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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

女好きな元少女現少年

作者: マトバ

よろしくお願いします。

 ハーレム。

 それは世の中の男の夢と言えるのではないだろうか。誰だって、女の子にモテたいと少なからず思っているだろう。

 かく言う俺もその一人だ。

  


*****



 俺には前世の記憶がある。

 前世ではこことは違う世界、所謂異世界で生きていた。まあ異世界といっても、魔法なんてものがある訳じゃなくて科学の発達した場所だ。文明レベルは同じくらいで、地球の日本に住んでいるのも同じだ。違うところといえば歴史くらい。そうはいっても歴史上の偉人の名前が違ってたり、織田信長が明智光秀に殺されてなかったり、それくらいだ。

 前世の俺は女だった。

 

 ただし、女好きの。

 

 つまりはレズビアンだ。男はどうもそういう対象としては見れなかったのだ。別に性同一性障害というわけではなく、女として女が好きだったのだ。

「男になれば何の障害もなく女の子と付き合えるのに」とは何度も思ったが。


 そんなわけで、男として産まれたと知ったときはもの凄く喜んだ。しかも将来有望な顔立ちをしているときた。喜びのあまり奇声を発してこの世界の両親に心配させてしまったのは今は反省している。

 それはともかく、男として生きるのならやるべきことは一つ。


 女の子にモテる。


 幸い両親とも容姿が整っていて勉強も運動も出来るというハイスペック。その遺伝子を持つ俺は当然の如く眉目秀麗、文武両道というハイスペック男子になった。更に元女だから女の子の喜ぶ事、物、全部わかる。

 そのおかげで女の子にモテるモテるモテまくる。告白された数は生まれてからのこの十数年間で三桁突破。


 来るもの拒まず去るもの追わず。


 そんな俺の周囲からの評価は「ハイスペックだけど女好きのチャラ男。残念なイケメン」だ。イケメンはイケメンでも「残念」が付くイケメンだからか、男からもそこそこの評価はある。男からの評価なんて嬉しくもなんともないが。


 さて、それでは突然だが、最近の俺の趣味を発表しようと思う。俺の今の趣味、それは……


「ねえ、どうして私だけを見てくれないの?どうして他の女の子に触るの?どうして?私はこんなに貴方のことが好きなのに大好きなのに愛してるのに私だけを見てよ。貴方が私以外を見ているとすっごく苦しいの。死んじゃいそうなくらい。最近は無機物にも嫉妬しちゃうの。貴方の吸う空気すら妬ましい。貴方に関わるモノを全部壊したくなっちゃうの。でも全部なんて大変でしょ?壊しても壊してもきりがないもの。だからいっそのこと貴方自身を壊しちゃおうかなって思うの。私以外を見る目なんてえぐり出してやる私以外に触れる手なんて切り落としてやる私以外に話しかける口なんて縫いつけて喉を潰してやる私以外の声を聞く耳なんて削ぎ落として鼓膜を破ってやる私以外の奴のところに行く足なんてへし折って切り刻んでやる。そんなのは嫌でしょ?そんなことになっちゃったら困るもんね。だからほら、早く私だけを愛してよ。そうしないと、やっちゃうよ」


「わたし、貴方が好きよ。大好き。心の底から愛してるわ。わたし、貴方がいないと生きていけないの。貴方が側にいなかったら寂しくて死んでしまうわ。だからわたしの側にいてちょうだい。わたしの事、好きって言ってくれたでしょう?だったらわたしを死なせないで。ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと、死ぬまで一生わたしの側にいて。わたしのそばで生きて。わたしの事を愛でて。大丈夫、学校には退学届けを出せばいいし実家の方にはたくさんお金を送って説得しておく。それでずっと一緒にいられるわ。欲しいものは全部用意するわ。本当は他の女の子になんか関わらせないで飼い殺しにしたいところだけど他の子達を呼んでもいい。それでいいからわたしの側にいてちょうだい。お願いよ。……そうじゃなかったらわたし、寂しさのあまり貴方を殺してしまうかもしれないわ。わたし、あなたを殺したくないの。殺させないでね?」


「好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです。大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです大好きです。愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます。私ごときが先輩を好きになるなんて迷惑ですよねごめんなさいでも好きなんですごめんなさい。おこがましいですけど私、先輩に私だけを見てほしいんです。でも無理ですよね分かってます先輩は私のことなんか好きじゃないですよね。その代わりに一つだけお願いを聞いてください。私を殺してください。殺されるってことはその間だけでも先輩は私の事を見てくれるってことで、それはなんて素敵なことなんでしょう。でも殺してくれなかったら私、きっと先輩の事を呪ってしまいます。だから早く殺してください殺してください殺してください殺してください殺してください。ほら、わたしの胸を腹を首をこのナイフで刺して貫いてかっさばいて」


 可愛い女の子(ヤンデレ)をつくること。


 俺には好みのタイプというものがない。女の子全部が好きなのだ。容姿も性格も、どんなものでも愛せる。例えば一般的に不細工と言われるような容姿でも可愛いと思うし、性格がひん曲がっていたとしても可愛いと思う。全部含めて可愛い。

 「私なんて不細工だし……」とか思ってる子もそういう風に気にしてるところとかが可愛いし「性格悪いけど何か?」みたいな子も自分がちゃんとあるってところが可愛い。

 つまり、女の子ならなんでもいい。

 ヤンデレだろうがなんだろうが、可愛けりゃいいのだ。


 最近は女の子をヤンデレに覚醒させるのがマイブーム。

 最初はちょっとした好奇心でやったんだが、これがなかなか面白い。俺がいないと死んでしまうってくらいに依存させるのが発展して、今は殺してやるってくらい俺のことを好きにならせるのが楽しい。それから、俺を神様か何かだと思うくらいに心酔させるのも面白そうだよな。

 いやあ、本当、可愛いなあ。


 え、酷いだって?何が酷いんだ。別にオモチャとかそういう風に見ている訳じゃないし、犯罪はしないようにと言いつけてある。それに元の普通の子に戻すようにアフターケアもだってしている。迷惑をかけている訳じゃないからいいと思う。

 俺の親戚の子に人間嫌いな女の子がいる。その子は人の心を持っていないような子で、その子がやっている事より良いと思うのだが。

 ちゃんと可愛いと思っているし、俺なりに大切にしているのに。

 今だって、ほら。


「三人とも、俺の事をそんなに好きになってくれてありがとう。とっても嬉しいよ。でもね、君達の言うことは聞けないよ。俺は君達全員が好きなんだ。誰か一人、なんて無理だ。それは皆もよく知ってるよね?でも、俺の生活に支障が出ない限りで一緒にいるようにするよ。それじゃ駄目かな?」


 頭を撫で、手を握り、抱き締めて、優しく諭すように声をかける。三人ともうっとりとしている。

 この子達もそろそろ潮時か。元に戻さなきゃだな。少しずつ少しずつ、一緒にいる時間を少なくして、別の事を考えさせる。時間はかかるけどこれが一番安全なんだよな。いきなり姿を消したら何するか分からないし。


 と、色々言ったがつまりは女の子可愛いということだ。可愛いは正義。

 容姿が整っていてそうじゃなくても、性格が良くてもそうじゃなくても。

 俺の望む通りになるところも、全部可愛い。

 可愛い可愛い、馬鹿な子達。


 ……ちゃんと愛はあるよ?ただ、馬鹿な子を見下すような愛の形ってだけで。

ありがとうございました。

ヤンデレって可愛くないですか。女の子にモテたいです。


知らなくていい設定

主人公

 名前はない。決めていない。女好きの女から女好きの男へ。


ヤンデレ三人

 一人目…私がこんなに愛してるんだから貴方も愛してよ系。場合によっては暴力も辞さない。同い年。

 二人目…監禁して自分だけのものにしたい系。でも妥協して他人との接触は許す。年上。

 三人目…自分を殺させて永遠に覚えていてほしい系。死ぬことで私はあの人の中で永遠に……!年下。

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