6話 初めての野営と能力の確認
長々となってしまったので投稿に時間が掛かってしまいました。申し訳ございません。グダグダした話なので面倒な方は飛ばして下さい。
転生した異世界で好き放題に生きていく
~チートじゃない?才能です!~
1章 異世界の始まり
6話 初めての野営と能力の確認
王都への旅を続ける帝達。2度目の戦闘を行いステータスの異常な強化に驚いていた帝だったが・・・。
(まぁ、Lvが上がれば強くなるんだし?、結果が速くなっただけだと思えば良いか・・・)
「皆!?アレ?一応・・・気を付けて?」
急にティナが声を上げるが様子がおかしい。
「おい!声の掛け方がおかしいぞ!?」
「いや~〈敵感知〉に反応があるんだけど・・・なんか反応が変なんだよね~」
ティナが言うには〈敵感知〉に反応があったようだが何か変らしい。
(何か強敵が来るのか?レア恩恵持ちだと良いなぁ)
等と帝が考えていると。
ガサガサ!
茂みの中から金色?と言うか明るい黄色?のスライムが出て来た。
「ラッキースライム!?」
「初めて見ました!」
「早く!早く倒さないと!」
(何だ?3人が急に騒ぎ始めたぞ?あのスライムそんなに珍しいのか?ただの黄色いスライムだろ?)
オウル:ラッキースライムは倒したパーティーメンバー全てのLUKを倍にします。更に経験値を大量にくれる、かなり貴重なスライムです。
(つまりは経験値キャラと言う訳か。倒すのは楽だが・・・一応倒す前にスタータス見とくか・・・)
ラッキースライム Lv30
種族 魔獣
HP 1000 MP 1000 ATK 1000 DEF 1000 AGI 1500 MAG 1000 LUK 1500
〈擬態Lv22〉〈敵感知Lv20〉〈打撃耐性Lv19〉
〈魔法耐性Lv19〉〈斬撃耐性Lv19〉〈経験値増加Lv28〉
〈急速成長Lv22〉
(・・・何こいつ?普通に強いんだけど?ウルフタイガーロードが可愛いくらいの強さなんだけど・・・恩恵もLvも高いし。経験値キャラらしくAGIが高いな・・・)
「ミカド!早く!早く倒して!逃げちゃうよ!?」
ティナが帝に早く倒せと言い放つ。
(他力本願だな、全く。まぁいいけど、ステータス的に3人じゃ無理そうだし・・・)
ティナに急かされ〈強欲な剥奪者〉を発動しようとした時、ラッキースライムがプルプルと震えだす。そして・・・
ヒュン!
・・・その場から逃げ出した。
「あ」
「「「あああ!!!」」」
3人が揃って大声を出す。
「ミカドがもたもたしてるから逃げたじゃん!」
ティナが悪態を吐く。
「ミカドでも反応出来ない速度か、流石ラッキースライムだな!」
アイナがラッキースライムを称賛する?
「ミカドさんでも無理でしたか・・・残念です」
ユーナが目に見えて落ち込む。
「・・・油断した。悪かった。ちょっとだけ待っててくれるか?」
そう言い帝は〈身体強化∞〉を発動し2倍を指定する。続いて〈観測者∞〉を発動し、遭遇したラッキースライムで検索する。即座にラッキースライムの位置情報が分かりそちらに向かって駆け出す。
10秒くらい走りラッキースライムを発見する。帝は即座にラッキースライムに近づいていく、すれ違い様に右手で鷲掴みにして持ち上げる。手の中でプルプル震えている。恐らくラッキースライムなりに抵抗しているのだろうが帝の方がステータスが高い為、無駄な抵抗である。鷲掴みにしたまま3人の元へ戻りながら、〈強欲な剥奪者〉によりラッキースライムのHPを1だけ残すようにして他のステータスと恩恵を奪取し始める。
3人の元に戻る頃にはラッキースライムはHP1だけ残しステータスも恩恵もすでに奪い切っていた。
3人が此方に気づく。
「ミカド!その手に持ってんのは!?」
ティナが叫ぶ。
「ラッキースライムだが?言ったろ?ちょっと待っててくれって?手加減しながらボコして捕まえて来たぞ?」
そう言いティナに投げ渡す。
「おとと!」
ティナは落とさないようにうまく受け取る。
「渡されても困るんだけど・・・」
困り顔で帝を見るティナ。
「いや、結構離れたから捕まえて来たんだが・・・意味無かったか?」
「あぁ、確かに離れすぎると経験値が貰えるか分からないしね~」
その辺は流石に分からない様だ。
「取り合えずトドメを刺さないか?また逃げられるぞ?」
「確かにそうですね。ティナ早くしてください!」
アイナとユーナがティナにトドメを刺すように言う。
「分かってるよ!」
そう言うとティナは腰の短剣を抜き、ラッキースライムに刺す。するとラッキースライムは溶けていき消えてしまう。
すると帝達4人の体がうっすらと光る。
「「「やったぁ!」」」
3人が手を取って大喜びしている。
(何だ?何が起きた?)
