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 その夜、宿を訪ねて来たのは……



「初めまして、サイノです」

「シジマ家合流、並びに、モルガナさんに頼まれていた私物の配達で参上しました」

「早く任務完遂の報告をして、お兄さまから誉めてもらわねば……」




 イシン ヲブザーヴ サイノさん。


 俺よりちょい歳下くらいに見える、清楚可愛い系の娘さん。


 そして何と、サイリさんの妹さん。



 真っ白な髪と肌、銀色の瞳も麗しい清楚な乙女、


 に見えますが、こう見えて人外さん。


 実は、よその世界から来た人型兵器さん。




 ひょんなことからサイリさんと出会って、


 元の世界に帰れず身寄りも無かったヲブザーヴさんは、


 サイリさんの妹、サイノさんとして暮らすことに。



 よその世界の兵器というのはマジで伊達では無く、


 鏡の賢者さんも一目置くほどの規格外なツワモノ。


 ロイさんのお仲間でも特に別格扱いな、最強格のひとり。



 だそうですが、ご本人は甘いものとサイリさんが大好きな、


 いたって普通の、お兄ちゃんっ子なお歳頃乙女さん。



 今は、サイリさんのお仕事をお手伝いしながら、


 こっちの世界のアレコレを勉強中。



 そんな時、モルガナさんからのヘルプ要請なお誘いが。



 いつまでもサイリさんにべったりでは……というサイリ家の事情と、


 求む! トラブル対処要員 (荒事含む)なシジマ家の事情とが、がっぷり四つ。



 サイノさん自身にも思うところがあったようで、


 渡りに船とばかりに出張武者修行に駆けつけて来てくれた次第。


 ご本人的には、花嫁修行も兼ねる、だそうですが。




 ってな経緯で、シジマ家乙女隊のニューフェイスは、サイノさん。



 我が家の防衛担当な助っ人をお願いすることになりましたが、


 モルガナさんが頼んでいたのは同居していたサイリ家に置いていた私物、


 例の超『隠蔽』ローブの着替えですね。



 うん、あの超『隠蔽』ローブって、


 その辺でほいほい買えるようなシロモノじゃなさそうですし。



 その他にも、シジマ家用の特製魔導テントなど、


 旅に役立つ様々なアイテムも持ってきてくれました。



 後でサイリさんたちに、お礼の『Gふなずし』しなきゃね……




 ---




 本当にすみません、遠いところをわざわざ。


 でも、女の子がひとりで、こんな遠くまで……



「移動は『転送』で一瞬」

「荷物は『収納』で楽々」

「自衛は、兄さんからリミッター解除許可を得ておりますので、安全安心」


 ……よく出来た妹さんで、サイリさんも誇らしいでしょうね。



「モルガナさんが居なくなって、お兄さまは夜ごと枕を濡らしております」


 あらら、愛されてますね、モルガナさん。



 でも、今回の移動はあくまでお仕事の一環ですし、


 ある程度落ち着いたらちゃんとサイリさんの元へ戻りますよ。



 ね、モルガナさん。



「いや、私は騙されない」

「どうせ枕を濡らしているのは、私が不在なことによる安眠のよだれ、ってオチ」



 サイリさんのお宅も、何やら複雑な家庭事情のご様子……



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