~運命の選択~
これからにおいて言っておきますね。
私の書き方として、先にサブタイトルを決めてから内容を書いていってますので、それによっては長かったり、短かったりするのでご理解の上で見ていただけると幸いですΣ(ノд<)
「なんで、私なんかのために……」
咲良は、あの日のことを、トラックに轢かれそうなところをハヤト君が私を突き飛ばして助けてもらったこと、そのせいでハヤト君が代わりに轢かれて死んでしまったことを思い出していた。
「咲良~、ご飯出来たから降りてきなさい~」
下の階からお母さんの声が聞こえて
今は別に食欲ないから食べるわけでもないけど……とりあえず、あまり心配かけないように降りとこうかな。
「わかった。今からいくよ…」
そう聞こえてるのかわからないくらいの声で返事をして、下の階へ降りていく。
「咲良…貴女また痩せたんじゃないの?」
お母さんは、私の痩せこけた頬や腕などを見てそう言い
「そう、かな……なんか、全然食欲が湧かなくて……」作り笑顔を浮かべて
「…ハヤト君のことででしょ……?」
その言葉に私は「う、うん……」とだけ答えて。
「あまり、思い詰めたらダメよ?ハヤト君が今の咲良を見たら、きっと悲しむわよ?」
「そうかもしれないけど、、、なんかね、こう心に大きな穴が出来たような感じがしてね……悲しくて、寂しくて、苦しくて……」
「そう…咲良、ハヤト君のこと好きだったわね。だから、ハヤト君がいなくなったことでそんな思いしてるんじゃないのかしら?」
「す、好きって、お母さん何言ってるの!?//」
私はお母さんのその言葉に動揺して。
きっと、今かなり顔真っ赤だろうな……
「あら?ばれないと思ってたのかしら?
咲良、いつもハヤト君のことばかり話してたから分かりやすいのよね♪」
「そ、そんなことないよ!?……たぶん。。
と、とにかく、今はまだ食欲が無いから、後で食べるから残しといてねっ!?」と、私はお母さんから逃げるように自分の部屋へと戻っていく。
「あらあら♪」
お母さんは、娘の反応を見て笑顔で見守っていた。
「もう!お母さんったら!!」部屋に戻って、そう言いつつベットに腰を掛けて。
「でも……」と、確かにお母さんがいった通りに毎日一回はハヤト君の話題を話してた気がする……
それに、お母さんとハヤト君のことで話してると、少しでも長く彼のそばにできるだけいたいと思って思ってる自分がいることに気づいて、、
それは楽しいからとか、退屈することがないからとか、少しはそう思ってるからと思ってたけど、、
ほんとうは、彼のそばが一番安心できて、幸せだと思えてたからで……
「そっか……私ハヤト君のこと好き、、だったんだ……」そう、今さら気づいても、もうこの世に彼はいない。自分の代わりに死んでしまったのだから……
「ハヤト、君……うぅっ……」そう思うと、自然と涙が出てきてしまう、それは、自分自身で止めることができず……
どのくらい泣いてただろうか……
瞳に残る涙を服で拭っていると。
「咲良さん、入ってもいいかな?」トントンとノックがしたあとに、聞き覚えのある爽やかな声が聞こえて。
「椿君……?」その声の持ち主は、ハヤト君と仲のいい友人の椿君のもので。
「そうだよ、ごめんね急に……」と少し申し訳なさそうな声で返事をしてきて
「ううん、気にしなくていいよ。取り合えず入って?」
「それじゃ、失礼します」ガチャとドアが開くと、そこには椿くんがいたのだが、その後ろに見覚えのない人?が立っていて。
「その、椿君の後ろにいる人?は誰なの?」
椿君の後ろに立っているのは、明らかに人間ではなく。
背中に、合計四枚の羽が対になるように生えており、その人?が発するオーラのようなものは押さえているのだろうが、それでもなお本能的に自ら頭を下げたくなるようなかなり強いもので
「うんと、色々と話すことがあるから、取り合えず入るね?」椿君とよく分からない人が入ってきて。
「この人の紹介からした方がいいよね。
この人はね、転生神イヴニアさんだよ。」それが普通のことのように何事もなく紹介するが
「て、転生神!!?」そう聞いて私はもの凄く驚き、思わずベットから落ちてしまう。
「咲良さん、大丈夫?」
「いつつ……大丈夫だけど。その人ほんとうに転生神なの?」
「いかにも、私は転生神イヴニアだ。
今は、ある人の願いでこちらの世界に降り、君たち二人に接触をしているんだ。
勿論それ以外の人の子には見えぬようにしている。」
「は、はぁ……?」いまいち信用できない私はそんな間抜けな反応をしてしまい。
「でも、実際咲良さんのお母さんには見えていなかったみたいだしね。
僕一人で来たと思ってるはずだよ。」
「そ、そうなんだ。」
「あまり、この世界におられる時間も多くはない。だから手っ取り早く用件を言わせてもらうよ。
この世界に来たのは、ある人の願いでと私は先程いったね?
