~エルフの里~2部
どうも、キュウビ(仮)です(*´ω`*)
最近は、閲覧してくれる人や、ブックマークしてくれる人が増えて嬉しい限りです(ノ´∀`*)
コメントなどをもらえるともっと頑張れると思いますので、私の小説を読んで良いなと思ってくれたら、コメントいただけると嬉しいです(*´ω`*)!
もちろん、誤字脱字や、ここはこうしたほうがいいよなどのコメントも歓迎です(^-^ゞ
これからも頑張っていきますので、よろしくお願いいたしますm(__)m
エリシアとハヤトは外へかけでると、驚くべきものを目にする。
「なっ…何なんだあれは!?」
目線の先には、里を囲む柵の向こう側にたたずむ全長15メートルはあるであろうその真っ赤で巨大な体は、筋肉質の鎧を纏っているように見える。
「あれは、オーガですね。体のほとんどが筋肉で、その強度は鋼と同等くらいの硬度があり、一撃の攻撃力も高いのが特徴です。」
(でも、なぜここにオーガが……この辺にオーガは生息していなかったはず……それに……)
「オーガの体は、大きくても人間の倍ほどの大きさほどしかなかったはずなのですが……」
(流石にあれは大きすぎます……)
エリシアがそんなことを考えていると、オーガは、里の方に向かって振り上げていた拳を、次の瞬間には里に向かって降り下ろす。
またも、ドゴオォォォーンと大きな音をならす。
「先程の音の正体はこれだったのですか!?
たった一撃で、これ程までとは……」
「でも、この里には障壁があるんですよね?」
「ええ、ですが、あれほどのものとなるとあと何発耐えられるかわかりません……長くもったとしても、精々4、5発程度でしょう……」
「そんなにあのオーガは危険なのですか?」
ハヤトは険しい顔をしているエリシアの顔を横から見る。
「はい。最低でもランク6程の強さはあるかと思われます。」
「えっと、すいません、ランクってなんですか?」
「ランクとは魔物の強さを表すものです。
表せるものは最大ランク20となります。
それぞれ、その魔物を倒すのに必要な戦力によって変わります。
あとは、示せないないもので、伝説種、神話種、幻想種、創世種と言う魔物とはまた数段強さの違うものも存在します」
「へぇ、それじゃ、オーガのランク6ってどのくらいの強さなんですか?」
「そうですね、C級冒険者で10人ほどで組んで挑めばギリギリ勝てるか位ですね」
「A級がどのくらい強いのかはわかりませんが、苦戦を強いられる相手だってことはわかりますね。」
「それに、あのオーガの体の色を見るに、火属性の可能性が高いですね。となると私達エルフにまず勝ち目はありませんね……」
「……良かったら、俺が倒してきましょうか?風属性以外の魔術も使えますし、今この里で一番適任かと思いますが?」
ハヤトはエリシアが言った、柵の外にいるオーガとエルフ達の相性の悪さを聞いて、自分はどうかと訪ねる。
「神咲さん何言ってるんですか!?流石に一人では無理ですよ!C級冒険者10人でやっと勝てるくらいって言いましたよね!?」
もちろん、エリシアは柵の外にいるオーガがどれだけ危険かを分かっているので、一人で倒しにいこうとするハヤトに抗議する。
「でも、そうしないと待ってるのはこの里破滅のみですよ?」
「うぐっ、それはそうですが……でも、神咲さん一人だけで向かわせるのは不安です……」
「大丈夫ですよ、逃げ足だけは早いんで、最悪時間稼ぎだけして、後は逃げますよ。」
「そう言う意味ではなかったのですが……」
エリシアは小さくそう呟いて。
「念のため、皆に呼び掛けて逃げる準備を整えておいてください。」
そう言うハヤトの目は先程までのものとは違い真剣そのものだか、次見たときは
「それと、守れなかったときはすみません…」
と少し申し訳なさそうな顔で苦笑していて。
「……なら、3つほどお願いを聞いていただけませんか?。」
「ええ?いいですよ?」
ハヤトが何だろうかと首を傾げている。
「1つ目なんですけど……次からは私のことはシアと呼んでください……親しいものたちはそう呼びますから……ダメですか…?」
「全然ダメなんかじゃないですよ。ただ、俺だけがそう呼ぶのもあれなんで、シアも次から俺のことはハヤトと呼んでください。」
「あ…は、はい!//」
エリシアは不意にシアと呼ばれたことに頬を紅くしながら返事をする。
「それと、2つ目なんですけど、神咲さんのその話し方は地じゃ無いですよね?出来れば普段の、何時もの通りの…は、ハヤト…さんの接し方で話していただけると嬉しいのですが……」
「それも構いませんけど?
