった。