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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

異世界転生が始まらない

作者: た〜
掲載日:2026/07/05

気がつくと真っ白な空間に居た。正面には白いもやもやした人型の塊が

「瀬賀のび太さんですね」

話しかけてきた。これってもしかしたら

「そうですが、貴方はもしかして神様?」

「多神教的な考えだと神様と言って差し支えないでしょうが、一神教における神様とは別物でしょうね。詳しいところは話すと長くなりますが、聞きたいですか」

なんか話したくてウズウズしている雰囲気だな。話し出すとマジで長くなりそうな気がするから、遠慮しておこう


「おほん(残念そう)、それで瀬賀のび太さん、貴男はお亡くなりになりました」

あ、やっぱり。しかし全然覚えてないよな。何故死んだのだろう?

「覚えていらっしゃらないのは、亡くなり方がかなり酷かったせいでしょう」

ゴクリ

「〇〇が✗✗して★★で※※、で▲▲というわけです」


怖怖怖、痛痛痛

かなり酷いと言うから通り魔に滅多刺しとか、薬品ぶっ被って全身ドロドロとか、溶鉱炉に落っこちて骨も残らず燃え尽きたとか、宇宙人に拉致られて麻酔もなしに切り刻まれた。くらいのことを想像したけれど、そんなのが実に平和的に思えるほどの恐ろしさ。覚えてなくてよかった

「その影響で長いこと気絶しておられましたね。順番が回ってくるタイミングでお目覚めとはグットタイミングです」

ずいぶん長いこと?順番?死んでるのに気絶?

「貴男が亡くなってかれこれ3700年ほど経過してますよ。順番というのは亡くなったことや今後のことを説明する順番待ちのことです。要するにこの状態になるまでのことですね。亡くなっているのに気絶というのはたしかに珍しいですが、待ち時間を持て余す必要がなくてよかったじゃないですか」

たしかに3700年も順番待ちって勘弁してほしいわな。て、なんでそんなに待たされるんだよ

「だって毎日どれだけの方が亡くなっていると思うのですか。世界中でざっと16万人ですよ。おかげで待ち行列は伸びる一方です。貴男は亡くなり方が酷かったので気絶から覚めたところで割り込まして差し上げました」


なんか得した。のだろうか


「それで貴男は、異世界転生することになりました。剣と魔法のファンタジー世界です。チート能力とかはありませんが特に魔王を倒せとか文化レベルを上げろとか無茶振りもないのでが安心ください。転生先は比較的平和な領地を持つ公爵家です。両親は美男美女のカップルなので容姿は期待できるのではないでしょうか」

ほうほう、おらなんだかワクワクしてきたぞ


「あ、ヤバい。一人に時間かけすぎだと苦情が・・・・。そういう訳でお達者で」

ちょ、まだまだ聞きたいことや言いたいことが。言葉の問題とか食べ物のこととか遺された家族とか友達とか・・・・


ぷかぷか、プカプカ

再び気がつくとなんだか頭に血が上る。逆立ち状態?

しかも目が見えない、せいぜい明暗が分かる程度。薄暗い

とくんとくん。そんな音だけが聞こえる。心音?

これって胎児からやり直しってことですかぁ!?


退屈だ。今妊娠何か月?どれくらいこの状態が続くの?

3700年順番待ちするよりは良いのかもしれないが、時間感覚無いし後どれくらいこうしているのかも判らない。

生まれた後も乳児の間は似たようなものだろうし。乳児の期間ってどれくらいだっけ?


あ、尿意が・・・・我慢は、無理だよな。胎児が尿意こらえる仕組みを持っているわけがない

ということは自分の小便に浮かんで過ごすのか。地味に精神的ダメージが来るわー

しかもそれは口から鼻から容赦なく侵入してくる。生理反応として飲み込んでしまう。おえぇぇぇ・・・・


胎児の睡眠と覚醒の周期がどれくらいになるのか予備知識など無いし、外部からの情報なんてほぼほぼ無い。胎教という概念がないのかあっても実行していないのか、はたまた実行しているけど伝わってこないのかは判らないけれど、聞こえてくるのは母親の心音のみ。実に退屈で、単調故に時間の感覚がまるで無い。いったいいつまで続くのか


そしてどれほどの月日が流れただろう?そんな長い時間も終わりの時を迎えたようだ。

ぷかぷかゆるゆる浮かんでいたと思ったら不意に全身が締め付けられ絞り出される感覚に襲われる。

く、苦しい・・・・・

これが産みの苦しみ、いや産まれの苦しみか。 苦苦苦・・・・

そして


気がつくと真っ白な空間に居た。正面には白いもやもやした人型の塊が

て、どうしておれは此処にいる?

「おや、のび太さんおかえりなさい」

多神教的神様ではあっても一神教的神様ではない存在が話しかけてきた

「どうしておれは此処にいるのですか?」

「たまたま私の休憩時間だったので特別に割り込ませて差し上げました。タイミングが良かったですねー」

にこやかに返事を返してきたが、そういう問題じゃない

「そういう問題じゃなくて、どうして新世界に誕生じゃなく、此処に戻ってきたんですか!?」

「どうやら死産だったみたいですねー」

「はあ?とういうこと??」

「死産は死産としか言いようがありませんよ。二度目の貴男の人生は誕生するタイミングで終了したわけです」

おれの異世界ライフはどうしてくれる!?


「転生はお一人様1回きりと決まってますので、これにて終了です」

「一回きりって、まだその1回始まってないだろう」

「細かいことにこだわってはいけません」

ちっとも細かくねー

色々文句を言おうとしたら・・・・

「あ、休憩時間終わりみたいですね。それでは」


「おい、ちょっとm

(BLACKOUT)



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