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仕事の話

掃除屋の話

作者: 甘味処 雨

僕は今日も片付ける

皆のゴミを片付ける


時には誰かの残飯を


時には何かの残骸を


時には成り果てた人の骸を


片付け方を知りたいかい


残飯は袋をしっかり結んで片付けて


残骸は分別して片付けて


骸は解体して片付けて


皆そうして片付ける


時には嫌なこともあるんだよ

臭いし 痛いし 苦しいよ

ゴミでも想いが詰まってた

生まれたときからゴミなんて物はないからね

そんなものを片付ける


僕は心を片付けて

僕は心を掃除して

今日も今日とて片付ける


感情を殺して片付ける


それでもちっとも減らなくて

それでも皆ゴミをだす

想いを全部棄てるんだ


大切だったものが無になって

要らなくなって捨てるんだ


それを思うと心が軋む

僕の心が軋むんだ


僕も同じと思うと軋むんだ

掃除したと思っても

どうしてもこれだけは駄目なんだ


だけど僕は捨てるんだ

だけど僕は捨てていく


皆の思いを捨てていく


君が僕のことを思ってくれるなら

同情をしてくれるなら


想いを大事にしておくれ

大事な物を大事にしておくれ


少しでいいからしておくれ

長くなくてもいいからしておくれ


ずっと大事にするなんて

それは無理な相談だ


だから少しでいいからしておくれ

長くなくてもいいからしておくれ


大事な物を 大事な想いを

ぎゅっと大事にしておくれ


君にこの話をしていても

今日もどこかで誰かは捨てる

大事な想いを捨てるんだ


だから今日も片付ける

僕は思いを片付ける


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