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⑴『観念の破綻と再生』
⑴『観念の破綻と再生』
㈠
何れ、人間の観念は破綻する。それは、死を意味しているだろうし、不可抗力だけはどうしようもない。ただ、その観念を文章化し、記録しておくことは出来る。我々には、現代、電子フォルダがあるから、無数の文章群が、残存可能な訳である。
㈡
現実から遠く離れた、観念の存在は、今しがた、克明に見ることは不可能だが、しかし、現実から離れれば、即座に観念世界へと入ることが出来るだろう。観念を描いて、観念から脱却すること、それは、観念の破綻と、其処からの再生を意味するだろう。
㈢
観念的所作というものが、存在するとしたら、我々は何処に、それを見るだろう。少なくとも、現世では、それは浮世離れしていると言わざるを得ない。ただ、確実に、観念の破綻による死は、主に詩として、それまでの生活記録を、逆再生するだろう。つまり、どれだけ生前に作品を残したか、ということになる。