番外編1、複雑な立場④
「そういえば、クロノタトン嬢がいませんね。」
お兄様が他人行儀にそう告げた。
「そういえば殿下方は今回〈古書の儀式〉を受ける者たちの名を知っていらしたな。」
「最初に儀式を受けたのはクロノタトン様なのです。紙飛行機を追いかけて廊下に出てしまわれたし…もしかしたら、地下に行ってしまったのかもしれないですよ。」
地下。それは〈禁書〉が保管されている…。
「地下にある“〈古書〉”はすぐには渡せんものばかりじゃ。」
「呼び戻した方がいいですね。」
「私が行きますね。」
「王女殿下が行かれるのなら私が…。」
スティルグさんが私を気遣ってか、名乗りを挙げた。だけど…。
私は首を振る。
「いえ、お気遣いなく。あそこへ行けるのは限られた者のみなので。」
「無理をするな、クレランス。僕が―――」
「―――外に、誰かいますよ。」
ロマ様がドアの向こうを指差した。
「アスカルト様の騎士じゃな。」
アーリン様がロマ様の頭を撫でた。
「どうした。」
「ロウランドです。ご報告が。」
ドアが開いた。ロウランドの他、レイジオンお兄様の騎士が数名いた。
「すまない、クレランス。頼めるか?」
「はい。お兄様。」
私はシェラトリス様を探しに地下へ。
その後、私は地下でシェラトリス様を見つけた。
普通、地下にはアーリン様たちと王族しか立ち入れないようになっているのだが、〈古書の儀式〉によって紙飛行機が道案内してしまったようだ。
さすがに中へは入れない…と思っていたら、シェラトリス様が魔力を込めて飛ばしてしまったようで、壁を通過してしまった。メイシー様は厳しい方だから、とても焦った。
ロマ様もメイシー様も、私と年齢が近いように見えて、本当はお兄様たちよりも年上。
ロマ様はにこやかだけど、メイシー様はクール。
ロマ様は図書館中を歩いて来館者や職員とよくお話ししてるけど、メイシー様は地下に引き籠っているからほとんど誰とも会話をしない。もちろん、〈番人〉としての役割が違うから仕事場も違うのは当然だけど…それを抜いても、とても正反対な性格だと思う。
“修繕中”という理由が告げられ、儀式は終了し、シェラトリス様たちはお帰りになった。
「番外編1、複雑な立場③」にて、「魔法生物」と書くべき所を「魔物」と書いていました。すみません。この二つは別物であり、紛らわしいので、「魔物」を「獣魔」に変更しました。
「魔法生物」と「獣魔(旧:魔物)」の違いについては後々、小説内で説明が入ります。お待ちください。
名前を適当に付けすぎて度々変更していますこと、本当に申し訳ありません。気を付けます。
第1章~ の文章を少し変更&加筆しました。また、「後書き」部分(この欄)にて、この物語の情報を付け加えている場合もあります。よろしければもう一度読み返してみてくださいね。




