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第四十四話 再会

「全く驚いたよ。まさかこんな所でもう一度君達に出会うことになろうとは……」

 皆の視線の先には、彼らが探し求めていたジョシュアが立っていた。騎士団にいた頃と全く変わらない様子の彼は、驚いた表情で少年達を見つめている。

「ジョシュア! 良かった。まだこの街にいたんだね」

 エリアスは嬉しげに彼の元へ駆け寄る。

「みんなして騎士団を脱走してきたって訳か。一体何のために?」

「ジョシュアを追って来たんだよ。あぁ、嬉しいな! また君に会えるなんて!」

 ギリアンも笑顔を浮かべて彼に近づいて行く。

「私を追って来た……?」

 怪訝な顔をするジョシュアの前に、グレイシャスはゆっくりと歩み出て、ジョシュアに軽く一礼した。

「初めまして、私はグレイシャス・フィリスと言います。弟のリオと共に『勇隼騎士団』に入団したのですが、ある事情があって騎士団を出ることにしました。皆も私達と共について来てくれたのです」

「グレイシャス……それで、君は私に何の用があるというんだ?」

 グレイシャスは、真剣な眼差しでジョシュアを見つめる。

「正確に言うと、あなたにではなく、ウーリ・エクトル様に会いに来たのです。彼が書いたあなた宛の手紙を偶然騎士団で見つけ、ここまでやって来ました」

「ウーリの手紙……?」

 ジョシュアは、騎士団に置き忘れてきたウーリの手紙のことを思い出す。差し迫った様子の手紙を読み、彼も慌ててウーリに会いに来たのだった。

「君はあの手紙を読んだのか?」

 グレイシャスは静かに頷く。

「君は、イグネイシャ様の暗殺とどういう関係があるんだ?」

「事情があり私とリオは、フィリスと名乗っていますが……イグネイシャ・ダルクは、私の父です」

「君達の父親?」

 驚くジョシュアに、グレイシャスは今までのいきさつをかいつまんで話した。

「君はイグネイシャ様を暗殺した犯人をつきとめようとしているのか……そして、敵を討とうと」

 ジョシュアはグレイシャス達を見回しながら、表情を曇らせる。

「まだ騎士見習いの君達に敵討ちが出来ると思うか? あまりに無謀で危険すぎる」

「それは分かっています! ですが、私はどうしても父の死の真相を知りたいのです。父を殺した相手を私は許すことが出来ません!」

「イグネイシャ様を暗殺した者は、その場で殺されたと言われているが……」

「それは、ウーリ様もジョシュア様も、おかしいと疑問に思っているのでしょう?」

 グレイシャスは、じっとジョシュアの目を見つめる。

「あぁ、そうだ」

 ジョシュアは、グレイシャスの熱い眼差しから目をそらせる。

「私達は、ウーリ様やジョシュア様から、父の話を聞きたくてここまで来ました。話しだけでも聞かせてください」

「君の気持ちは分かるよ。私も伯父の友人であるイグネイシャ様の死の真相は知りたいと思っていた。だが、この件に関しては、もう深入りしない方が良いと思っている」

「何故ですか!?」

「実は、一昨日の晩、ウーリが何者かに襲われた」

「えっ……!」

 ジョシュアの言葉に、グレイシャスは息を呑む。他の皆の表情も一斉に強ばった。

「突然、数名の刺客が剣を向けてきたらしい。彼はどうにか逃げ切り難を逃れたが、酷い怪我をおって今も床に伏している」

 ジョシュアは言葉を切ると、少年達に目を向ける。

「大人で剣の達人であるウーリでさえ、死にそうな目に遭ったんだ。君達の手に負える事件だと思うか? まぁ、せっかくここまで来たんだ。ウーリに会って、話しを聞くと良い」 彼は軽く息を吐くと、押し黙る少年達に言った。

「私もこれからウーリに会いに行くところだ。一緒に行くとしよう」









夏ホラーの作品もようやく書き上げ、一段落しました! また、少しずつ更新していこうと思います~

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