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8.高山タミ(80歳)の元日?

朝から、何となく周囲が騒がしい。

何故なのかしら、そう考えては見ようとするのだが、途中で何を考えようとしていたのかがふと分らなくなる。


ここ数日、そんなことが多くなってきたような気がする。



お腹が空いてきた。

外を見ると、もう相当に日が昇っているのに、まだ朝ごはんを食べてない。


また豊子さんが作るのを忘れたのかしら。

あの人、とてもいい人なんだけれど、最近物忘れが多い。

とりわけ、私の食事を忘れる事がしばしばある。

本当に困ったものだ。


確か、うちの親戚筋の人だったと思うから、あんまり強くは言いたくはないけれど、人間、三度のご飯だけは忘れないで欲しいものだと思う。



外で車の音がした。

誰かが来たのかしら。

そう思っていると、いきなり知らない若い男の人が私の部屋にやってきた。


私はいつもそうだけれど、ちゃんとお化粧もしているし、髪もセットしているから恥ずかしくはないけれど、どうしてああした初めての人をいきなりこの部屋に来させるのかねぇ。


お客様は、ちゃんと応接間にお通ししなさいっていつも教えてるんだけれど、それもちょくちょく忘れてしまうみたいで、いきなり私の部屋に来たりするの。

ほんと、困ったもんですよ。



ところで、・・・・・私の朝ごはんはまだでしょうかねぇ。

もう、お腹がぺこぺこですよ。


あっ、それともさっきの若い男の人が食べちゃったのかしらねぇ。



ああ・・・・、何か、眠たくなってきた。



「ああ、それって、年賀状ですか?

そろそろ私も書かなくちゃねぇ。

息子にも、ちゃんと書くように電話しとかなくちゃねぇ。」


ああ・・・、お腹が空いたよう。



(完)



如何でしたでしょう。同じ平成20年の元日なのですが、人によってその迎え方も区々です。それが当然なのですが、私たちは、ふと、自分だけかもしれないと、その立場に疑問を持つもののようですね。今日限りのお遊びは、これにてジ・エンドとさせていただきます。最後までのお付合い、誠に有難うございました。良いお年をお迎えください。

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