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異世界転生~絶世の魔術師~  作者: キュウビ(仮)
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~緊急討伐クエスト~

カティアがコブリンの群れへと突っ込んでいったあとはとにかく凄かった。


「くらえなのです!!」


カティア可愛い声とは裏腹に豪快な攻撃が繰り出される。


それは、体の一部だけを竜化させて戦う戦法で、今は右腕だけを竜化させて一気にコブリン3匹を右上から左下へと切り裂き、葬っていった。


「さすがの威力だな。」


カティアが振りかざした竜の腕はコブリンを切り裂くだけではおさまらず、背後にあった木を砕き、更に地面をえぐりとっていた。


その一撃の威力にハヤトは感心しつつも、そのなかでなぜか胸騒ぎを感じていた。


(カティアを見てるとなんか嫌な予感がするんだが……気のせいだよな…?)


そんな不安を抱きながらカティアの戦闘を観察する。


「てりゃぁ~!!」


竜化による爪術に続いて、強力な脚力を生かして次のコブリンへと襲いかかる。


襲いかかる時に腕の竜化を解く。

その代わりに今度は右足だけに竜化を施す。


「『魔力衝撃【脚】(マジックインパクト)』なのですっ!!」


続いて繰り出されたのは、体内で循環している魔力のほんの一部を攻撃をすると同時に同じ方向へ衝撃波として放つ繊細な技術を要する技である。


竜化したことにより、異常なまでに強化された脚力から繰り出される回し蹴りはコブリンの腹部へをきれいにヒットし、なんの抵抗もなく遥か後方へと吹き飛ばされていき、最後には見えなくなった。


「これ、下手しなくても今の状態の方が圧倒的に強くないか……?


それに、もとからセンスがあるんだろうな、一つ一つの動作に無駄がない。」


元々ハヤトは習い事の一つとして、格闘技をやっていた時期があった。

その中カティアの全ての動作において自分の師匠と同じくらいの戦闘センスの高さに内心驚いている。


始めた当初はさんざん負かされてたが、師匠のもとで習い始めてたった数日でほとんどの基礎的な動作などを覚えた。


それからまた少しして、師匠が忙しくて相手ができないときは自分一人で鍛練を重ねて己を磨いていた。


そうして過ごしていき、ハヤトが格闘技を始めたから数ヵ月がたった頃に初めて師匠相手に勝ちを手にした。


「あん時はかなり嬉しかったな……まぁ、そのあと速攻で負けたけどな。


あれでまだ強くなるとかマジ反則だな。」


と、その時のことを思い出して一人そんなことを考えていた。


その間もカティアは一方的にコブリンを蹂躙していた。


「あとでほめてもらう、なのですっ!♪」


それだけを目当てに蹂躙しまくっていた。


「これで最後なのですっ!!」


コブリンを倒していくなかで、草原の向こうから何体かずつコブリンが増えていくのを見てめんどくさくなったカティアは、最終的には残りのコブリンを一発で倒す作戦に出る。


その作戦で使う魔術は、ハヤトと戦ったときに使った魔術で……あの時は相手が悪すぎたために簡単に防がれて、逆にやられたのだが。


けれども、ハヤト以外の相手ではそう簡単に防げるような魔術ではないのは確実である。


それがコブリンとなればなおさら……


「『地獄の焔(ヘル・オブ・フレイム)』なのです!!」


全人竜化の状態の時に使われた『地獄の焔(ヘル・オブ・フレイム)』は、大きな口から放たれるものだったが、竜人化を解いた状態では両腕を前に掲げて魔方陣を構築する。


そして、直径数メートルの魔方陣が瞬時に構築されると、収縮し、魔術として放たれる。


放たれたときの後ろへと衝撃波だけで後方から見ていたリリアとミミルか少し後ろへと転がっていく。


ハヤトはそんな衝撃も歯牙にもかけないといった感じで、カティアの戦いを見ている。


魔方陣から収縮、そして放たれた『地獄の焔(ヘル・オブ・フレイム)』は複数体残っていたコブリンを肉片一つ残さず溶かし、消し炭にしていった。


それだけならまだよかったのだが、当然の如く、回りの草原や樹木を燃やし尽くし、地面が湯気を上げながら数百メートルにわたって溶かされていた。


幸いコブリン等の魔物以外は誰も死者が居なかった。




「あれはマジで驚いたな。


下手すると誰か死んでたかも知れなかったからな……」


「うぐっ……で、でも誰も死んでなかったから結果オーライなのです!!」


「まぁ、結果的にわな。


けど、次からは無暗にあんな魔術を使うんじゃないぞ?」


「は、はいなのです……」


褒められたことは褒められのだが、注意されたことを怒られたと思いこんで「しゅん……」と申し訳なさそうな顔で落ちこむ。


「おい、落ち込むなよ。


別に怒ってる訳じゃないんだ。

俺はカティアのことを思っていってるんだ。だから落ち込む必要なんてないぞ。」


「旦那様……はいなのです!!♪」


大切な人が自分のことを思っててくれただけで嬉しくなって、そばによって頭をすり付ける。


「とりあえず地面も樹木も元に直したから大丈夫だろ。」


カティアの魔術によって消し炭になった樹木や、溶けた大地はハヤトの錬金術によってもとある形へと戻されていた。


そして今は自分に頭をすり付けてくるカティアの頭を撫でている。


「えへへ~♪なのです♪」


撫でられている本人はとても嬉しそうにしていて、そのなかでやはりミミルとリリアは羨ましそうに見ている。


「よし、報告しにいくか。


ミミル、リリア街に戻るぞ。」


「は~い!了解だよ~♪」


「わかりました!」


呼ばれて近寄ってきた二人はハヤトの耳元に口を近づけて


「…あとでリリアとミミルも撫でてね♪」


「お、お願いします…///」


二人とも顔を赤くさせながら小さく囁く。


「あぁ、仕方ないな……けど戻ってからだからな?


ほれ、とっとと帰るぞ。」


と歩き始めるハヤトのあとを、カティア、リリア、ミミルが追って行く。

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