表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/27

「リィール、大丈夫か?」


 ふらついたワタシを、隣を歩く体の大きな夫がすかさず腰を抱く。

「ああ、ありがとうバスティ。大丈夫だ」

 そう言って離れようとするが、彼の大きな手のひらは腰を抱いたまま離れてくれない。

 歩きにくいと文句を言おうと上を向けば、愛しげな手つきで大きく張りだしたワタシの腹を撫でられた。

 中からぽこぽこと、その手を蹴るのを感じる。

 彼もそれを感じたのか、顔が笑み崩れた。

「元気な子だな」

「誰に似たんだろうな?」

 ちょっと意地悪く彼を見上げてそう言えば、軽く唇を啄まれる。

「俺、かな」

 素直に認められてつまらない。大人の包容力か。

「ワタシだって、義父ちちに怒られるくらいやんちゃだったんだからな」

 彼の手からすり抜けて、頬を膨らませて先を歩く。


 初夏の風を受けて、頭の高いところで縛った髪が舞い、給仕長とオーナーから贈られたゆったりとしたスカートのすそがふわりと広がった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