それは、君にとっても関係のある人なんだ。」
「だ、誰なんですか?」
「…神咲ハヤト君だよ。」
「……えっ?」
思わず、数秒フリーズしてしまった。だって、転生神の口から聞こえたのは、さっきまで自分が想ってた彼の名前だったから。
「やっぱりその反応するよね。
僕も部屋に居たら急に目の前に現れたときも驚いしたし、ハヤト君の名前を聞いたときも同じ反応したからね。」
椿くんは私の反応を見て、自分もだったよと苦笑していて。
「それで、用件わね、今ハヤト君が死後転生した異世界に君たちも来ないかって聞きに来たんだ」
「い、異世界?転生??」
「そう、私がハヤト君の魂を見つけて、他の世界に転生させたんだ。
詳しくは、神としての制限がかかるし、今の私は仮の姿でしかないからね。尚更話すことができないんだよ。」
「そうなんですね。
ちなみに、そっちの世界に私たちがいかなかった場合はどうなるんですか?」
「その場合は、君達のこの世界から《神咲ハヤト》の存在を抹消するだけだよ。」
「なっ……そ、それって……」
「神咲ハヤト君について知っているものたち全員から彼の記憶がなくなるようなものだね」
「そ、そんな……」
それを聞いて私は勝手に瞳から涙が出て来ているのに気づき
「ご、ごめんなさい……」そう言って、慌てて涙を拭うが、拭っても拭っても、涙がずっと出てきて……
「咲良さん、絶対に記憶が消えるって決まってる訳じゃないよ。
そうですよね?」
「そうだね。あくまでも、君達が向こうの世界にいかないことを選んだ場合だからね
もし、行くのであれば、君達の記憶から神咲ハヤトの記憶は一切消えないよ。」
「そうなんですね。
えっと、私たちが向こうの世界、異世界とやらに行くと、こっちの世界での私たちの存在はどうなるん手すか?」
「それは、僕も何となく気になってた。」
「それは、勿論存在、記憶共に抹消させてもらうことになるね。」
「そうですよね。。
椿君は、どうするかもう決めてるの……?」ふと気になったので訪ねてみる。返ってきた言葉は
「もう、決めてるよ。
僕はハヤト君がいる世界にいくよ。こっちの世界に家族とかがいる訳じゃないしね」
「そう言えば、椿君ところは、親が亡くなったって言ってたね。。」
自分もそうだったら、大切な人がいる世界に行きたいって、一人で暮らすくらいなら少しでも楽しいと思える方を選ぶと思うしな……
「咲良さんは、どうするの?
家族もいるし、友人もたくさんいるよね。」
「うん、、正直凄く迷ってるの。
もし、このままこっちの世界に残ったら、私はハヤト君のこと忘れちゃうんだよね。
……そんなの、絶対に嫌だ……でも、お母さんたちと離れるのも嫌なんだよね。沢山の思いでもあるから……」
「うん…」
椿君は私の言葉を静かにしっかりと聞いていてくれて
「…………あの、転生神さん?」
「イヴニアで構わないよ。」
「あ、はい。それで、聞きたいことがあるんですけど、私が異世界に行くとこの世界から私たちの存在と記憶は消えるんですよね?」
「ああ、そうだね。」
「それって、私たちの記憶からは、ここでの記憶は無くなるんですか?」
自分としても気になっていたことをイヴニアさんに聞いて
「君達の記憶からこっちの世界の記憶が消えることはないから安心してほしいね。」
「なら…」と
「その世界に行くのは今すぐですか?」
「あぁ、そうだね。できるだけ早い方がいい。こっちの世界で一日立つ毎に向こうの世界では一ヶ月ほど進むことになる。
これでも、かなり短くなった方なんだけどね。」
「わかりました。」
何時にもなく、真剣に考えていて、自分で出した答えだから。
だから、その答えを私は大事にしたい…………
「私もそちらの世界にいきます。
それで、ハヤト君に会って言わなくちゃいけないこと、それを伝えないときっと後悔するから。」
「わかった。では、今すぐに……」
「す、少しだけ時間をもらえませんか?
