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真の一件落着。
ジュリヲさんは、ミュンシェラさんご夫妻に連れられて、
エルサニア王都へと旅立ちました。
罪を償ったら必ず会いに来ます、との再会の約束の言葉を残して。
罪人の護送みたいなピリピリした感じではなく、
拘束魔導具とかは無しの、
仲良し生真面目一家の家族旅行的な雰囲気だったので、
何だか安心しました。
頑固一徹なお父さんが、ジョウトさん。
しっかり者のお母さんが、ミュンシェラさん。
甘えんぼな娘さんが、ジュリヲさん。
みたいな。
えーと、ジュリヲさんって、幼く……じゃなくて、かなり若く見えるけど、
しっかりと成人されているそうですよ。
いや、合法だからといって、
次に会った時、どうこうなっちゃおうなんて思ってませんってば。
ちなみに、俺を見初めたのは、
例の"ジオーネ・マジックショー"、だったとか……
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とまあそんな感じで、騒動も終結。
そしてシジマ家は新たなるぶらり旅へ。
相変わらず、行き先未定ですけどね。
「指輪を見つめるジュリヲさん、本当に嬉しそうでしたね」
ばら撒きでは無く、必要としてくれる人へのプレゼントってことで。
でも、この『無限ペアリング』、イマイチ効果の程が分かりづらいのですが。
『そういうのは、気持ちがこもっていることが何よりも大切!』
おっと、チミコさんがこれ以上無いってくらいの真面目な正論を。
しっかりと成長してくれていて、お兄さんうれしいです……
「シジマさんも、お兄さんって呼ばれたい?」
あー、どうしよ。
サイノさんからそう呼ばれるようになったら、
きっとめっちゃゾクゾクする毎日になる、とは思いますが、
まだお会いしてもいないサイリさんからお兄さん属性をお借りするのは、
正直いかがなものかと……
「お兄さん属性にもいろいろアリ」
「サイリさんの真面目っ子お兄さん属性と、シジマさんのスチャラカ兄貴属性を混同してはいけない」
厳しいっすね、モルガナさん。
俺ってそんなに、わけ分からん系スチャラカ野郎ですかね?
「……」×4
そして旅は続く……
あとがき
ノアルさん編からの宿題だった『ゼロノウン』問題も、スッキリ解決。
いえ、これがシジマさん流の一件落着ですから。
北方魔導国家群は、これまであまり語られていない地域ですので、
何でもアリ系主人公のシジマさんとは、物語りを進める上で相性が良い、はず。
まあ、現状のシジマ家の面子が、
すでに何でもアリ過ぎなのかも知れませんが。
つまりは、これからもこんな感じでよろしくお願いします。




