表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界最強の殺し屋異世界で無双し英雄になる  作者: おにゃんこ様
一章 冒険者登録
11/31

街に向けて2

 士燕達は街道を少し離れた場所で火をたいて食事をしている。

 結論からいうとエリーゼ達の街に行く途中他の街で泊まる予定だったが盗賊に襲われたり士燕のマジ説教があった為、街にたどり着く前に夜になってしまった。その為此処で野宿することにした。


「真上君真上君、これ食べて。私が作ったの」


 士燕の隣に座る沙耶に料理の乗った皿を目の前に出され士燕はそれを食べる。


「どお、美味しい?」

「ああ。美味いよ」

「エヘヘッ」


 それを見て沙耶の反対側に座る琥珀が


「真上君、こっちはどうかしら?私が作ったのだけれど・・・」

「うん。美味い」

「ふふ。良かったわ」


 2人は『美味い』言われて満面の笑みだった。他のメンバーはこの雰囲気に多少顔を引きつらせていたが・・・。

 食事を終えお茶を飲みながらまったりしているとエリーゼが


「士燕さん達は勇者で有ることを知られたくないのですよね?」

「ああ。面倒ごとはなるべく回避したいからな」

「なら家名呼びではなく名前で呼びあった方が良いですよ。この世界に家名が有るのは貴族だけですので」

「そうなの?じゃあそうした方が良いのかな?」

「そうね・・・私も賛成だわ。先生と真上君も良いかしら?」

「そうですね。先生も構いません」

「ああ。俺達だけならともかく周りに誰か居るときはそうした方が良いだろうな」


 満場一致で名前呼びが決まり


「じゃあ1回名前で呼び合ってみようよ。まず私から。琥珀ちゃん、羽菜ちゃん、えっと、し、士燕君」


 士燕の名前を呼ぶ時に顔を少し赤らめた。好きな男の子を名前で呼ぶのは恥ずかしいらしい


「ちょっと待って下さい!!何で私もちゃん付けなのですか!?私先生なんですよ!!せめてさん付けで呼んでください!!」


 羽菜は沙耶にさん付けでは無くちゃん付けで呼ばれた事に不満があるらしい。


「でも皆先生のこと『羽菜ちゃん』って呼んでるよ」


 羽菜は凄い勢いで士燕と琥珀を見る。真実を確認したいようだ。


「ええ。皆言ってるわね」

「ノーコメント」


 琥珀は肯定。士燕はどっちにでも取れる言葉だがすっ、と顔を少しそらしたので誰がどう見ても肯定と取れるだろう。


「私先生なのに・・・」

「元気出して下さい羽菜ちゃん。それだけ親しまれている事の証明ですよ。そうよね?沙耶、まが・・・士燕君」


 真上と言いかけて士燕に言い直す。琥珀も士燕の名前を呼んで顔を赤らめた。


「うう・・・やっぱり森海さんもちゃん付けなんですね」

「まあまあ。元気出して羽菜ちゃん。それに羽菜ちゃんも名前呼びじゃなきゃ駄目だよ」

「うう・・・分かりました!!好きに呼んでください!!沙耶さん、琥珀さん!!ほら次は士燕君の番ですよ!!」


 何を言っても無理だと悟りやけっぱちになる羽菜ちゃんだった。


「ん?ああ。じゃあ沙耶に琥珀、羽菜。これでいいか?」


 士燕に名前を呼ばれ沙耶と琥珀は少し赤らめた顔が一気に真っ赤にして固まった。名前の呼び捨ては刺激が強かったようだ。一方羽菜は


「うう・・・士燕君は呼び捨てなんですね・・・」

「好きに呼べって言ってたし。嫌なら俺もちゃんを付けるが?」

「もう良いです・・・。呼び捨てでも何でも構いません・・・。生徒に尊敬されない教師って何なんでしょうね・・・あはは」


 やけっぱち羽菜ちゃんがやさぐれ羽菜ちゃんになってしまった。もはや教師の威厳など何処にも無かった


「沙耶と琥珀はどうなんだ?嫌ならさんを付けるが?」


 2人が顔を真っ赤にしたので呼び捨てが嫌なのかと思い2人に話しかける。それを聞き羽菜が「2人にちゃん付けの選択はないのですね・・・あはは」とさらにやさぐれた。


「ううん!!嫌なんて事無いよ!!むしろ呼び捨てでお願い!!」

「私も大丈夫よ!!むしろ嬉しいわ!!」

「そ、そうか。でも嫌なら無理しなくても・・・」

「「大丈夫!!」」

「わ、分かった。じゃあ沙耶と琥珀で」


 2人の勢いに押されながら呼び方が決まった。羽菜の心のダメージを犠牲にして・・・


「士燕殿少し良いだろうか?」


 士燕達の話が終わったタイミングで騎士隊長が話しかける。士燕は隊長の方を向き話を促す。