最後にお母さんに、、今までありがとうって伝えさせてください。」
私は、イヴニアさんの言葉を遮って、断られるかもしれないけど、最後に今自分がしないといけないことをしたいと言って
「……なるべく早く終わらせてくれると、私としても助かるよ。」
「っ、ありがとうございます!」
私は急いで一回へと降り、お母さんがいる部屋にの前にたち、
「お母さん、ちょっと伝えたいことがあるんだけどいいかな?」
中で物音が聞こえて、部屋のドアがガチャと音をたてて開き
「伝えたいことって、急にどうしたの?」
とても不思議そうに私を見てきて、
な、なんかお母さんの顔を見たら、急に言うのが恥ずかしくなってきた……け、けど、言わないと……
「あ、え、えっとね、今まで私のことを育ててくれて、怪我をしたときも一生懸命手当てをしてくれて……小さい頃も一人で寝るのが怖いときとか一緒に寝てくれたりして、そして沢山の思い出をありがとう…♪」
「あらあら、ほんとうにどうしたのかしら?最後の別れの挨拶みたいなこと言って?」
「べ、別に、ただ今までの感謝の気持ちを伝えたいなって思ってね、、」
「そうだったのね。
私にとってね、咲良は大切な、大切な宝物なの。
貴女の面倒を見るのも当然のことだし、咲良が生まれてきてくれたときは、お母さんとっても嬉しかったのよ♪
だから私からも、、私達のところに産まれてきてくれて、沢山の幸せを運んできてくれてありがとう♪
咲良は、お母さんにとって一生で一番の宝物よ♪」
「お、お母さん……うぅっ……」
どうしよう、、涙がまた……
「ふふ、ほんとうにこの娘ったら……ほら……」
お母さんが、泣いてある私を見て穏やかな笑顔で私のことを抱き締めてくれて……そんなお母さんの優しさが私の心に染みて余計に涙が……
「お母さん、なんか急にごめんね…?き、急に泣いちゃったりとかして……」
「あら、気にしなくていいのよ?
私にとって、咲良のことは何よりも大切なことだからね。」
「あ、ありがとう♪//」
「ふふふ、何かまた伝えたいことがあったら伝えにきなさい。
いつでも、お母さんが聞いてあげるから♪」
「う、うん//」
「それじゃぁ、することがあるからまた後でね。」
お母さんは、そう言い残して部屋の中へと戻って。
「お母さん、ありがとう……お母さんは、私にとって綺麗で優しい自慢のお母さんだよ……」
心の中で、離れたくないな。と考えてしまうがそれでも、今一番会いたい人がいるから。
「すいません、少し長くなっちゃいました」と部屋で待っていてくれた、椿君とイヴニアさんに謝って
「僕は全然気にしてないよ」
「私も、全然構わないよ。時間的にもまだ少し余裕があるからね。
それにしても、君のお母さんはとってもいい人だね。」
「当然ですよ!自慢のお母さんですから!」
私は、子供のように元気にそう答えて。
「そうか……。
もう、やり残したことはないかな?」
「僕は大丈夫ですよ。」
「私も、もう大丈夫です」
「では、今から君たち二名の異世界転移を始めるよ。
それと同時に、この世界から君達の存在抹消も同時に行う。」
イヴニアさんがそういうと、足元に白い魔方陣が強い光を放ちながら現れはじめて。
「向こうの世界に行くと、私は制限で君達にあまり接触をすることができなくなる。
だが、その代わりに力を与える。その力をどう使うか、育てるかは君達次第だ。」
「「はい!」」
私と椿君は同時に返事をして
「君達のこれからが、幸せで溢れることを願うよ。」
そうイヴニアさんが言うと、魔方陣が一際強い光を放ちはじめる
私たちの意識はそこで途切れる。