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裏ルートの攻略後、悪役聖女は絶望したようです。  作者: 濃姫
第四章 【悪役聖女】の末路 
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小さな腹の中


 「ぁ゛〜ー…ッ、ぁ゛、がッ⁉! ゥぇあ゛ッ、〜〜ー゛ー…」


 純白と厳格を追求する神殿の最深部において、その非人道的な行為を行われていた。

 厳重に閉ざされた扉は外部からの敵の侵入を追随させぬようにするのはさながら、決して逃れることのできない監獄と化している。


 その日私はまた新たな拷問染みた行為を強要されていた。手始めに散々刻印を焦らされることはもちろん、それによって火照りきった身体を優しく優しく()()()()という地獄。


 以前のように放置されるよりはマシだと思えばいいのか、それとも下手に快感を拾う分物足りなさに狂うと言うべきか。何方にせよ自分の身体が期待にそぐうことのない変化を遂げている事実だけが残るという後味の悪さだ。


 今まで散々に犯されていたせいか果てることに慣れきった身体は熱だけが高まって泣き叫んで、熱く硬いモノは確かに自分のナカにあるはずなのに満たされない矛盾に混乱する。


 「ぉぁ゛〜〜…ー、〜゛ー…⁉」

 「あぁあ、頭馬鹿になっちゃったんじゃない?」

 

 横から聞こえる馬鹿にしたような軽い声にとろけ切った脳が微弱に反応した。いや、それは一種の拒絶と言っても遜色ないほどのものだった。


 身体はまた別の他の男の手によって侵食され、その奥ではまた一人何処から手にしたかも分からない年代物の高級ワインを優雅に注いでいる。

 まるでこれが余興とでも言わんばかりに自然体でくつろぐその姿はあまりにも傲慢が過ぎた。


 かれこれ一時間が経過し、そのうち果てることもできずに永遠とナカを堪能しきる獣に付き合わされて熱に酔った身体は境界線すら曖昧になって崩れた。


 「…シルティナ。もう声出す気力もないか?」

 「…ッぁ゛、……〜〜〜ー゛〜ッ」


 私のだらしなく歪みきった顔を覗いて真っ直ぐと見きるイアニスは私の熱が移ったと言うのか汗を少し垂れさせて吐息に熱気が籠もっている。


 「は〜ー…ッ、ナカが締め付けて俺ももう持ちそうにないな」

 「ならさっさと終わらせれば? 遅漏野郎」

 「あ゛? お前こそ腰振るしか脳のない猿だろ」

 

 殺気に満たして一色即発の空気になるのはもう構わないがそのせいで私の身体を強く握るのはやめて欲しい。骨がミシリ…となる痛みでさえ快感に変えてしまいそうで怖いのだ。


 犬猿の仲と言うべきか顔を合わせれば必ず争う二人を横目に、この一連の状況を全て静観している男。首だけを横に倒して目線を合わせれば、まるで人間味のない瞳が映る。


 どちゅ……ッ??!


 「ㇵ、…ッぁ゛〜〜〜〜゛ッつ?! ぁぐッ…ィ゛、ッんん゛〜〜〜〜?!!!!」

 