3つ目はなんですか?早くしないとまたあのオーガが攻撃してきそうですけど。」
ハヤトが見る先には、もうすぐ二打も降り下ろされるであろう拳が見えて。
よく見るとその拳の回りに火のようなものが纏われている。
「あ、え、えっと、その……無事に帰ってきてください……それが3つ目のお願いです……//」
エリシアはハヤトに顔が見られないように伏せてはいるが、隠しきれていない長く尖った耳が顔と同様に真っ赤に染まっている。
「っ……ああ、わかった。ちゃんとそのお願い聞き入れるよ。
じゃぁ、時間稼ぎしかできないかもしれないけど、俺がオーガの相手をしてある間、シアは皆に頼んだよ。」
ハルトは、エリシアの反応を見て一瞬目を丸くする、ハヤト自身これっぽっちも死ぬと思ってはない。だが、エリシアに《無事に帰ってきてください》と言われて、自分がエリシアに少しでも大切に思われていることに嬉しくなる。
「はい!それと、内部から外部への攻撃は通じますので。……どうかご無事で。」
ハヤトに向かって、綺麗にお辞儀をして。
「ああ、わかった。行ってくるよ。」
それだけ言うと、今にも攻撃をしてきそうなオーガがいる方へと駆ける。
「……よし、腕試ししに行きますか。」
こちらの世界に来てまだ使ったことのない自分の能力が使えることに少しだけワクワクしている気持ちと、あくまでも人類らの中ではチート過ぎる能力でも、魔物相手にどこまで通じるのか知りたくもなったのだ。
「もうそろそろ攻撃してきそうだな。」
そんな感じに呟いていると、振り上げられていた拳が障壁を打ち砕かんと動き出す。
「ちょっと急がないと間に合わなくなるな……ちょっと本気で行くか!!」
ハヤトが脚に力を込める。すると、後ろの方で爆発音が鳴り響く。
「うおっ!?ちょっと力込めてこれかよ……」
顔だけを後ろに向けると、先程までのハヤトがいたであろう場所には大きなクレーターが出来ている。
「後で謝らないとな……とりま今は、目の前のやつの処理からだな……」
今のハヤトの速度であればまだ少し遅くても間に合うくらいの速度はある。
「うし、全然余裕で間に合ったな。んで、確かこちら側からの攻撃は通じるっていってたよな。」
見上げるオーガの拳は先程見たときとあまり位置が変わっていない。
ハヤトはオーガの速度が遅いのだろうかと思考するが、ただ単に自分が早いだけなんだと気づく。
そして、どうするか考えるが、エルフの里が近いとなるとあまり良い案が浮かばず、取り合えずオーガを少し里から話すように吹っ飛ばそうと結論に至った。
「そんじゃ。いっちょやりますか!」
ハヤトはまた脚に力を込めるが、今度は前へと進むための推進力ではなく、上に跳ぶための、重力に逆らうために使う。
これも、また同じく、凄まじい爆発音を轟かせる。
「これは…手加減を覚えないとダメだな……」
そんなことを呟きつつも、ハヤトがいる高さはすでにオーガの頭の高さより少し高いところにある。
「ウガガァ……」
オーガは、急に聞こえた爆発音に少し戸惑うが、また拳を降り下ろしだし。
「……まずすることは、あの拳を止めることからだな。魔術とかはオーガを遠くにやってからにするとして……うん、俺も拳でいくか。」
普通、オーガ相手に拳で挑むなど、死にに行くようなものであるが、等の本人は露知らず。
「今回はやり過ぎないように、手加減して……」
ハヤトの体は重力に逆らうための推進力がなくなれば、あとは、従って落ちるだけだった。
「ちょうどここら辺かね……うりゃっ!」
オーガの拳が来るであろう高さになると、タイミングを合わせて自分の拳をオーガの拳にぶつける。
最初は拮抗していたが、それも一瞬の出来事。
次の瞬間には、破裂音と共にオーガの拳は砕け散っていた。
「ヴガァッ!?」
オーガは、自分の腕が砕けたことに驚いている。
更に砕けるだけではなく、先程の一撃の余波とオーガがバランスを崩していたことにより、エルフの里から放れるように少し吹っ飛ぶ。
「あー、うん……やり過ぎたな……」
まさか、手加減をした上で、たった一撃のパンチで砕くどころか、あの巨体を吹っ飛ばした自分の力に呆れていた。
「まぁ、次から気を付ければ良いよな…うん、きっと大丈夫だな。」
そんな自問自答をしていると、吹っ飛ばされたオーガが残っているもう片方の腕で何とか立ち上がっており、本能的に勝てるわけがないと感じたのか、規格外の力を持つハヤトから逃走を図ろうとする。がしかし……
「……逃がすわけないだろう?次何を仕出かすか分かんないしな。」
オーガが逃げる先には既にハヤトが仁王立ちをしている。
「ガアァァッ!!」
