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異世界転生~絶世の魔術師~  作者: キュウビ(仮)
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~夜襲2~

ハヤト達は夜空下で月明かりと自らの探知能力だけを頼りに駆けていた。


決して周りから悟られることの無いように走る際は一切の音を立てず、気配も完全に消し去ることで闇と一体化する。


「――と、悲鳴がした方に向かって走ったが……恐らく悲鳴が聞こえたのはここら辺だよな……」


キョロキョロと回りを見渡すが見えるのは暗闇ばかりで、とてもじゃないが月明かりだけの中だと目視で確かめるには明かりが不十分だった。


まだ先の方だったか…考えていると、横で前方だけを注視していたシルヴィが小さく声を上げる。


「ご主人様!此処から前方数百メートル先の方に松明の明かりのようなものが見えます!」


その声にハヤトも萌衣も反応し、シルヴィ言う方面を見た。


確かにシルヴィに言われた上でさらに集中して見れば、遠くの方にほんの微かな灯り火のようなものが見えた。


しかしそれは、パッと見るだけでは見逃すであろう程度の光で、誰かに言われた上でさらには注視してなおやっと微かに見えるだけ……とてもではないが普通は見える距離ではない。


「良くあれが見えたな……俺だったら気付かずに終わってるぞ。現に気づけずに終わっていたわけだが……。」


「私も全くだった…シルヴィ君が言ってくれなかったらハヤト君が言ったのと同じく気づけなかったところだよ。」


ハヤトに続いて萌衣もシルヴィの視力のよさに驚きを隠せずにいる。


「そうだったんですか……私はてっきり見えているものかと思っておりました。


それに、私は大して視力がいいわけではありませんよ。」


首をかしげてハヤトを見つめる。


「いやだって、あれが見えてたんだろ?それで視力が悪いってどうゆうことだよ……。」


何言ってんだお前?と言いたげにシルヴィを見返す。


「あっ……もしかしてシルヴィ君って『魔眼(イーヴィルアイ)』の持ち主だったりする?」


会話を聞いていた萌衣がいきなり間に入ってきては一つ問いを投げ掛けた。


「『魔眼(イーヴィルアイ)』ってあれか?見えないものが見えたり、魔力を意識的に流し込むことで故意的に現象を起こしたりするってやつか?」


聞いたことがあった単語にハヤトが先に反応を見せ、自分が知っている限りの情報を話す。


「『魔眼』にも様々な種類があったりするのですが、大方はそんな感じですね。」


そして次にこちらに向き直ったシルヴィが反応を見せた。


「魔眼にも種類があるのか……なぁ、良かったら手短にで良いから教えておいてくれないか?」


流石にそこまで魔眼のことに詳しいわけではなく、新しく知った情報にできるだけ多くの事を知っておきたいハヤトは、急ぎの中ではあるのだが…もし知らなかったことで自分達の身に何か危険があってからでは遅いので先に教えてもらおうと考える。


「ご主人様のお願いとあらば、どんなことよりも優先して聞かさせて頂きます。」


その言葉の全くの嘘が感じられず、本当にどんなお願い事でも聞いてしまいそうなシルヴィに少しに苦笑してしまう。


「なら、よろしく頼む。」


ハヤトの横では自分も聞いておきたいと、萌衣が傍まで寄ってきている。


「はい、承知しました。


『魔眼』には幾つかの種類があると申しましたが、基本的な能力に関してはそう大差はございません。


しかし、魔眼が持つ固有的な能力にはかなりの違いがあります。

その中でも強力で有名なものとしましては、『魅了の魔眼』、『未来視の魔眼』、『硬化の魔眼』、『幻影の魔眼』、『死の魔眼』等と言ったものが存在します。


今述べたものはどれもとても強力で、敵に回したりすれば…本当に危険なレベルの魔眼になります。」


「ほう…確かにどれも名前を聞く限りではかなり厄介そうだな……。」


そんなことを呟く。


「厄介そうではなく、実際にかなり厄介なんですよ。私も過去に何度か襲われたことがあるのですが、その中には魔眼持ちがおりなかなか苦しめられました。


それほどに魔眼持ちと言うものは、戦闘、戦術と言った戦いに関することでは利点でしかありません。


時には相手よりも圧倒的に良い流れを産み出したり、どんな逆境でも一瞬でひっくり返してしまうこともあるんです。」


過去に魔眼持ちとの戦闘を経験しているシルヴィは、ハヤトの見解に訂正をする。


「そうなのか…出来ることならこれからの戦闘では魔眼持ちが敵に回られたりすることがないようにしたいな……。」


珍しく弱気になってしまう。


「ですが、そのようなもの達もいると言うことを知っているだけだも大分変わってきます。


それに、ご主人様には私が居るではありませんか♪」


真剣な表情から一転、とても可愛らしい笑顔をご主人であるハヤトに向ける。


「そうだな、こんな心強い仲間が居るもんな。第一弱気になってたら上手くいくことでも、そうはいかなくなってしまうからな。」


と、前向きに考え直す。


「ちなみになんだけどさ、シルヴィ君が持っている魔眼はドンな能力を持ったものなのかな?」


話を聞くなかハヤトがずっと気になっていたことを代わりに萌衣が質問してくれた。


「あぁ、そう言えばまだ言っておりませんでしたね。


まだ完全に開眼しているわけではないのですが、私が持つ魔眼は『万能の魔眼(オール・アイ)』と呼ばれるもので、全ての魔眼の能力を扱うことができます。」


そう告げるシルヴィが持つ魔眼の能力はとんでもなくチート過ぎるものだった。


「そ、そうなんだ……」


「チート過ぎんだろうが……。」


その事実に萌衣は驚き、ハヤトは少し呆れが混じった声色で返すしかなかった。

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