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異世界転生~絶世の魔術師~  作者: キュウビ(仮)
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~旅の中で~

「……賑やかだなぁ~……」


エドマールを出たハヤト一行はなんとも賑やかな旅を満喫していた。


といっても主に満喫しているのはハヤトと一緒に旅をしている彼女たちである。


リリアとミミルは二人で仲良く話ながら、たまに飛んできた蝶を追いかけてはシアとリネスに連れ戻されていた。


萌衣は久しぶりにゆっくり旅ができると言うこともあって、ギルドで見かけたときよりも生き生きとしている。


心なしか萌衣がいる方向からたまに視線のようなものを感じたが、気のせいだろうと知らぬふりをする。


「そういや萌衣さん、その綴らしき人を見かけたのっていつ頃なんだ?」


ふと、気になることを思い出したので斜め前横を歩く萌衣に聞いて。


「ん?確か一ヶ月ほど前になるかなぁ……けど、何処かにいってしまった心配はないと思うよ。」


後ろから声をかけらた内容に、少し考えるそぶりをした後に振り替えって答える。


「そりゃまたなんでだ?」


「彼女が受けてるクエストが早々終わるような内容じゃないからだね。」


「ふむ…ちなみにどんな内容だったんだ?」


一ヶ月でも終わらないクエストとなると、かなりの規模のはずなのでハヤトとしても気になるところである。


「ハヤト君なら別に話しても大丈夫か。


その時綴君に受けてもらったクエストの内容は、グランドガイアに突然姿を表したダンジョンの完全攻略。


それが綴君の受けたクエストのクリア条件だ。」


てっきり、今回ハヤトが受けたような強大な敵を相手にするものだとばかり思っていたので、ダンジョンの攻略と聞いたときに少し驚きを覚える。


勿論、ハヤトがいた世界にもそんなものはなかったが、少しばかり小説や漫画などでそれがどうゆうものなのかを知っているが故の反応だった。


「ダンジョンって、あのダンジョンだよな……?」


「ハヤト君が想像してるダンジョンで間違いないと思うよ。」


「だよな…まさかとは思うがそのクエストを綴は一人で受けたのか?」


「そうだけど、それがどうしたんだい?」


何かおかしいのかな?といいたげに首をかしげる。


「いや、普通ダンジョンって一人で挑むようなものじゃないだろ。


そりゃ、階層が浅い内は敵もそれほど強くないだろうから一人でも突破は難しくないが…けど、進めば進むほど敵が厄介になっていくはずだ、それを一人で攻略するのは流石に無茶じゃないのか?」


ハヤトが話したことはすべて事実であり、ダンジョンというものは基本前衛、中衛、後衛と言ったバランスのよい数人編成のパーティーで挑むのが普通である。


ランクが上がれば必要な人数に変化は起きるが、それでも一人で挑むと言った前例はこの世界でもそう多くは存在していない。


そう、過去に何度かは一人で攻略した記録は残っている。けれども、そのどれもが最大階層がそこまで多くないダンジョンばかりである。


その中でも一番多いもので25階層と言ったところだろうか。


「なぁ、グランドガイアにあるダンジョンは大体どのくらいの規模なんだ?」


「どのくらいか……私もじかに見たことがある訳じゃないから、あくまで知らせで聞いたものによるけど、発見当初は危険度C-ランクとの報告だった。でも最近の報告では、もしかするとAランクはあるかもしれないらしい。


階層で言ってみればC-ランクのままであれば30~45階層。Aランクともなれば最低でも80階層はあるだろう。」


「そんなクエストを受けてるのか…綴にはそのダンジョンを攻略できるだけの力があるのか?」


多くの事が分からない中、せめてそれだけでも知っておきたかった。

グランドガイアにいるはずの綴が、ハヤトの知っている綴じゃなかったとしても、可能性があることにたいしての情報は少しでも多く知っておきたかった。


「そうだね、ダンジョンのランクが最初の情報通りC-ランクのままであれば楽勝とまでは言えないけど、苦戦することなく完全攻略することが出来るほどの強さは身に付けていたよ。


そう、C-ランクのままであればね……」


最後は消え入るような声でそう呟いた。


「もし、C-ランクじゃなくてAランクの危険度だったとしたら……?」


その呟きにたいして、つい聞き返してしまった。


(聴力が良すぎるのも困ったものだな……)


心の中でそう思いつつ、聞いてしまったものは仕方ないと返事を待つ。


「実を言うとね、二週間ほど前から綴君の方から手紙が届かないんだ。


毎日書かさず返すようにと伝えていて、グランドガイアに着いてからはそれを守って、欠かさず手紙を書いてくれていたんだけどね……。」


「別に綴に直接送らなくても、あっちのギルドの方に調べてもらえばいいじゃないか。」


ハヤトがそう思うのも仕方ないことだった。

今萌衣が話した内容的に、ギルドの方へと直接確認をとれば何かしらの情報があるはずだから。


クエストを依頼しているのは冒険者ギルドなのだから、それくらいはして当然なのではないかと思っている。


「それが、そうもいかないんだ……グランドガイアって街はさほど大きな所では無いんだが、技術面に関しては何処の国の追随すら許さないほどに進んでいるんだ。


そのせいもあってか分からないけど、技術に関する情報が外部へ漏洩してしまう事が無いようにと、ギルド同士でのやり取りすらまともに取り合ってくれないんだ。


だが、その代わりに相応の報酬を向こうが用意しているから、そう簡単には口出しできないってのもある。


それに……たとえ、グランドガイアを訴えたとしても返り討ちに合うだけだから、どの国も手を出す真似何てする勇気すらないんだよ。」


そう語る萌衣の表情と声は、どこか苦しく悲しげで……怒りの思いが込められているのような気がしてならなかった。


「つまり、綴が生きているかどうかすら分からないってことなのか……。」


ただ、それだけが気になっていた。綴が無事なのかどうかが……。


「そう言うことになるかな……ごめんね、私が知る限りでは今言ったことだけなんだ。

……だから、この旅に着いていくことにしたんだよ。」


何となくハヤトはそれに気づいていたので、何も言わないでいたのだが。


「いいや、それが知れただけでも十分ありがたい。


とりあえず、今はグランドガイアを目指して歩くだけだ。

考えてもまずは着かなきゃ意味がないだろ?」


とこれ以上話を続けても、悪い方向へと考えてしまうだけだと思ったハヤトは話を終わらせることにする。


笑って、礼を言って萌衣が気負うことがないようにするのも忘れずに。


そうやって萌衣のことを落ち着かせようとしてはいるが、落ち着かずに焦っていたのはハヤトの方であった……。


(頼むから無事でいてくれ……)


心の中でそう強く願った。

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