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必要な嘘、必要のない真実  作者: 岩元 間紀
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第一話

初めて書いてみようと思い、投稿させて頂きました。

日本語等におかしい部分があったり、内容がおかしいところがあればぜひご指摘いただけると幸いです。

よろしくお願いします。

第一話

僕が目を覚ますと、清潔感のある白に囲まれていた。白いカーテンと白い壁、白い掛け布団。まさに病院の一室、といった感じだった。


「ここは・・・病院か。でもなんで僕は病院にいるんだろう?」


どうして今自分が病院にいるのか、なぜベッドで寝ていたのか、わからないことだらけだった。わかることと言えば身体の節々と、頭が痛いことぐらいだった。そうして5分ほど考え込んでいると扉が開き、見覚えのある女性と女子高生が入ってきた。


「今日も暑いわねえ。由美大丈夫?塩飴舐める?」


「大丈夫よ。もう高校生なんだから・・・。心配しすぎ」


「そうはいってもねぇ。・・・元春?」


「だからだいじょ・・兄さん?兄さん!!」


二人は僕が起きているのを見るや否やとても驚いたように声を荒げた。どうして二人がそこまで驚いているのか不思議だった。


「二人ともどうしたの?そんなに声を荒げてさ」


「どうしてって兄さん何も覚えてないの!?」


由美がとても辛そうで、悲しそうな表情をしてベッドの側まで来た。どうして由美がこんな顔をしているのか、僕は何もわからなかった。


「兄さんは、兄さんは事故にあったの。朝、姉さんと二人で映画を見に行くと言って出かけたわ。見たいテレビがあるから夕方には帰るって。そう言ってた。」


由美は今にも泣きだしそうな顔で僕の手を握った。そんな顔をする由美を前に不謹慎だな、とは思ったけど、由美の手はとても柔らかくて髪からは清潔感のある、いい匂いがして心地よかった。


「でも!!」


そんな邪な考えは由美の悲痛な叫びにかき消された。


「でも兄さんと姉さんは夕方を過ぎても帰ってこなくて・・最初はご飯でも食べることにしたのかと思ってた。そんなことを考えてたら病院から電話があったの。二人が飲酒運転の車に轢かれて意識がないって!!それで病院に行ったら本当に病室で寝ているんだもん。訳が分からなかった。朝はあんなに元気だったのにどうして、どうしてって・・・・」


そこまでいうと由美は泣き崩れてしまった。僕の頭は混乱していて整理がつかなかった。僕が事故?車に轢かれた?轢かれたにしては骨も折れていないし、むち打ちもしていない。疑問ばかりが浮かんでいると、美姫さんが口を開いた。


「そのあとね、元春は1週間眠り続けていたのよ。外傷もたいしたことはないし、脳に異常もない。どうして眠っているかわからなかったわ。でも目を覚ましてくれてよかった、本当によかった・・・」


そういうと美姫さんも涙を流した。どうやら僕はすごく心配をかけてしまったらしい。僕の心を罪悪感が埋め尽くした。そうして頭を整理していると聞かずにはいられない疑問が不意に浮かんだ。


「乙姫はどこにいるんですか?僕がこれだけのけがで済んだってことはもう目を覚まして家にいるんですか?」


その疑問は不意に浮かんだその瞬間に言葉になっていた。でも言葉になった瞬間、泣いていた由美は声を殺し、美姫さんは顔を伏せた。空気が冷たくなった。決して部屋の冷房のせいでも、僕が薄着なせいでもなく、ただ空気が冷たくなった。何か嫌な予感がする。これ以上は聞いちゃいけない、僕の本能が告げていた。でも僕は聞かずにはいられなかった。


「由美、美姫さん、乙姫は?大丈夫なんですよね?」

そして美姫さんはゆっくりと口を開いて真実を教えてくれた。それは僕にとって知りたかった真実でもあり、知りたくなかった真実でもあった。


「・・・っ!」


そこからはあまり覚えていない。覚えているのは点滴が取れた腕の痛みと由美と美姫さんの叫び声、うまく動かない脚、そして白いベッドにたくさんの機械に囲まれて眠る乙姫の姿だった。うまく言葉が出なかった。呼吸もできなかった。


「あ・・・あ・・・・ああああああああああああああ!!!!!」


やっと出たのは叫び声で言葉にもならなかった。遠くで由美の声が聞こえた気がしたけど、僕の意識はそこで途切れた。

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