20
とっぷりと日が暮れて、野営の準備はすでに完了。
人里からかなり離れた見晴らしの良い場所を野営地にしたのは、
周囲に気兼ねなくアレコレ出来るから。
いえ、アレコレっていうのはソッチ方面ではなく、荒事対策ですから。
「夕食、出来ましたよ」
はーい、いま行きまーす。
---
夕食も片付けも済ませたら、
みんなで焚き火を囲んでのまったりタイム。
「現在、私の広域探索で探知確認出来たのは、1名」
「ミュンシェラさんのみ」
「流石はサイノさん、感度も範囲も私以上の探索能力」
「それに、ミュンシェラさんも凄いよね」
「街で見つかったのがよっぽど悔しかったようで、一段と隠密レベルを上げたみたい」
「私では全く察知出来ないあの状態、特務司法官イチの隠密の使い手は伊達じゃない、だね」
サイノさんもモルガナさんもミュンシェラさんも、本当に凄いですね。
ハイレベル過ぎて、俺にはさっぱり……
でもミュンシェラさん、任務中ずっとひとりで野営するのもアレですし、
せっかくだから一緒に居てほしいんだけどな。
「たぶん、旦那さんが合流するのを待ってる」
「ずっとご夫婦ふたりで任務をこなしてきたようだし、おじゃま虫はヤボでしょ」
なるほど、ごもっとも。
それにしても、ご夫婦揃っての特務司法官勤務、
馴れ初めとかを聞いてみたいですね。
「それこそまさにヤボの極み」
「シジマさんだって、その辺を根掘り葉掘りされるのは嫌でしょ」
いや、俺とツェリアさんとのらぶらぶの営みの歴史、
是非、皆さんにたっぷりと聞いていただきたいっ。
「……」×4
……マズい。
流石に調子に乗り過ぎた模様。
「僕も、是非知りたいです」
おっと……




