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蔵品怪談奇談  作者: 蔵品大樹
普通のお話
9/43

世界一旨いカツ丼は俺のカツ丼だ!

奇妙な世界へ……………

 俺は馬場勝。俺のカツ丼が世界一と豪語する男だ。

 俺は数年前、脱サラをした。それは何故か?それはとあるカツ専門店で食べたカツ丼が非常に旨かったからだ。

 会社を辞めてカツ専門店を開く時は同僚に止めろと言われるも、俺はそいつ等の忠告を無視し、辞表を部長に出したものだ。

 幸い、親が弁当屋を営んでいたため、カツやカツ丼の作り方を教えてくれた。

 そして、一年前、俺はカツ専門店『馬場のカツ!』を開いた。

 営業当初は客足は少なかったが、今では、色んな人達が来てくれるので、俺は勝利の酒を飲んだかのように愉悦に浸っていた。

 そんなある日の事、俺はアルバイトの稲岡にとあることを聞いた。

 「お前さぁ、今まで食ってきたカツ丼の中でどこのカツ丼が旨かった?」

 「えっ………そりゃあ、カツ専門店富田のカツ丼ですよ」

 「そうだよなぁ、カツ専門店富田の……………って、ウチのじゃないのか!?」

 「はい。確かにここのカツ丼は旨いですよ。でも、味がちょっとしょっぱいんですよ」

 「は、はぁ…」

 俺は残念だった。まさか、ウチのカツ丼じゃなくて他所のカツ丼が旨かったのが衝撃だった。

 俺は歯を食いしばり、稲岡にあることを聞いた。

 「なぁ、その富田って所をどこか教えてくれよ…」

 「えっと…尾原町の3丁目ですが…」

 「わかった……………明日、休みにするから」

 「えっ…はい…わかりました……………」



 次の日、俺は臨時休業という名の盾を使い、カツ専門店富田の場所へ向かった。

 そこに着くと、俺は扉を開けた。

 「いらっしゃい!」

 「すいません、カツ丼一つ」

 「あいよ!」

 それから数分後、テーブルにカツ丼が届いた。

 「へい!カツ丼一つ!」

 そのカツ丼は見事に良い匂いがして、俺の食欲を掻き立てるような見た目をしていた。

 「いただきます…」

 俺は一口いただくと、口の中にはだしの風味が匂ってきた。

 悔しいが、稲岡が言っていた通り、確かに旨い。しかし、今回の目的はこんなのではない。

 俺は内ポケットから釘を取り出すと、それをカツ丼の中に入れた。そして、わざとらしく悲鳴を上げると、アルバイトの女が来た。

 「お客様、どうかされましたか!?」

 「おい、カツ丼の中に釘が入っていたぞ!」

 「えっ!店長を今すぐお呼びいたします!」

 そう、今回の目的は、クレームをつけて、その店の評判を下げることだ。

 そうしているうちに、店長がやってきた。

 「お客様、どうやら、商品の中に釘が入っていたと…」

 店長は、今にも土下座をするんじゃないかと思うくらい震えていた。そして、俺はそんな店長に斬りかかる!

 「あのねぇ、この事、マスコミに言っちゃおうかなぁ?」

 「ひぃ!そ、それだけはご勘弁を!」

 「嫌だね。俺だってこれを食いそうになって口の中を怪我しそうになったんだ。言わない訳が無い」

 「ど、どうか!なんでもしますので!」

 「なんでもするか……」

 その言葉を俺は待っていた。俺は店長に畳み掛ける。

 「じゃあ、このお店、畳んでもらおうか」

 「えっ!?」

 「言葉通りだよ。畳まないと、マスコミに言おうかなぁ?」

 「で、ですか、私には妻と二人の子供が!」

 「で、だから何?」

 「ひぃ〜!」

 「店を畳むか、マスコミに言うか、どっちにする?」

 「ううぅ……」

 それから次の日、カツ専門店富田はきれいサッパリ無くなっていた。

 「ふぅ…これで、ウチを蝕む害虫はいなくなったな」



 それから俺は邪魔なカツのお店をどんどんと潰していった。

 ある店は、マスコミに黒い噂をリークし、あるお店は嫌がらせをして精神崩壊させ、あるお店に至ってはその店の店長を自殺に追い込んだ。

 俺の店は、最終的に日本一、いや世界一、一番旨いカツ丼のお店となった。

 「あ〜はっはっはっはっはっはっ!笑いが止まらねぇ!俺はカツ丼の王様だぁ!」

 俺の笑いは止まることを知らなかった。



 それから、ある日の事、ある夢を見た。

 何故かカツ丼が俺に語りかける夢だ。

 「馬場勝よ、貴様はやりすぎた。その内にカツ丼神からの裁きを受けるだろう」

 「はっ………夢か…変な夢だなぁ…」

 そして、昼。店を開店すると、客がどんどんと入ってきた。

 「いらっしゃ……ってえぇ!?」

 なんと、客がまるでゾンビの様にぞろぞろと入ってきたのだ。

 「カツ丼を食わせろ〜」

 「な、何だ!?」

 客が俺の元に来たため、俺は調理室に入った。

 「て、店長、どうしました!?」

 「お、お前ら、早く逃げろ!」

 「な、なぜ?」

 「早く!」

 店員を逃げさせると、客が調理室に入ってきた。

 「カツ丼〜カツ丼〜」

 「ひっ、ひぃ!」

 俺は焦りによってうっかり近くにあったカツ丼をひっくり返してしまい、俺にかかってしまった。

 「カツ丼だ!」

 すると、客は餌を見つけた魚の様に俺に襲いかかった。

 「ひぃ!俺はカツ丼じゃなぃ!」

 しかし、客はそれに気付かずに、俺を食い始めた。走馬灯の中、俺は自分のやった事を大いに反省した。

 そして、俺はカツ丼とともに食われてしまった。

【解説】どうも、蔵品大樹です。今回は珍しく、オチの解説をしようと思います。なぜ、客が馬場に襲い掛かって来たのか。それは、その客が、今まで馬場が潰してきた店の常連だったから。そして、その店を潰した恨みによって、馬場を襲った…まぁ、意味がわからないです。正直自分もよくわからないオチにしてしまって軽く混乱してますが、ここまで読んでいただきありがとうございました……………

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