帝が首を傾げていると・・・。
「ミカドさんステータスを見て下さい!」
ユーナが興奮気味に言うのでステータスを確認する。
皇王 帝 Lv39
職業 なし 種族 人間(転生者)15歳
HP 6343 MP 3677 ATK 6490 DEF 4050
AGI 6408 MAG 3991 LUK 4268
〈全てを知る者〉〈強欲な剥奪者〉〈限界突破∞〉
〈創造者〉〈神眼〉〈魔眼〉〈探索者∞〉〈観測者∞〉
〈環境適応∞〉〈言語理解∞〉〈全魔法適正〉〈身体強化∞〉
〈能力強化∞〉〈倉庫∞〉〈統率者Lv2〉〈威圧Lv18〉
〈超再生Lv10〉〈格闘術Lv15〉〈毒耐性Lv50〉
〈体力回復Lv15〉〈再生Lv20〉〈剣術Lv15〉〈斧術Lv9〉
〈槍術Lv6〉〈擬態Lv22〉〈敵感知Lv20〉〈打撃耐性Lv19〉
〈魔法耐性Lv19〉〈斬撃耐性Lv19〉〈経験値増加Lv28〉
〈急速成長Lv22〉
(・・・Lvとステータスがかなり上がったな。こんなに経験値、貰えるのか?ステータスも奪ったにしても上がりすぎな気がするが?・・・ラッキースライム狩り続けたら簡単に強くなれるな)
オウル:いえ。マスターの場合は経験値が手に入る前に〈経験値増加〉の恩恵を奪っていますのでその効果です。ステータスも〈急速成長〉の効果で大幅に上がる様になっています。
つまり通常の経験値とステータスの上昇値を遥かに上回っていると言う事らしい。
(かなり便利な恩恵を手に入れたぞ!俺でこれならユーナ達もそれなりに成長したんじゃないのか?)
「3人は大分Lv上がったんじゃないのか?」
帝が3人に聞いてみると・・・。
「ふっふっふ。見て驚くが良い!」
ティナがそう言いステータスの開示をする。
ティナ・アダム・クライン Lv17
職業 盗賊 種族 小人族20歳
HP 657 MP 551 ATK 643 DEF 577
AGI 780 MAG 504 LUK 819
〈剣術Lv13〉〈罠感知Lv13〉〈格闘術Lv13〉〈潜伏Lv12〉
〈奪取Lv12〉〈敵感知Lv12〉
(何で恩恵のLvも上がってんだ!?俺は上がってないぞ!)
オウル:ラッキースライムは所持恩恵のLvも+10してくれますが、マスターは〈強欲な剥奪者〉で恩恵のLvを上げられるので効果が適用しないのだと思われます。
(マジか!本来なら恩恵のLvも上がってたのか!)
「私のも見て下さい!」
「私のも見てくれ!」
ユーナとアイナもステータスの開示を行う。
ユーナ・シュバルツ・ナシオン Lv17
職業 僧侶 種族 人間 16歳
HP 589 MP 667 ATK 332 DEF 399
AGI 404 MAG 609 LUK 555
〈回復魔法Lv12〉〈補助魔法Lv12〉〈光魔法Lv13〉
〈杖術Lv12〉
アイナ・レーニョ・シュヴァリエ Lv17
職業 戦士 種族 人間 16歳
HP 742 MP 509 ATK 712 DEF 669
AGI 601 MAG 490 LUK 592
〈剣術Lv13〉〈盾術Lv13〉〈格闘術Lv13〉
〈身体強化Lv13〉
(ユーナもアイナもLv、ステータス、恩恵が成長しているな。ちょっと羨ましいな・・・。
そう言えば恩恵のLvが上がると何かあるのか?俺の〈毒耐性〉Lv50もあるんだが?)