 私がオルカに意識を持っていったことに気づいたのか、突如として怖ろしい程の暴力的快感が襲う。

 それは此方の都合を一切無視した完全に自分本位の行為で、故意にき止められていた快感の波があっさりと瓦解して言葉を発せないほどの筋肉の硬直を引き起こした。


 ゆっくりと限界まで引き抜いては、また押し戻していく。その作業が途方も無いほどに気持ちいい。全身に電流が走って目の奥がチリチリしている。


 だのに果てた感覚は薄く、ずっと漏らしたような不思議な感じに脳が戸惑う。じわりと溶けるくらいに熱いのに身体は確かに絶頂を迎えている。


 「…〜〜ー??、…ー?」

 「ヤッバ…。混乱して『?』しかないシルちゃんちょー可愛い」

 「オーガニズムは初めてか? まぁこの為に散々焦らしたからな」


 おーがにずむ…? 何だそれは。この終わりのない浅い絶頂のことだろうか? 腹の奥辺りを強く突かれると特に痙攣は酷くなり、歯茎がカチカチと安定せず音を鳴らした。


 奥に丸々と収まったモノが悠々と所有者ヅラをして居座っているのが嫌で身体をよじ曲げて逃げようと藻掻いても腰を両腕でガッシリと掴まれまた奥に引きずり込まれるだけ。


 「ッ゛、ぅう゛ぅぅぅ゛〜〜^…゛⁉!! ぃ゛、あぐッ…、はくッ…」

 「ハハッ、気持ち良すぎて息できてねぇじゃん。久しぶりに優しくされて感じちゃった?」

 

 ラクロスのおちゃらけた声が耳に五月蝿い。それに言っていることがあながち的を外れてもいないため余計腹が立った。


 私の意志は決して屈してなどいないはずなのに、散々凄惨なる暴力によって躾けられた身体が久しく振りのみつに酔いしれているのだ。


 コレが優しいとはどうかしているが、それでもまだ痛みがない分余計快楽を敏感に拾い集めてしまう。

 快楽と痛みによって均衡が保たれていたせいで、何方かに比率が偏るとその弊害を多く受け入れてしまうのだ。



 どぷ…、こぷっ…


 吐された精は奥に塗りたくられ当分は外に出てこない。これを最後掻き出されるのだって羞恥の極限だと言うのに、どれだけ私を辱めれば気が済むのか。


 いや、そもそもこの獣達に満足など決してないのだろう。満たされないから、乾きを埋めるために貪るのだ。人の生き死になんて関係ない、あまりに身勝手で自分本位の欲の為に…。


 ずるっ……、とイアニスから離れた私の身体はそのまま何の隔たりもなくラクロスの元へと預けられる。

 日が昇るまでという時間制限を付けられた中、私の身体を余すことなく喰らい尽くす獣達に飽き飽きしながらも、私はまた微かな甘い声を綴った。


 まるで鳥籠に閉じ込められた飼い鳥が、この窮屈な檻から自分を救うよう囁きかけるように。その甘く艶を含んだ声で、いざなうように…。

 













 ######


 昼と夜の境界線が曖昧になり、例え昼でも獣を受け入れる時間は苦痛でしかない。

 夜であれば多少は融通が聞くかも知れないが、義務付けされていない昼での行為は自分が【聖女】だと自覚したまま抱かれるため拒絶心がそれこそ二倍にも三倍にも膨れ上がるのだ。


 仕事さえしていればいい安らぎの時間が削られて、いつ誰に知られるかも分からない別の恐怖心に駆られる。いくら防音魔術や周りに結界を張っていようとなかろうと私を動揺させるためについた言葉が一層不安に駆り立てる。


 最近は特に胃もムカムカすることが多く水やスープでさえ受け付けるのはほんの少しだ。ただでさえ少ない私の食事量は極端に減って少し骨も透けて見えて明らかに病人にも似た身体になっていた。


 

 ズ…ッ、……ズズズ…

 「ほぉら、食べなよ。シルちゃんがあれだけ望んでた美味しいご飯じゃん」

 「ぅお、ッご…?! ぉ゛ぐ、ぉえ゛ぁ…、ッツ゛…!!!」

 

 ベッドの上で行われる、いつもとは趣向の違った()()。食事と思われるモノが食道を通り次々と胃に押し流される。

 決して吐き戻すこともできず、『味』に慣れない私の食道器官が警報を鳴らしていた。


 決して途切れることのない()()は例え私の胃の内容量を越しても終わることはなかった。呼吸器官ですら押し潰されて機能を果たしていないというのに、限界を知らないラクロスはその手を止めることはない。


