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蔵品怪談奇談  作者: 蔵品大樹
普通のお話
38/43

毒と無敵

奇妙な世界へ……………

 俺は渡英介。毒使いの殺し屋さ。

 俺は裏社会で『毒使いの渡』と呼ばれている。それはなぜか、名前の通り、毒を使うからさ。俺は殺しのためにはどんな毒をも使う。

 蜘蛛の毒やサソリの毒。蛇の毒や人工の毒、自然の毒等で、俺は殺しをしている。

 俺に逆らった奴は全員毒死したさ。なんせ、俺様は最強の毒使いだからなぁ。

 さて、俺には依頼が来る。

 今回訪れたのはある一人の科学者だった。おそらくこの科学者は別の科学者を殺してほしいに違いない。そう考えた。しかし、この科学者は意外なことを言ったのだ。

 「私を毒殺できるか試してほしい」

 俺は驚愕したよ。自分を毒殺してほしいなんて余程のアホじゃない限りそういない。そして、科学者の稲本は続けた。

 「私はどんな毒物にも耐えられる薬を開発した。それがどれぐらい試せるか手伝ってほしい」

 聞けば聞くほど意味が分からなかった。毒物に耐えられる薬なんてあるはずが無い。まさか、毒に勝る、所謂無敵薬を作ってしまったのか?コイツは。

 稲本は前金2000万を渡した。もし毒で死んだら保険金を俺に渡すらしい。

 「よし、分かった。じゃあ、手伝ってやるよ。お前のその実験に」

 俺がそう言うと稲本はとてつもなく喜んだ。

 そして、俺は稲本の研究所まで行った。俺の持つ全ての毒を持って。

 「じゃあ、軽いものからよろしく」

 そう言って稲本は薬を飲んだ。

 俺は早速、ベニテングタケの炒め物を稲本に提供した。

 そして、稲本はがっつく様に全て食べた。

 しかし、稲本はなんの症状も出なかった。

 (ほう……本当に無敵だな)

 俺は次に1.5g超えのビタミンDを飲ませた。

 しかし、これを飲ませても症状が表れず、死ななかった。

 (吐きもしないなんて、文字通り無敵だな)

 次に、10gの塩化カリウムを飲ませた。

 またしても死なず、俺はイライラしてきた。

 (ったく…俺の本来の仕事は毒を使って殺すことなんだよ…早くくたばれよ…)

 次に、ムカデを腕に噛ませた。

 しかし、噛まれた所から血が出ても、笑顔で『大丈夫です!』と言ってのけた。

 (何故!?)

 ムカデと来たらヘビだ。今度はマムシを舌に噛ませた。

 しかし、奴は余裕そうに『平気平気』と言った。

 ヘビの次はハチ、ハチの次はスズメバチ、それより次は北米で生息するトガリネズミ、さらにそれより次はフグの内臓、またまた次はクロゴケグモ…………といった毒を次々に試していった。

 しかし、ことごとく毒は稲本に敗れていった。俺の怒りは頂点に達した。

 (仕方ない………最終兵器だ……)

 俺はとある注射器を稲本の前に持っていった。

 「渡さん?これは?」

 「これはボツリヌストキシン。これを含む成分がこの注射器に入ってるわぁ……」

 「ほう。じゃあ…刺してください」

 俺は稲本に刺そうとしたその瞬間、研究室のドアが開けられた。

 「渡ィ!お前を毒物及び劇物取締法違反で逮捕だ!」

 「そ、そんな、何故!?」

 「クククッ…」

 「!?」

 俺は稲本が笑っている事に気づいた。

 「稲本…まさか…!?」

 「そうさ。警察を呼んだのは私さ。よくも、私の友人をやってくれたねぇ……」

 「貴様ァ…」

 「あと数秒で効果が切れるからヒヤヒヤしたよ」

 「あと数秒?」

 「あぁ、この無敵薬はだいたい一時間半くらいしか効果が続かないんだ。本当に助かったよ。さぁ、これは私が預り……」

 稲本のその判断が自身を狂わせた。

 稲本の手のひらに注射器の針が刺さったのだ。

 「あっ……」

 「えっ?」

 「やべっ…」

 この瞬間、稲本の顔から血の気が引いた。

読んでいただきありがとうございました………………

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