オウル:恩恵のLvが上がると効果が強まります。〈~術〉や〈~魔法〉はLvが10上がる毎に体技、魔法を覚える事が出来ます。恩恵のLvは100までで中にはLvを上げる事で上位の恩恵に変化する物があります。
〈~耐性〉はLv50を超えると〈~無効〉になります。他にもLvが上がる事で新たな恩恵を獲得する物もあります。
(つまりは恩恵のLvは上げると良い事がある訳か・・・。俺の〈能力強化∞〉で恩恵のLvは上げられないのか?)
オウル:〈能力強化∞〉は恩恵の効果を上げる物ですのでLvは上がりません。
(恩恵のLvは地道に上げるか、奪うしかないのか・・・)
帝がオウルと会話をしていると。
「ミカドがいて良かったよ~」
「確かにな。命を助けて貰い、Lvと恩恵まで強化してもらえるなんてな!」
「本当ですよ!ミカドさんがいれば怖いもの無しですね!」
各々が帝を褒め称えるが・・・。
「勘弁してくれ、出来ない事だってあるからな?」
と帝が返答すると。
「例えば?」
とティナが聞いてくる。
「・・・馬の操作とか?」
やった事が無いのに出来る訳が無いと思う帝だが・・・。
「それは練習次第でどうにでもなりますよ?」
「そのぐらいなら後で教えるぞ?」
ユーナとアイナがそれぐらいならどうにでもなると言う。
「まぁ、今は初めて行く王都が楽しみで仕方がないが」
そう言いながら荷台に乗る帝。
「それじゃ王都目指して、再出発だね!」
ティナが言うとアイナが手綱を操作して馬車を動かし始める。
良い天気の中、馬車に揺られる帝達。今はアイナに代わりティナが御者台に座り手綱を握っている。
「そう言えば王都までどれ位掛かるんだ?」
帝がふと思いユーナ達に確認を取る。
「だいたい2日くらいですね」
(2日!?2日も掛かるのか・・・意外と遠いな)
「まぁ、ミカドがいればこの辺の魔獣なら問題無いしね~」
「だがLvUpした強さを試したくないか?」
「確かに試したいです!〈光魔法〉試したいです!」
ユーナとアイナの2人が興奮気味に話すが。
「2人共~試したい気持ちは分かるけど~戦闘中に調子に乗ると死んじゃうよ?」
ティナが2人を諭したように注意する。
「すまない」
「ごめんなさい」
2人は肩を落として落ち込む。以外にもティナが2人を注意する。
「意外だな。ティナが2人を注意するなんて」
「あれ?もしかして今、馬鹿にされてる?こう見えても一番年上だよ?」
ティナが反応するが。
「いや、結構おどけてるから・・・そういうのはアイナの役かと」
「ミカドさん!?私は!?」
ユーナが聞いてくる。
「ユーナは意外と無茶ばかりしそうなイメージが・・・」
「何故ですか!?」
帝が言い終わる前にユーナが突っ込む。
日が沈み始めた頃、急に馬車を止めるティナ。
「そろそろ野営の準備をしよう~」
こちらを向いて話し掛けてくる。
「そうだな暗くなる前に準備を始めるか」
アイナが荷台から降り野営の準備を始める。
「俺は何をすればいい?」
「準備が終わるまで見張りをしててくれるか?」
「ミカドなら魔獣が来ても対処できるしね」
「私は夕飯の準備をしますね」
そう言いアイナとティナが野営の準備をし、ユーナは夕飯の準備を始める。
(見張りはいいが・・・暇だな。魔獣が来ないのは良い事だがこうもやる事が無いとな・・・。あぁ、丁度良いからこの服のレア度と能力見てみるか)
帝は〈魔眼〉を発動し自分の服を確認する。
魔寄せのコート
〈洗浄Lv39〉〈修復Lv39〉〈挑発Lv39〉〈頑丈Lv39〉
(この〈挑発〉が原因で魔獣に狙われるのか?ってか恩恵のLV高くね!?)
