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異世界転生~絶世の魔術師~  作者: キュウビ(仮)
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~変わらない気持ち~

「冗談じゃ無いんだよな……?」


二人の間にかなり間の長い沈黙が流れ続けるなか、やっとの思いで絞り出せた言葉は、今のこの現実を受け入れたくなかったハヤトの心情を表していた。


「すいません……ほんとに覚えてないんです……」


ハヤトの表情から恐らく自分が何か大切なことを忘れてるのだと思ったシルヴィは必死に思い出そうとするが、ハヤトと戦うまでの記憶はあってもそれ以降の記憶は一切存在してなかった。


「いや、シルヴィは何も悪くない……全部俺が悪かったんだ……


それで、答えたくなかったら答えなくてもいいんだが、何処まで記憶があるとかわかるか?」


「えっと……あなた様と戦って救われたところまでなら覚えてはいるんですけど……それ以降は……」


『すみません』と頭を横に振って。


「そうか……全部忘れているって訳じゃないんだな……それだけでも分かって良かった……。」


少しでも、シルヴィ記憶に自分が残っていたことに嬉しく感じた。


(…けどなんで戦っていたときの記憶は残っててそれ以降の記憶だけが消えたんだ……??


…………専門外のことを考えてもわかるわけないよな…今の俺じゃ何時か記憶が戻るのを待つくらいしか……)


「あのぉ……」


「どうした?」


「大したことではないんですけど……貴方様の記憶のなかにいる私ってどのようなことをしてたのかが気になってですね……よかったら聞かさせてもらえませんか……?」


「そのくらいだったら構わないが……そうだな、戦った後からのことを話すか。」


ハヤトは回りに話す内容が聞かれたりすることが無いように小規模の『無音隔離空間(サウンドゥリスルーム)』を再構築する。


範囲を狭くすることで、効果が上昇するようにした。


そして、ゆっくりとシルヴィに一時的になのか、それとも永遠なのか分からない、無くなった記憶にいる彼女の話を始める。


話始めた最初の方は静かにそして真剣に聞いていたシルヴィではあったが、聞いていくうちに何やら色々と恥ずかしい自分を見せてしまっていたことにだんだん赤面していく。


真剣な聞いていたり、笑ったり、赤面したり、ちょっと疑うような顔をしてみたり……いろんな表情を見せてくれるシルヴィにハヤトは思った。


(どうせなら、俺との記憶をすべて消し去ってくれれば良かったのにな……そうすればもうシルヴィを悲しませんことなんか……)


胸がいたくなるような思いを抱くが、話すことをやめるようなことはしなかった。

それがゆういつ彼女のために出来ることのひとつだから。


どれくらい話しただろうか……そろそろ話が終盤に差し掛かろうとしたとき言葉につまった。


これこそ言って良いものなのか……そんな思いで頭がいっぱいになる。


「貴方様…?何だか顔色が悪そうに見えますけど、大丈夫ですか……?

本当は無理して話してるんじゃないですか……?」


シルヴィが心配そうに顔を覗いてくる。


「今の俺は、そんな顔してたのか…悪いな心配かけて、ちょっと考え事をしてたんだよ。」


いけないな。と少し無理矢理に笑みを作る。


「私でよければ聞きますけど……」


「あ、別大したことでは、、いや、大したことか……シルヴィに話ていいかどうか悩んでる部分があってな。」


「私にですか……?」


首をかしげて


「あ、も、ももしかして!!また、は、恥ずかしいことをしてたとかですかっ!?///」


『そ、そんなことでしたら聞きたく……あ、で、でも…私が知らない貴方様との時間のこと知っておきたいですし……』ぶつぶつと呟く。


「それじゃなくて、シルヴィがシルヴィとしての記憶を無くすきっかけになった話なんだが……」


「え?」


予想外な内容に変な声が漏れる。


「もし、俺が話したことでシルヴィがショック受けたりしないかが心配なんだよな……」


「……話してはくれないんですか?」


「シルヴィが話してほしいと思うならいいが……大丈夫か?」


「私は大丈夫ですっ!!是非聞かせてください♪」


軽い話ではないのに何故かとても聞けることに嬉しそうにしている。


「お、おう……んじゃ、話すとするか。」


対してハヤトはそのテンションに気圧されるような形で話始める。


何でシルヴィの記憶がなくなってしまったのかはもちろん、どんな経緯でそんな出来事に発展してしまったのか。


何一つ隠すことなく真実を告げようとは思ったが、あえて自分の思いだけは隠すことにした。


もし、そのときの気持ちを告げたとしてその影響でまたシルヴィが同じことをしてしまいそうな気がして怖かった。


心の中でシルヴィのためだと思ってのことだったが、結局のところそうなってしまうのが怖いと感じてしまう自分のためでしかなかった。


それにも近々気づかされることになるのだが。


話も終わり、ふとシルヴィを見れば涙を流していた。


「や、やっぱりはなさい方が良かったな……」


話したのは失敗だったか……と後悔をしていると涙声でシルヴィが『違うんです……』と消え入りそうな声だったがしっかりとハヤトの耳に届いた。


「嬉しかったんです……私が知らない貴方様との時間のことを知れたこともですけど……貴方様の中の私も貴方様のことがそれだけ大好きだったんだなって、記憶はなくても同じ気持ちであったことがとても嬉しいんです……」


そう言ってシルヴィは泣きながら器用に笑って見せた。

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