怪しげな男
奇妙な世界へ……………
俺は笠本和之。ちょっとした事をしている男だ。
俺は今現在、とある怪しげな男の見張りをしている。その男の名は、尾西竜也。
尾西は連続殺人鬼だ。そのため、今現在指名手配されている。
そして、俺は尾西を逮捕するために、私服警官として、奴を見張っているのだ。
今の時間は21時32分。俺は奴がアジトとしている空き家で待ち構えていた。
それから一分後、奴が家から出てきた。俺は怪しまれないようにニット帽を被った。
それからして、奴はとある繁華街に出た。
(オイオイ、ちょっと待て、アイツ、指名手配されている自覚があるのか!?)
俺はもっと怪しまれないために、サングラスを掛けた。
そして、21時50分、奴はとあるバーに入った。バーの名は『みつる』だった。
(アイツ、酒を飲むつもりなのか?)
俺は奴が入った数秒後にそのバーに入った。
バーの中には尾西以外誰も居らず、一人で飲むには最適だろう。俺は尾西が座ったところより五席離れた所に座った。すると、尾西がバーのマスターに何か言った。
「すいません、マスター、注文よろしいですか?」
「何でしょうか?」
「えっと…赤ワインのレッドスイーツとビーフジャーキーを」
俺ほ固唾をのんだ。もしかして、あれはなにかの暗号なのかと思い、店長を見た。
「………わかりました。では、すぐに持ってきます」
(なんだ…何かの暗号じゃないのか…)
そして、奴の前には、赤ワインとビーフジャーキーが届けられた。そして、俺も怪しまれないように注文を頼むことにした。
「マスター」
「はい、なんでしょう?」
「彼と同じものを」
「了解しました」
それで、尾西が頼んだものと同じものが俺の目の前にすぐに届けられた。
俺は黙々とワインを飲み、ビーフジャーキーを貪った。
それらをすべて平らげると、目の前に、一杯のカクテルが置かれた。
「これは…?」
「あちらのお客様からです」
「ん?」
マスターが顔を向けた方向を見ていると、尾西がウインクをしていた。
(な…アイツ、俺を警官だとわかっていて、俺を挑発しているのか?)
俺はイライラした気持ちでそのカクテルを飲もうとした。しかし、その下に、一枚の紙ががあった。表には何も書かれていなかったが、裏返すと、カタカナで『お前の事は分かっている』と書かれていた。
(アイツ、やはり!)
俺はイラついて席を立とうしたが、それは俺のプライドが許さなかった。こんなことで怒っていては、ダメダメだ。
俺は落ち着いてカクテルを飲んだ。しかし、その瞬間、視界がぼやけてきた。
「なんだ……これは…なんだか…ねむ…い………」
俺はそのまま眠ってしまった。
次の日、俺は外に放り出されていた。
「う〜ん、頭が痛い……二日酔いか?」
俺はことなくして、見張り場所に戻った。
その夜、奴はまた家を出た。
(よし、追いかけるぞ)
俺はまたニット帽を被り、後を追った。
そして、また尾西は繁華街に入り、例のバーに入った。
(まただ……アイツ、このバーの常連か?)
そして、俺もサングラスをして、バーに入った。
すると、もう尾西は注文していた。
「マスター。『青森県産の芋焼酎』を」
「はい………わかりました」
(ん?青森県産の芋焼酎?はっ!?もしかして、なにかの暗号か!?)
俺はそのまま席に座り、待っていると、ドアの開く音が激しく響いた。
「すいません、警察ですが、尾西竜也さんはいますか?」
「はい。います」
マスターは何故か俺の方に指を指した。
「な、なんで!?」
「お前が尾西だな?」
「ちょ、ちょっと待って下さいよ。俺は尾西じゃないです」
「あぁん、お前の身元はもう割れてんだよ。来い!」
俺はそのまま警察署に連れて行かれてしまった。
そして、取り調べ室で、一対一で話す事になった。
「どうも、担当刑事の入江だ」
「だから、俺は尾西じゃないですよ」
「じゃあ、身元を証明する物は?」
「はい、これです」
俺は財布の中から免許証を取り出した。
「はい。俺は警察の笠本だよ。早く出してくださいよ」
「お前、これは尾西の免許証だぞ」
「へっ?」
「やっぱり、お前尾西じゃねぇか!?」
「違う!俺は……昨日、酒を飲んだあとに眠ってしまったんだ。その時に免許証を入れ替えられたんだ」
「じゃあ、この顔に見覚えはあるか?」
免許証には、俺の顔写真が写っていた。
「あぁ……」
「あのな、お前は警察の笠本じゃない。尾西だ」
「わかりました。刑事さん…話します……」
そう、俺は本当は尾西竜也だ。数ヶ月前、俺は殺人を犯した。それから俺は月一で人を殺していった。その結果、警察から追われるようになり、その際、俺が笠本和之という警察官になりすました。しかし、あのバーで酒を飲んでいる時に、マスターと、あの男に顔がバレてしまい、警察を呼ばれたということだ。
あぁ、本当の怪しげな男は俺だったという事だったのだ。
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