オウル:〈挑発〉は周りにいる魔獣もしくは敵意を持つ者の攻撃対象を自分に向ける恩恵です。因みに不利恩恵です。
〈洗浄〉は防具専門の恩恵でどんなに汚れても元通りキレイになります。
〈修復〉は武器・防具専用の恩恵でどんなに損壊しても元通りになります。
〈頑丈〉も武器・防具専用の恩恵です文字通り頑丈。つまり防御力を増大させる恩恵です。
(ふむ。〈挑発〉はLv上げには丁度いいがやたらと狙われるのは面倒だな〈洗浄〉〈修復〉は便利だが〈頑丈〉は・・・俺のDEFが高いから無くても良いんだがな。・・・まぁ、あって困る物でもないか)
帝が自分の服を確認していると・・・。
「ミカド!気を付けて!何か来る!」
急にティナが叫ぶ。
(また魔獣のお出ましですか?)
地面が少し盛り上がり地中から何かが出て来る。真っ白な人型の骨が大量に出て来た。
「うげぇ、スケルトンだ」
「う~む。スケルトンか」
「スケルトンですね」
アイナとティナは嫌そうな顔をしているが、ユーナはそうでもなさそうだ。
「ユーナはスケルトン、平気なのか?」
「平気?と言うよりは〈光魔法〉があるので楽勝です!」
(なるほど。相手がスケルトンだとユーナは活躍出来るのか・・・。とりあえずステータスを確認だな。〈神眼〉と)
スケルトン Lv9
種族 魔獣
HP 199 MP 202 ATK 172 DEF 143 AGI 121 MAG 162
〈魔法耐性Lv10〉〈打撃耐性Lv10〉〈蘇生Lv9〉
〈毒攻撃L11〉〈痛覚無効〉
(ステータスは弱いが恩恵が凄いな!〈剣術〉〈斧術〉おぉ!〈盾術〉持ちも居るのか!でも〈痛覚無効〉にLvが無いのは何でだ?)
オウル:〈~無効〉の恩恵は無効にしますのでLvの強弱が関係ありません。〈~耐性〉は無効ではないのでLvの強弱が関わってきます。
(そうか〈~耐性〉は確率だが〈~無効〉は効かない訳だからLvが必要ないのか・・・。〈蘇生〉の効果は何だ?)
オウル:〈蘇生〉は所持者が死亡した時にMPを自動的に消費して生き返る事です。Lvが高い程MPの消費が低くなります。更に〈蘇生〉の効果で生き返る度に全ステータスが100ずつ下がります。
(ふ~ん。自動蘇生か・・・結構使えるな。だけどステータス的にこいつらそう何回も〈蘇生〉使えないだろ?せいぜい1回か2回だろ?・・・恩恵だけ奪えれば問題無いのか?)
オウル:恩恵だけ奪う事は可能です。
(恩恵だけ奪えば問題なく倒せる訳か・・・だが、10体位いるけど〈痛覚無効〉はLvが無いがどうなるんだ?)
オウル:Lvの無い恩恵は重複出来ないので自動的に消失します。
(とりあえず問題はない訳か、なら恩恵だけ奪ってちゃっちゃっと片付けるか〈強欲な剥奪者〉発動っと!)