逃げられないとわかったからか、逃げることをやめ、残っている方の拳をハヤトに向けて降り下ろそうとする。
「身体能力は大体わかったし、剣術とかも大体予想つくしな……気になるのは錬金術と付与術だな。」
先程までの自分の身体能力を見ると、剣術等も同じ感じだろうと、回りに被害が及ぶ可能性もあるので止めておくことにする。
「んー、今回は錬金術で決めますか。んと……何を使えば……」
どちらを使うかが決まり、次になんの術を使うか迷っていると、不意に頭のなかに今使うと良いだろうと感じる術の名前が勝手に浮かび。
「【剣の裁き】……?」
ハヤトが頭の中に浮かんだ言葉を声に出して言うと、急に大地が震えオーガの巨体にも負けない1つの巨大な剣がオーガの立っている下の地面からオーガの体を貫いて生えている。
その速度は尋常じゃなく、オーガはと言うと、目から光は消え、声も出せずに事切れていた。
「………………次から気を付けよう。」
今日、この戦闘だけで何度思ったかは分からない言葉をまた口にして。
「出せるってことは、戻せるよな?……【有るべき形へ】で良いのか?」
またも頭の中に浮かんだ言葉をそのまま言葉に表す。
すると、オーガを貫いていた剣は上の方から崩れていき、元の土へと還っていく。
「んで、オーガの遺体はどうすっかな……取り合えず持って帰るか。」
よいしょ、と遺体の脚をつかみそのまま引きずるようにして里へと帰っていく。
「シア~、帰ってきたぞ~。」
とまるでコンビニから帰ってきたかのような態度で里へと入る。
「ハヤトさん!?」
と逃げるために荷物を持って集まっていたエルフたちを掻き分けるようにして飛び出してきたのは、ここの守人であるエリシアだった。
「スッゴい心配したんですからね!?なんか大きな爆発音とか聞こえましたし!!」
エリシアはハヤトにかなり近づいてきて、よほど心配していたのか、その距離に全く気づいておらず。
「ちょっ!近いから!?」
「え?あっ!?す、すみません!!」
そう言われ初めて、自分とハヤトとの距離が近すぎることに気がつき、顔を紅くしながら離れる。
「別に、謝るほどのことじゃないけど。」
「は、はい//」
「それで、報告なんだけど。オーガは俺がちゃんと倒してきたよ。」
「……ほ、本当にですか…?」
その言葉に、周りのエルフたちも信じられないとばかりにざわざわしだす。
「あぁ、それで、ちょっと付いて来てほしいんどけどさ。大丈夫?」
「あ、はい、大丈夫ですよ。念のため村長と何名か連れていきますね。」
「構わないけど。じゃぁ、行こうか。」
オーガの遺体が置いてある里の入り口へと向かい。
「これなんだけどさ、素材?とかなんか売れるところとかあるのかな?全然詳しくなくってさ。」
と、問うが、エリシア達数名は、「う、うそっ……」「どうやったらこんな風になるんだ……」「あ、ありえん…」などと呟いている。
「あ、あの……?」
「ふぁっ!?す、すみません、ちょっと驚いてしまってました。
え、えっと、オーガはあまり売れるような素材はとれないですね。
精々、魔核位ですね。」
「その辺はあとで村のものにやらせておきますので、神咲さんは休んでもらって構いませんよ。」
と付いてきていた、村長のシルエが出てきて。
「それと、御礼をいってませんでしたね。
神咲さん、エルフの里を救っていただき、ありがとうございました。」
エリシア程ではないが、きれいなお辞儀を見せて。
「い、いえ、自分から勝手にしたことですから、気にしないでくださいよ。」
「いや、それでも救ってもらったことに変わりないですからね。御礼はちゃんとさせていただきますよ。」
「そ、そうですか?なら、受け取っておきますね。」
流石にそこまで言われると相手の気持ちを無下にはできず。
「そうしてもらえると嬉しいですね。
それにしても、まさか神咲さんがそこまでお強いとは。お見逸れしましたよ。」
「いやありがとうございます。
初めての戦闘でしたから、上手くいくか心配でしたよ。」
「は、初めてですか!?すいません、大変失礼かもしれないですか、レベルをお聞きしても?」
「レベル、ですか?構いませんけど。ステータス。」
ついでにレベルやステータスが変わったか確認しておこうと思い。
名前・神咲ハヤト
年齢・19
種族・人種
ーレベル21ー
HP・509300/509300
MP・586000/586000
STR・78200
VIT・69400
INT・107900
MND・93500
AGI・66100
LUK・32200
【固有】
