表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日録ログダイアリー  作者: 鏡 もち
13/20

1月21日 胸がすく話

安心して下さい、吐いてますよ。


午前中、ずっと自宅のトイレで過ごした。

得たいの知れない甘味成分を排出するためだった。


昨夜、今まさに食われるという刹那。

「やった!鬼退治できるぞ!」という声と共に、犬と青年がなだれ込んできた。

犬が異形に襲いかかっている隙に青年は私を解放し逃がした。

彼の服装にはどことなく見覚えがあるような気がした。


あんまりトイレで咳き込み、排出を繰り返し過ぎたのか、胸にぽっかりと喪失感があった。

混沌とした便器の中を覗くと、甘酸っぱいかおりの向こうに、赤黒い何かが見えた。


それは肺の片方のようだった。


慌てて取り出そうとしたが、転んでしまって掴んだのが水洗のつまみだった。渦が全てを飲み込んでいった。

胸がすーすーします。でもまあ、肺は元々2つありますから。


安心してください、まだ入ってますよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