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異世界転生~絶世の魔術師~  作者: キュウビ(仮)
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~夜営~

あれからどれくらい歩き続けただろうか……この世界には時計などと言った正確に時間を確認する道具などない。


――と言うより、この世界に元いた世界のような時間と言ったものが存在するのか……それすら分からない。


似たような所挙げるとすれば、朝・昼・夜があると言うこと、西暦に似たようなものがあるくらいだろうか……。


と、そう言った感じなので今のような旅中で時間を確認する術があるわけがなく、太陽の傾きや、それから出来る陰影から大体の時間を読み取るしかなかった。


「ハヤト君、もう日も沈む時間帯になってきたし、一旦此処等で簡易テントを張って休憩した方がいいと思うんだけど…どうかな?」


考え事をしていると萌衣から声をかけられた。


(もうそんな時間か……やっぱ何かしら時間管理できるような物がないと不便だな……。)


そう思いつつ、周りで話したり、はしゃいでいるシア達に声をかける。


「……確かにそうだな。


おーい、此処でキャンプするからあんまり離れるなよ。」


「分かりました。


リリアちゃん、ミミルちゃん、カティアちゃんは特に遠くにいったりしないように私の傍から離れないようにしてくださいね?」


今では一番懐かれているシアが、リリア達3人の面倒を見てくれている。


「はーい!!」


最初に返事を返したのはリリアで、手を上げて元気良く返したのはいいが、次の瞬間には目の前を通りすぎた蝶を捕まえようと追って走り出してしまった。


「リリアちゃん!?今遠くにいっちゃダメって言われたばかりだよ~!!」


そのあとをリリアと双子であるミミルが慌てて追いかけていってしまう。


「元気なのはいい事なんだが…考えるよりも先に行動に移すのは直さないとダメだよな。


シア、リリアとミミルに着いてってもらえるか?」


「了解いたしました。」


ハヤトに頼まれたシアは一言返すと、走っていったリリアとミミルのあとに着いていった。


「カティアはリリア達と行かなくて良かったのか?」


と、横でベッタリくっついたままのカティアに視線を移した。


「私は旦那様といることが一番幸せなのです♪」


そう言って全く離れようとはしてくれない。


(んー…こうもくっつかれたままだと作業がしにくいな…一旦離れてもらうしかないな。)


「ちょっと悪いが作業するから、少しの間離れててくれるか?」


なるべく機嫌を損ねてしまうことが無いように優しくお願いする。


「う~、わかったなのです~。」


とても分かりやすくカティアの表情が暗くなったのを見て思わず


「いや、どんだけ離れるのが嫌なんだよ……」


声に出してツッコんでしまった。


「出来ることなら、リリアちゃんとミミルちゃんの二人と遊ぶとき以外はずっと旦那様の近くにいたいなのです。」


それを聞いたカティアが即座に反応する。


「そ、そうか……。


別にそばに居るってのはいいんだが、せめて作業するときとかだけは離れていてくれると助かるな。」


「なら、旦那様がダメって言ったときだけ離れるなのです!


それ以外の時なら近くにいてもいいなのです?」


「それだったら全然構わないぞ。


とりあえずぱぱっとテント立てるから、カティアはそこの岩にでも腰かけて待っとけ。」


「了解なのです~♪


……んっしょっと!」


いつの間にか普段の表情に戻っていたカティアは、近くにあった岩に小走りで向かい、ちょこんっと座っては足をぷらぷらさせて待っている。


「ほんと素直で可愛いな……」


ハヤトはハヤトでこの短い時間の中でカティアの可愛らしさに侵されつつあった。


「――と、そんなこと考えてる場合じゃなかったな。


すまないが、萌衣さん達手伝ってくれ。」


流石に一人でテントを立てるのは無理なので残りのメンバーに手伝ってもらう。


「任してくれ、これでも数えきれないほどのテントを立てた経験はあるからね。」


そう言ってにっと笑う萌衣はとても頼もしく感じられた。


「ご主人様のご命令とあらば、何でも手伝わさせていただきます。」


シルヴィは嫌な顔することなく、むしろ頼ってもらえて嬉しそうに手伝ってくれて。


「仕方無いなぁ…手伝ってあげるよ~。」


リネスも頼られて嬉しかったのか、口では嫌そうに言いながらも笑顔であった。


3人も協力もあって、テントを立てるのにそうそう時間はかからなかった。


立て終わった頃には、シアが眠ったリリアをおぶり、ミミルと手を繋いで帰ってくる。


そして、足をぷらぷらさせて岩に座っていたカティアはと言うと、ハヤトがテントを立て終わったのを確認すると速攻でくっついていた。


「よし、皆も揃ったことだし、焚き火をして食事を摂るとするか。」


あらかじめ歩きながら集めていた木を立てた二つのテントの間に組み立てる。


そうすればあとは火の魔術を使えば焚き火の完成である。


「やっぱ焚き火はいいな……なんと言うか、こう…心をくすぐられるような……」


「あ、それ凄くわかる。


こんな感じにテント張って、焚き火したりするのってワクワクして仕方ないもんだよね。」


と呟くとそれに萌衣もうんうんと頷いて賛同する。


「やっぱそうだよなぁ~!!」


――と萌衣とハヤトが二人で盛り上がっていると、少し離れたところから悲鳴のようなものと幾つかの殺気が感じ取れた。


「ハヤト君……」


萌衣がこちらを見てきた。


「分かってる。」


それだけでも何が言いたいのかわかったハヤトはさっと立ち上がると、悲鳴がしたのと殺気が感じられた方向に何があったのかを確認しにいくための準備を即座に終わらせる。


「シアとリネスはミミル達を頼む……萌衣さん、シルヴィ……」


「了解しました。お気を付けて……」


「うん、ハヤトくん達も気を付けてね……。」


シアとリネスにはまだ幼いミミル達のことを頼み念のため幻術と光の屈折魔法で居場所をばれないようにし、萌衣とシルヴィには付いて来てもらうことにする。


理由はいたってシンプルで、この中でハヤトの次に強いのがシルヴィと萌衣であるため。


シルヴィと萌衣は、ハヤトの呼び掛けに頷きだけ返す。


そして三人は悲鳴と殺気の正体を確認するため暗闇に姿を消す。

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