「実は見張りのことで相談があるのだ。本来なら我々騎士がやるはずなのだが・・・」


 隊長は歯切れの悪い喋りだが言いたいことは分かった。


「別に構わねぇよ。こっちも護衛の依頼を受けてるわけだしな。何なら俺1人でもいいぞ」

「それは流石に・・・。此方は2人づつで交代して見張りをしようと思う」

「分かった。だがこっちは俺1人でやる」

「士燕殿はそれで大丈夫なのか?」

「別に問題は無い。・・・と言うか此奴らに見張りなんか出来ねぇんだよ。この世界に来るまではただの一般人だったからな。それに俺なら1週間位の徹夜ならやろうと思えば余裕だ。だから此奴らは寝かせてやってくれ」

「分かった。士燕殿、よろしく頼む」


 本来なら命に関わる問題だから見張りを1人でやることなど止めるだろう。だか、士燕の『強さ』『探知能力』を知っているため騎士隊長はそれを承諾した。

 それを聞いた3人は自分達もやると言い出すが士燕の「相手を殺せるのか?」この一言で諦め騎士2人づつと士燕でやることに決まった。


 その後しばらく話をしてエリーゼ・沙耶・琥珀・羽菜の4人は馬車の中で、ロイドと騎士2人は外で眠りについた。

そして5時間ほどたった後騎士2人が見張りの交代をした。


「士燕殿。何かあったか?」


 交代で起きた騎士が寝てる間に何かあったか質問するが


「何も無いな。問題ない」


 と火の前に座りながら答えた。それを聞き騎士達も火の前に座り士燕に話しかけ始める。主に士燕達の世界のことを聞きながら士燕もアークイデアと元の世界の違いを確認するために色々話を続けた。

 しばらく話を続けていたがおもむろに士燕が立ち上がり


「何かが近づいてきてるな」


 それを聞き騎士達も立ち上がり


「本当か?数はどのくらいか分かるか?」

「数は5。あっちの方向1キロ先だ。多分人間じゃねぇな。俺の身長の半分以下しかねぇみたいだしな」

「そこまで分かるのか?凄いな・・・。」

「全くだ。士燕殿が敵じゃ無くて安心したよ」


 士燕の言葉を聞き騎士達はほっとするが次の瞬間には顔を引き締め


「そんなことより、士燕殿の言葉が真実なら相手はおそらくゴブリンか?」

「ゴブリン?さっき言ってた魔物とか言う奴か?」

「そうだ。5匹とはいえ俺達は怪我もしてるし油断は出来ないぞ」


 そして騎士達は剣を構えて緊張感を高める。が、その肩を士燕が叩き


「此処は俺が1人でやる。魔物とやらがどんなもんか知りたいからな」


 そう言って1人前に出る。その後ろで


「おい、どうする?(ヒソヒソ)」

「まあ、士燕殿なら大丈夫じゃねぇか?あの強さだぜ?(ヒソヒソ)」

「まあな。けど情報だけでも教えた方が良いんじゃね?(ヒソヒソ)」


(俺が言いだしたことだけどこいつらプライドとか無いのか?)


 ヒソヒソ話をしているが士燕には全部聞こえていた。


「そうだな・・・士燕殿、ゴブリンは魔物の中では最弱クラスの魔物だ。しかし奴等は仲間内で微妙な連携をとってくる。大したことはないがそこだけは注意してくれ」


「あいよ」


 そして士燕も小刀を取り出し魔物が来るのを待つ。そしてしばらくすると


「「「「「グキャグギギャ」」」」」


 ゴブリン5匹が現れ


「これがゴブリンか?気持ち悪い顔だな・・・」


 と言いつつ臨戦態勢をとる。騎士達も一応臨戦態勢もとる。

 

 そしてゴブリン達が襲ってくるが騎士達が言っていたとうり大したスピードも無く連携も微妙な為士燕は真っ向から全ての首を切り戦いを終わらせた。


「はぁ~。弱すぎてつまらなかったな・・・」

「いやいやいや、士燕殿が強すぎるだけだ!!」

「全くだ。本当に敵じゃ無くて良かった・・・」

「んなことねぇよ。で、こいつらどうする?そこら辺に捨ててくるか?」

「それでも構わないが『冒険者ギルド』に売れば多少の金になるぞ。士燕殿の宝物庫がどれだけ入るか分からんが邪魔にならないから持っていっても良いんじゃ無いか?」


 士燕は納得して宝物庫にゴブリンを入れそしてまた火にあたりながら騎士達と話ながら見張りを続けた。

 結局あの後は何も無く朝を迎え全員が起き朝食をとって街に向け出発しそして昼前に街に着きこの街に泊まることになった。野宿の疲れ、そして騎士達の治療のためだ。

 だが士燕はこの時はまだ何も知らなかった。この街で戦いより厄介な問題に巻き込まれることを・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