知らない男【SS】
奇妙な世界へ……………
ここは地獄と天国の狭間。今日は二人の男がここに訪れていた
閻魔大王が一人目の男に言う。
「江藤吾郎」
「はい」
江藤と言われた男が、閻魔の前に行く。
「貴様は、生前、善人だったそうだな」
「えぇ。いろんな地域でボランティアをしたり、ホームレスの方々に食事を与えたり、ましてや貧民層の方々を助けたりしておりました」
「しかし、貴様は過去に大罪を犯したそうだな」
閻魔のその言葉に、江藤は驚く。
「えっ?私がそんな事を?」
「あぁ。貴様は中学生の頃、友人である柴崎健一郎を山から悪ふざけで落とした。まるで善人とは思えない事だな」
「そうですか…」
「さらには、この事を隠蔽した。親のコネを使ってな」
「はぁ…」
「貴様は一人の人間を、見放した。なので、地獄行だ!」
「そんな…嘘だァァァァァ」
崩れる江藤をその場にいた鬼たちが地獄に連れ去った。
「では、次」
閻魔は江藤がいなくなるのを確認すると、次の男を呼んだ。
「はい」
「柴崎健一郎」
そこには、死んだと思われた柴崎がいた。
「貴様は中学生の頃、友人である江藤吾郎に山から落とされ、さらにその事を、闇に葬られた。だがしかし、貴様は奇跡的に生き残った。それは、山の動物達により育てられたからだ。そして、貴様はメディアで動物に育てられた男として言われた。しかし、その事を江藤は知らなかった」
「そうですか」
「貴様は、悪さをしていない。なので、天国行だ」
「分かりました」
柴崎は、天使たちに運ばれていった。
一方その頃、江藤は、柴崎が生きていた事、柴崎が天国に行った事を知らぬまま、地獄の苦しみを味わうことになった。
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