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適応力で世界を制す  作者: 神扇
序章
1/1

異世界に行くことになりました

潮風高校二年一組は今揉めていた。理由は命の授業で今まで育てた豚のオーク君と猪八戒君をどうするかと言うことだ。ただもうすでにこの豚さんは調理され皆の腹に収まることは決まっている。揉めているのはどう料理するかと言うことである。ちなみに出荷するか料理するかという議題は五秒で終わった、皆食べることしか考えてなかったからだ。

 「断然、豚の角煮でゴワス!」

 「フンッ、豚はカレーにと決まっているでしょうガッ!」

 「余はチャーシューにしてラーメンに入れたいのじゃが」

相撲部部長の横橋力、サッカー部部長の奈鳥シノ、十七才にして社長の若草杏が次々に発言をしている。俺はとりあえず食べられれば何でもいいので今日の晩飯を考えながら窓の外を眺めていた。


 このクラスはやたらと部長やらが多い。部活に入っていなくとも何かしらの代表になっている奴らばかりだ。しかも部活はどれでも全国でも強豪らしい。そんな連中だからこそ個性が一人一人強い、割とマジで。


そんな中俺は部活に入ってなく肩書きもない、自分で言うのも何だがあえて肩書きを作るなら『モブ生徒A』『どこにでもいる普通の高校生』だろう。しかしなぜかこの学校で噂されている『普通じゃない生徒ランキング』とかふざけたランキングに俺『(かみ)(しろ) (みのる)』が入る。しかも大体三位までには入る、ひどい時は一位だ。


おかしい。俺はやったことと言えば、困った人がいれば直ぐさま助ける事くらいだ。妹に聞けば『兄さん、それは兄さんの【助ける】という行動の規模がおかしいからだと思います』と返された。『この間もマフィア壊滅させましたよね?』とまで言われた。違う、マフィアは間接的に滅んだだけなんだと言っておいた。何故こうなるのだろう普通にノーマルに暮らしたいだけなんだが。

さて晩飯やら自分自身の回想は終わった。


しかし終わったのはもう一つあった、俺の日常だった。


急に窓の外の景色が変わった。変化は一瞬、晴れていた空は、美しい山並みはどこまででも続く灰色の無機質な景色へと変わった。

「は?」

久しぶりにこんな間抜けな声をだした自分にビックリした。

クラスの何名かがこの事態に気づきはじめた。しかしまだ一部の連中が豚について激しい論争を繰り広げていたが・・・






急に景色が変わりここは普通パニックになるようなところだろう。しかしうちのクラスメイト達はこんな状態になりながらとても落ち着いていた。というか平常運転だった。


「おい、ドアがあかねーぞ!」

「逆に考えるんだ、開かなくていいさってね・・」

「「「いいわけねーだろ!」」」

とか


「ククククッどうやら深淵の深き闇の扉が開き今ここに悠久の時を生きる魔神王が・・・」

とか

「このような状態が続くのであれば魔法少女プリンセス☆アリアが見れんのぉ」

「うむ、これは由々しき事態・・・」

「我ら『円卓の紳士同盟』にとっての存在意義が」


駄目だコイツら。楽しんでいやがる。


その時、開かなかった教室のドアが開き一人のローブを被った人物が入ってきた。その姿は顔が骸骨、黄金の指輪、宝石のついた杖おまけに目から青い炎だすという絵に描いたようなラスボスの様な格好だ。


「すみません、皆さん!この度は本当に申し訳ございませんでした!」

教壇に立つなり頭を下げ謝ってきた。顔が骸骨のわりにはものすごく爽やかな声だ。

「あ、あなたはどちら様でしょうか。」

このクラスの委員長、伊吹向日葵が質問した。というかこのクラスみんなさっきまで騒いでいたのにみんな着席している。

「私の名は死皇帝ギルラゴール、アステールと言う世界で冥界の神をしている者です。」

「え・・・アステール?冥界?それは私達が死んだと言う事でしょうか?」

委員長の質問にザワザワとクラス内が騒がしくなった。それとアステール?聞いたことのない名だ。

「安心して下さい。えー皆さんは巨大な力による時空の裂け目に吸い込まれてしまいました。そのため一時的に今までの世界とは別の異世界にいってもらいます」

は?今なんと?

「詳しくはこの冊子を見てください」

そう言うと何もない空間から冊子が現れ、一冊一冊皆の机に行き渡った。


冊子をめくって読んでみた。

曰く、これから行く世界はアステール。

曰く、アステールは魔法が使えると言うこと。

曰く、スキルというものが存在するということ。

曰く、問題が解決しだい元の世界に戻れるということ。

他にも様々なことが書かれていた。

「本当に申し訳ございませんでした。今少しずつですが裂け目の原因がわかりはじめた段階なのです。」

「どの程度わかったのですか?」

「はい、まだ直接的な原因がわかりませんが邪神の復活かとしか・・・」


邪神だと?どこの神話だよ。

 

「何も持たないで異世界に行くことは危険です。なので皆さんには現地に着いたら個人スキルに当たるユニークスキルを発現させるようにします。現地の人でもユニークスキルは滅多に発現しません。さらにこのスキルはその人の思いや個性、特技がスキルになることが多いです」


なるほど、俺は地味な人物だから地味な能力だろう。


「これから皆さんはヤーデ王国と言う国の謁見の間に召喚されます。王様にはこの事を巫女を通じ伝えておきましたのでよろしくお願いします。」


言い終わると足下が光り始めた、どうやら時間らしい。こうして二年一組は異世界に行くことになった。



書くでぇー。不定期でバリバリ書くでぇー。

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