表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

取り出し屋

作者: 士口 十介

俺の名前はゲイル。

王都トスカーナで”取り出し屋”と言う商売をしているしがない商人だ。


俺の商売の取り出し屋、読んで字の如く何かを取り出す商売、これも俺がもらったスキル”取出”を利用した物と言って良い。

ちなみに取り出しの対義は”収納”であり残念ながら俺にこのスキルは無い。

収納スキルはあれば有名どころの商会や貿易商、軍隊(行きたくはないが・・・・・・)での”高収入間違いなし”と言われる垂涎のスキルだ。

だが、俺に収納スキルは無い。

収納スキルに取出スキル(と言っても収納スキルで収納した物対象という制限がある。)があるが、俺の取出スキルに対応した収納スキルは無い。

多少不公平を感じるが、まぁ、無い物は仕方が無い。

気を取り直して立ち上げたのが”取り出し屋”という商売だ。


排水溝から落とした銀貨を取り出し(別の人が落とした銀貨は俺がもらった。)

喉に詰まった餅を取り出し(つきたての餅を飲み込む、年寄りには危険な風習だ。)

壁に挟まった虎の魔獣を取り出す。(ミーちゃんと言うらしい。)


世の中、取り出すことができずに困っている人が多いのだ。


その日は行きつけの料理屋の前で店主が大騒ぎをしていた。

この料理屋は美人の女将さんと腕の良い料理人である店主、見習いの三人で切り盛りしている。

料理の味は良く評判の店だ。


「泥棒が、泥棒が入ったんだ!俺が仕入れから戻ると中に泥棒がいて・・・・・・咄嗟に逃げ出せたが中に妻と見習いが・・・・・・。」


「泥棒か・・・・・・ま、大丈夫だろう。」


俺は店の壁に左手を添える。


「泥棒を取り出し!」


すると、小袋を持った二人組の泥棒と服装の乱れた見習いを取り出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