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異世界転生~絶世の魔術師~  作者: キュウビ(仮)
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~本心~

「そろそろ落ち着いたか?」


まだ胸に顔を埋めているシルヴィに声をかける。


「も、もう少しだけこのままじゃダメですか……?////」


上目使いでハヤトを見つめる。


「いや、ダメじゃないんだが……回りの目が気になってだな……。」


無音隔離空間(サウンドゥリスルーム)』を張っているわけではないので今までの会話やハヤトと回りにがっつり聞かれ、見られていた。


幸い時間帯の関係もあり、見ている人が少なかったのだが……それでも恥ずかしいものがあり。


「わ、私としては今の顔を見られる方が恥ずかしいんです……だからお願いします……////」


「分かったからさっさと落ち着けろよ。」


回りに見られてしまうこと以外には対して断る理由もないので、今回だけと受け入れる。


「ありがとうございます!♪」


眩しい笑顔をハヤトに向けたかと思うとすぐに胸に顔をすり付ける。

それがまるで小さな子供が親に甘えているように見えた。


シルヴィがなるべく早く落ち着くように優しく頭を撫でる。


「うふふ♪///」


撫でられたことに嬉しくなったのか、こちらににやけがおを見せてきた。


「っ!、、//」


その顔を見たとたん即座に顔をそらす。


「どうされました?」


ハヤトが向いた方向になにかがあったのかと思い同じ方向を向くが特に対して変わったものがあるわけでもなく、もう一度ハヤトをよく見ると耳がうっすら赤くなってるのが分かった。


「貴方様?お顔が赤いようですけど……熱でもあるのでしょうか?」


悪気があるわけでもなく、ただ単に心配になって顔を覗きこむ。


「ば…っ!!見るな!///」


赤くしている顔を見られるのが恥ずかしくて、覗きこもうとしてきたシルヴィを突き放してしまう。


と言っても一歩二歩と下がってしまうくらいの力しか込められてておらず。


「…………わ、私何かしちゃったんでしょうか……?」


突き放されたシルヴィはいきなりのことに最初は状況がつかめなかった。

数秒の後に自分が何かしてしまったのかもしれない……そう考えてしまう。


「知らず知らずのうちに貴方様に嫌なことをしていたようですみません……。」


自分の何が嫌だったのかは一切分からなかった。

それでもなにか言い訳などをするわけもなく、また一歩距離をとって深く頭を下げる。


「あ、シルヴィが何かしたって訳じゃないんだ!」


そんなシルヴィにハヤトは顔をそらすのをやめ面と向かって否定する。


「で、ですが……そうでないとあんな風にしませんよね……?」


シルヴィにとっては好きな人に顔を背けられ、その上突き放されたのだ。

ハヤトのことを一番に考えている彼女ではあるが、やはりそのような態度をとられてしまったことに驚きが隠しきれなかった。


(私無理をさせてしまってたのでしょうか……本当は私のことなんて嫌いなのに優しい貴方様は悲しませないためにあんなことを言ったのですよね……


やはり付いて行こうなどとは考えずに、一人何処か適当に暮らしていく方が迷惑もかけずに済みますね。


貴方様と離れるのはやっぱり悲しいですけど……迷惑かけたりしてしまうのだけは避けたいですから…………せめて、私のことを大切にしようとしてくれたって言葉だけでも大切な思い出として……悲しい思いでとは別に抱いていたいです…だから、すぐにでも離れるのが一番ですね…貴方様のためにも私のためにも……)


「また変なこと考えてないか、?」


シルヴィの表情が変わったことにまた自分を責めたりすることを考え津いるんだろうなと思ったハヤトが一歩、また一歩と近づいてくる。

あと一歩近づけば簡単に触れることができる距離。


ネガティブに考えてしまっている彼女の勘違いを訂正するために、逃げてしまわないように…"また"守ると決めた奴が離れていってしまわないように……最後の一歩の距離を無くすために足を踏み出そうとすると……


「それ以上近づかないでください!!」


そんなハヤトにシルヴィが怒鳴るように大きな声で近づいてくることを拒否する。


「な、何でそんなこと言うんだ?」


そんな彼女の怒声に近づくのをやめ、問い返すことしかできない。


「何で…ですか……怖いからですよ……」


理由を語り始めた彼女の声は震えていた。


「私は貴方様の優しさに、『この人ならきっと私のことを否定したりしない』『一生大切にしてくれるんじゃないか』と思って甘えてたんだと思います……でもそんな都合のいいようなことがあるわけないですよね……


本当は貴方様も私のことなんてなんとも思われてないんですよ……ただ、その場の勢いで言ってしまったとかで取り返しがつかなくなって『守ってやる』って言ってくれたんですよね……優しいから傷つけないようにと、そう思ってしてくれたことなんだと思うんです…」


泣きそうになるのを堪えて、しっかりとハヤトの目を見て伝える。


「…………。」


それをハヤトはシルヴィの思いを遮ることがないように黙って静かに、それでも目はちゃんと彼女の姿を捉えて。


「第一に貴方様のような素敵な方と私みたいな忌み子が一緒にいられるわけなんてないんですよ……それに、今はすぐに何か起こるとは思いませんけど、いつかきっと貴方様に迷惑かけてしまうような気がして嫌なんです。」


『だから……』と思いを伝える途中で悲しくなってしまうのを耐えるために下を向いていた顔を上げて言葉を繋げる。

今から言う言葉だけではなく、その前伝えた気持ちも大切なことではある。

それでも最後に紡ぐ言葉は、自分を誤魔化すことがないように……ちゃんと相手を見て伝えないと行けない言葉だと思ったから。


(あはは……自分でいってて悲しくなってきましたよ……けど、今は泣くときではないです…けど、どうしましょう……泣きたくないのに涙が……でもちゃんと伝えないといけないです。)


「私はここで貴方様から殺してもらうことをお願いしたいんです。」


目を見て伝えてくるシルヴィの目尻はたくさんの滴を溜めていて、とても悲しいはずなのに口許だけは笑っていた。


そして、その口から放たれた言葉はとても残酷なものであった。

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