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日録ログダイアリー  作者: 鏡 もち
8/20

1月16日 目から532枚目の鱗 

昼過ぎに友人Aが訪問してきた。

彼の手を借りて床に散乱した匙を袋詰めにして、捨てた。

空き巣の件が面倒で無かったことにしたため、また一本増えていた。


ふいに窓の外を見ると、大きな虹が出ていた。

とても距離が近く、自転車で15分くらい距離にあるビルから生えているように見える。

私はAを残し家を飛び出した。虹を捕まえるのが、子供のころからの夢だった。


約10分後、先ほど虹の根元のあったビルの屋上に到着。

しかし、近づくほどに虹は姿を薄め、今や完全に見えなくなっていた。いつも、こうなってしまうのだった。


スマートフォンが振動した。Aから写真が送られてきた。

部屋の窓からの写真で、さっきと同じ場所に虹が出ているのが確認できた。

小さく私の姿も映り込んでいた。つまり、私は今虹の根元に立っていた。


「虹は、真下に行くと見えない」

Aは何やかんや説明してくれたが、とにかくそういうことらしい。目から鱗だった。

私は満足感を感じていた。写真の中の自分は、虹の出ている場所にいる。


私は目から落ちた鱗をピンセットで拾って、財布に挟んだ。また目から鱗コレクションが充実した。

鱗は太陽に透かすと、虹のように七色に光を放った。

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