・全属性魔術《火・水・風・土・聖・闇》・無属性魔術・付与士・精霊魔法・錬金術・幻術【NEW】・剣聖【NEW】
【戦術】
剣術LV6・槍術LV3・拳術LV6・魔術LV10・錬金術LV8・体術LV7【NEW】・索敵LV8【NEW】
【恩恵】
状態異常無効・全属性耐性・転生神の加護【NEW】
(あ、やば……桁が違いすぎるわ…………)
そう心のなかで思う。
「え、えっと、今は21ですね……」
「21でしたか。そのレベルでランク6を倒すとは。
かなりの才能をお持ちなんですね。」
「まぁ、そんなところですね……」
あはは、と笑ってごまかし。
「どんなことをしたらこうなったのとかは、聞きませんし、里の者達にたいしても口止めしておきますので。安心してください。」
「ありがとうございます……」
聞かれても答えるつもりはなかったが、聞かれないで済むならそれが一番良いだろう。
そのあとは、また里の中へと戻り、村長主催のもと大きな宴のようなものが里を救ってくれたハヤトのために行われる。
色々と豪華な料理が出てきたり、出し物をしてくれたりと、暇をすることは一切なく、ハヤトも疲れを忘れて楽しむことができた。
宴が終わったあとは、エリシアの家の一室を借りて休ませてもらい、しっかり休息をとらせてもらってと、とても有意義な時間を過ごしたのだった。
次の日……
「さて、そろそろ行きたいところだけど、確か案内人をつけてくれるってシルエさんがいってたのよな……誰だろ、気さくな人だと良いなぁ……」
とか思いつつ待っていると、一人のエルフがハヤトの元に近づいてきて。
「ハヤトさん!!」
「シア?何で来たんだ?」
見送りだろうか……などと考えていると。
「え、えっと、村長をおど……説得して、私を案内係にしてもらいました!」
「はぁ?説得までして?」
「は、はい……は、ハヤトさんと一緒にいたかったから……」
ぼぞぼそと呟いているので、ハヤトにはほとんど聞こえているわけがなく。
「何て言ったんだ?」
「だ、だから、ハヤトさんと一緒にいたいからですっ!!……っ//」
「一緒に?何で俺なんかといたいんだ??」
何で自分といたいと思われているのかが全く理解できず。
「……言わないとダメですか……?//」
「うーん、ほんとは無理矢理は聞きたくはないんだけど、大した理由もなく危険な所に連れていくのも気が引けるしな……」
ハヤトの言うとおり、案内をすると言うことは、森のなかを通ったりと魔物がいるところを通るわけで、常に危険と隣り合わせなのだ。
「…………は、恥ずかしいので、耳をこっちに向けてください……」
「ん、こうで良いか?」
「は、はい、大丈夫です。……すぅ…………り、理由は、ハヤトさん…貴方のことが好き、だからです……///」
と耳元で囁くかのように。
「あぁ、好きだからか………………はあぁぁっ!?」
「こ、声に出さないでくださいぃっ!!//」
よほど恥ずかしいみたいで、ばっとハヤトの口元をてで抑える。
「そ、そう言うことですから……できれば、案内が終わってもずっとハヤトさんの隣にいたいです…………ダメ、ですか…?」
「…ダメって言うか、俺もシアのこと可愛いとか思ってて……一緒にいて、話してて全く退屈しなくて、むしろずっと話してたいくらい楽しくて……」
(あぁ、そっか……俺もシアのことが好きだったんだな……)
今思うと、ここに来てから、可愛いとか楽しいとか思ったときには、そこには絶対エリシアがいて、たまに顔を紅くしたり、子供みたいな無邪気な顔をするエリシアのことが愛らしく思っていた。
「そ、それで、答えの方は……?」
おずおずと聞いてくるエリシアは、断られるかもしれな思うと少し不安であり、少しばかり手が震えている。
「俺も、シアのことが好きだ。
こんな俺でよければ、ずっとシアの傍に居させてほしい。」
「…っ!!///私もハヤトさんが好きです。ずっとずっと貴方の傍に居させてください♪//」
ハヤトとエリシアは、自分達の気持ちが通じあったことに喜び、互いに抱き締め合う。
そして、目が合うと静かにそっと優しい口づけを交わす。
この二人の仲の良さは何処であっても変わらず。
エルフと人間、忌み嫌われてきた種族と、見た目だけで忌み嫌う種族で知られる。
この2種族の仲睦まじい夫婦を見た種族達は『自分達もあんな風になりたいと』、『何でこんな馬鹿なことをしてたんだろうか』、等と思わせ、人間は見た目だけで忌み嫌うことをやめ、エルフはこそこそ暮らすことをやめて人間達と一緒に暮らすようになっていく。
そんな大きな出来事のきっかけとなったのが、ハヤトとエリシアの二人なのだが、等の本人達は全く知らない物語である。