 以前はあれ程望んでいた食事。でもそれは、ちゃんと()()()()()食べる食事だ。こんな家畜に無理やり餌をやるようなものではない。


 「ぅ゛おぇ…ッ、おえ゛、ッ!! ッ゛〜〜ー…、〜〜〜゛^…⁉!」

 「よしよし。お腹いっぱい食べれて嬉しいね〜」

 

 ようやく食事と言う名の餌やりが終わったかと思えば吐きたくてもそれができない程押し込んでおいて何を飄々と言えるのか、爪でも引っ掻いてやりたがったがそれよりもまず吐き気と苦しさが勝った。


 「ぁ゛〜、ちょっとお腹ポコってしてる。可愛いけどつらそうだし…、そだ!」

 「??? …ヒぐッ⁉!! ぃ゛、ぁ゛アァァあああぁ…゛?!!!!」


 本来胃に貯蓄されるはずの栄養分がその限界を訴えて上腹部に置き去りにされ、膨らんでいた私のお腹に手を当てると身体の内側から破壊されるような激痛が走る。


 まるで内蔵の位置を丸ごと動かされてるような、本来人体が決して触れることのない領域にこの男は素手でそれも無造作に触れていた。


 見る見ると上腹部に溜まっていた食べ物は押し流され下腹部へと行き着いた。胃はすっかり絶叫を上げ私は胃が破裂せんばかりの激痛と内臓を直接握られた気色の悪さでどうにかなってしまいそうだった。


 今まで吐いて多少マシになっていたのに、もう奥に入り込んでしまったせいで容易には吐けず水とスープしか飲んでこなかったこの身体に大量の肉やデザートと言ったものは毒も同然だった。

 


 吐きたい…。吐きたい吐きたい吐きたい吐きたいッ…!!!


 空っぽに慣れきった胃が無理やり元に戻そうとする不可抗力で内蔵はしきりに動いて気持ち悪いし、その藻掻く様を上から見下され必要とあらば口を手で塞ぎ呼吸さえ支配されてしまう。


 「nンンん゛ッ〜〜ー…⁉! ゃ゛めッ、nン゛ん゛⁉!!」

 「折角食べたもの吐いたらダメでしょ? ()()()のシルちゃんならそれぐらい分かるよね」

 「はな゛sッ、〜〜^ー゛?!! はき゛だっ…、ぃ。ぉな゛か、ぃたイ゛…」


 もう苦しい…。お腹の内側から圧迫される気持ち悪さと激流するものを無理やり押し戻される苦しみで今まで味わったことのない痛みに脳が対応できずにいる。


 「ぅ゛ツ⁉! ぉねが゛、はか゛せでッ…!」

 「こぉら、ちゃんと【聖女様】やるんでしょ…? お供え物を吐いたとなったら悲しむんじゃない、孤児院のガキ達」

 

 …この男、何処までも最低な奴だ。一体どこから食べ物を仕入れているかと思えば孤児院の子達からだったなんて。


 あの毎日を生きるのにも貧しいあの場所からそれでもと感謝の意を込めて送られるお供え物。それを無理やり口に突っ込んで吐きたいと願わす外道げどうの思考だ。



 それでも…。それでも私は……、っ。


 聖女。聖女聖女聖女聖女聖女聖女聖女聖女………。その言葉に縛られた結果、私は長年の癖が抜けきれないのか逆流しきったものを全て呑み込んだ。


 苦しくて、苦しくて、苦しくて、苦しくて…、っ。それでも私は【聖女】だからと呑み込んだ。全ての罪を覆い隠すが如く、この甘く残虐な行為の全てに耳を閉ざして。


 そうやって呑み込んだ吐瀉物はオドロオドロとして、最低に気持ち悪くて、最悪な味がした。まるで今の私のような、決して元の美味しさには戻らない残骸だ。


 

 最近咽び声とか悲鳴のレパートリーが同じ過ぎてスランプかもしれない…(´;ω;`)

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