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あいうえお作文

作者: 阪中楓

 あの日からずっと君に伝えたいことがある。いつも私の隣にいてくれたことを、決して忘れないよ。嘘をついたこともあった。笑顔で君は許してくれたね、もう少し怒ってもよかったのに。大きなことから小さなこともまで全部共有できたあの日から……私は。

 かけがえのない君に、一つだけ謝らないといけないことがあるんだ。君はまた笑顔をそうやって向けてくれる、その笑顔をもう見ることができなくなってしまうのではないかと考えると泣きそうになる。曇りなく私を見つめる君に、ちゃんと向かい合えることができるだろうか、今にも逃げ出してしまいたいのをぐっと堪える。喧嘩した時もあったけど、私が怒ったり泣いたりしても、最後は君が折れてくれた。こんなことになるなら初めから……。

 最初から全部やり直したい、これが私の率直な感想だ。しかし、現実というのはいつだって一つのミスが崩壊に直結する。好きになってくれた君を裏切るような形になって、私は許されないことをしたと思ってるよ。清算したと思ってたんだ、過去の事だから、私はずっとそう自分に言い聞かせていたんだ。そんなはずがなかった、一度犯した罪は決して消えることはないって、あの時に散々思い知ったはずのに。

 楽しかった日々を思い出して、改めて馬鹿げた行いに涙が出そうになる。稚拙な考えがあったばかりに、浮気をしてしまった愚かな私をどうか許さないで欲しい。積み重ねてきたものが根元から崩れるよね、私なら浮気されたら堪らないと思う。抵抗はあったんだよ、付き合ってる人がいるのにとも思っていた。とてもじゃないけど謝っているように見えないよね、ただの言い訳にしか聞こえないよね。

 なにもかも、もう終わりかな。煮ても焼いても構わないから、それでもまだ君に許してほしいって思っている私はもうどうしようにもできないかな。塗り替えたい記憶と、過去、今更だよね後悔しても。ねぇ、終わりたくないよ……。呑気に話していたあの頃が狂おしいほど愛おしい。

 反省しているんだよ、全部私が悪かったから。日に日にね、罪悪感が増えていったんだ。不思議だよね、それでも、やめることはできなかったの。平気な顔をして他の人と会うことの背徳感が癖になっていた。本当はやめたかった、なんて言い訳だよね。

 間違いだとは気づいていたのになぁ。未練はないよ、本当に好きだったのは君なんだから。無理なことは分かっていても、この気持ちだけは知っておいてほしかった。面倒だよね、私もそう思う。もう、やめにしよっか、ごめんね、私が全部悪いのに。

 やめてよ、そんな顔。許してって、君は何も悪くないってば。よくある話じゃん、こんなの。

 楽になった気がするよ、ずっと言えなかったから。理由なんてもう忘れちゃった、たぶん、優しくされたんだと思う。類は友を呼ぶっていうのかな、向こうの人も浮気だった、あとから聞いたんだけどね。連絡はもうしていないよ、これでもけじめはつけたつもり。ろくでもないこんな私を、どうか許さないで。







 私はこうしてそっと、ペンを置いた。ん、何をしてるって?私が浮気してるって言ったらどういう反応するかな……って怒らないでこれエイプリルフールのネタだから!


をしまい。

 

 

かなり強引にした箇所が多くあります。仕方ないですよね(言い訳)。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 力作ですね〜♪
[一言] 初めて感想を書かせてもらいます。 恋愛とは? 面倒くさいモノだなと感じます。 ちょっとした、喧嘩でもどっちが悪いやいい訳や 愚痴やなんやらで、もめるし!(笑) 出来るだけ、もめたくないと…
[良い点] 当てもなくただ気まぐれで開いた小説。 いや、最初はちょっと寄ってみるつもりだったんですがね、しかし。 上手く構成ができていて、物語もしっかり繋がっていて良い出来でした。 えっと、つまり私が…
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