第7章、仲間を求める③
今日は「魔女の敵」の更新はありません。
申し訳ありませんが、来週の更新はお休みさせていただきます。
「シェラトリス、どうせなら学校で調査団体を立ち上げたらどうだろうか。」
アスカルトが軽い調子でそう言った。
「え?学校?」
シェラトリスは少々面食らった顔で聞き返す。
「そう。学校に属する団体として正式に認められれば、個人でやるよりずっと調べられることが増えて良いと思うよ。ほら、他領で何か情報が欲しい時に、“シェラトリス個人”の頼みでは調査を断られる可能性が高いけど、学校という“公的な団体”が依頼すれば協力してもらえるだろう?」
アスカルトの言葉に納得するシェラトリスだったが、あまり乗り気な顔ではない。
組織を立ち上げるのは大変だからだ。運営には報告用の細かな活動記録を取らねばならないし、諸費用や手続きはしっかりと学校を通さねばならない。そもそも団体を立ち上げるには、一定人数のメンバーどころかリーダーが必要だ。発案者のシェラトリスが責任を持ってリーダーを務めるにしても、シェラトリスにはメンバーを上手くまとめられる自信がない。
「私は名案と思いますよ、“アスカルト様”!」
クレーメンスはアスカルトに賛成の意を表し、生き生きとした顔でシェラトリスの方を見た。
「ぜひ他の方にも呼び掛けて、調査仲間を集めませんか?!」
(そうだわ、学校に属する団体を設立すれば、協力してくれる仲間ができるかもしれない…。)
個人的に調査することを考えていたシェラトリスは、調査団体を立ち上げるメリットを考え始めた。
(アスカルトやクレイの手を借りても、少人数では調査しきれない可能性もあるし…。)
「でも…私、アスカルトみたいにリーダーシップもないし、クレイみたいにすぐに他人と打ち解けることもできないわ……。」
シェラトリスは自分に自信がない。白ノ魔女に対する差別のせいで―――あまりに容易く行われる存在否定のせいで、白ノ魔女が何をしても無駄なのではないかという虚無感に襲われる。気にしないようにと言われても、悪意ある言葉や態度は容赦なく心を抉るのだ。何度も傷付けられれば無気力にもなり、最初の一歩が踏み出しにくくなる。
「―――言っただろう、シェラトリス。」
アスカルトが肩を叩いた。
「―――僕らがいる。大丈夫だよ。」
その隣で、クレーメンスも笑う。
「シェラトリス様なら大丈夫ですよ!」
(そうね、私には頼れる仲間がすでにいるのだから、きっと…。)
「―――ええ!」
シェラトリスは弱気な自分を叱咤するように、ぺちぺちと頬を叩いた。
後日、シェラトリスは学校に調査団体の設立を申請した。
申請は何事もなく通り、〈白ノ魔女研究会〉という名の調査団体が生まれ、リーダーのシェラトリスを含む五名のメンバーで活動が開始された。
植物が生き生きして虫がわんさか出て来る時期になってきましたね。植物が苦手で虫はもっと苦手な自分としては、最悪の季節です。家に入られた時なんかもう…。共感してくださる人はいますか…。
〈追記 2023年5月22日〉
「古の魔法書と白ノ魔女」の閲覧者数がのべ3000人を超えました。進捗が遅いにも関わらず読んでくださり、ありがとうございます。