見た目には帝がスケルトンと相対して両者が睨み合っている様に見える。3人はスケルトンが動いた時の為に武器を構えて待機している。
「よし!じゃあ始めるか!」
そう言い駆け出す帝。
「待て!ミカド!そいつらに打撃は・・・」
アイナが何か言っているが気にしない帝。
先頭のスケルトンの頭を無造作に殴りつけ粉砕するとそのままの勢いで次々とスケルトンを倒してゆく。
「これで全部か?」
大量の骨に囲まれた帝が周りを見渡しながら口にする。
「え~と?スケルトンって打撃効かないんじゃ無かったっけ?」
「いや、効かないではなく効き目が薄い・・・の筈なんだが?」
「それもですけど。何故、蘇生しないのでしょう?」
3人が帝を見ながらそれぞれの意見を述べる。
「取り合えず片付いたし野営の準備を続けるか」
帝が呑気に言う。
「夕飯の準備は出来たみたいですよ」
鍋の中を確認してユーナが答える。
「こっちもテントの準備出来てるよ、一応」
「一応を付けるな!私も手伝ったんだから、私も作業が遅いみたいだろ!」
「私もって何さ!私の作業が遅いみたいじゃん!」
「実際遅いだろ!」
アイナとティナがまた喧嘩をし始める。帝がそっとユーナの方を見てみると・・・。
「2人共?今すぐ止めないと夕飯無しですよ?」
笑いながら2人を見つめるユーナが居た。
「「そ、それだけは!!」」
「なら、分かりますね?」
言われると2人は握手をして。
「ほら!仲直りしたよ!」
「だから頼む!夕飯無しだけは勘弁してくれ!」
握手したままユーナに懇願するアイナとティナ。
「まぁ、いいでしょう。許してあげます」
以外にもあっさりと許すユーナ。
「喧嘩も終わったみたいだし取り合えず夕飯にしないか?」
帝が3人を見ながら提案する。
「そうですね。夕飯にしましょうか」
「「賛成!!」」
ユーナが言うとアイナとティナが声を揃えて歓喜する。
ユーナが木の器に鍋の中身を注いでゆく。
「どうぞ」
「ありがとう」
ユーナが帝に手渡す。器の中にはスープが注がれている。
他に結構な量の黒パンが用意されていた。
「おかわり!」
「こっちも頼む!」
帝が夕飯のメニューを確認している間にアイナとティナが既に1杯目を食べ終えていた。
「速いな!?体に悪いぞ?ちゃんとよく噛めよ?2人共」
帝が2人を気遣って言うが・・・。
「ちゃんと噛んでるよ?」
「ちゃんと噛んでるぞ?」
声を揃えて言う2人。
「ミカドさん無駄ですよ?2人なりにちゃんと噛んだ挙句、あの速度で食べているので・・・」
そう言い諦めた表情をするユーナ。見た感じだと既に何度も言った様子だ。2人の事を諦めた帝は黒パンを頬張る。
(意外と硬いな、それに味が全く無いな)
黒パンは白パンとは質が劣るため安く手に入るが味も硬さも帝の知るパンとは酷く違う。
(まぁ、食べれない程では無いが好き好んで食べたくはないな)
隣ではユーナがスープに浸して柔らかくしてから食べている。前に座る2人は気にせず黒パンを頬張ってゆく。凄い勢いだ。
帝は木のスプーンで器の中身を口に運ぶ。
(見た目より味があって美味い!野草?それに干し肉か?これしか入っていないが十分だな!)
「お口に合いましたか?」
ユーナが帝が料理を口にしたのを見て聞いてくる。
「あぁ、美味いな」
帝が素直な感想を伝える。
「良かったです!材料がこれしか無かったので不安でしたが何よりです!」
満面の笑みで答えるユーナ。
「ユーナは料理が得意なのか?」
「得意と言う程では無いですけど、それなりに出来るとは思います」
得意ではないがそれなりには出来ると言うユーナ。
「2人は出来ないのか?」
帝はアイナとティナに何となく聞いてみる。
「ミカド?人には得て不得手があるんだぞ?」
「そうだよ~得て不得手があるんだよ~」
黒パンを頬張りながら答える2人。
「2人には期待しない方が良いですよ?」
ユーナが言う。
「どういう意味だ?」
「以前2人に作らせた事があるのですが・・・とても食べられる物では無く材料を無駄にしただけでした」
ユーナが表情を曇らせて語る。
「その話は止めにしよう!ほら!スープが冷めるぞ!」
アイナが話を区切り帝に食べるように言う、ティナは目を背けている。
(そんなに酷かったのか?)
夕飯が済みティナとアイナがテントの中で寝る準備を始め、ユーナは夕飯の片付けを始めたので帝は火が消えない様に薪をくべる。
「それじゃ、見張りの順番決めようか~」
ティナがテントから頭を出して言う。
「見張り?」
帝が聞き返すと。
「そうか、ミカドは1人で旅をしていたから要らなかったのか」
アイナが言い。
「見張りは交代制で行って、その間に他の者が睡眠を取るんですよ?」
ユーナが見張りの意味を教えてくれる。
「なら俺が一晩見張るぞ?」
帝が提案するが・・・。
「いえ、そんな悪いです!」
「そうだぞミカド!お前は戦闘で活躍したんだから休むべきだ!」
ユーナとアイナの2人が拒否するが。
「もしかして~私達の事、夜這いするつもり~?私はウェルカムだよ?」
ティナがまたも茶化す。
「そ、そう言うのはまだ早いです!」
「そうだぞティナ!な、何を言ってるんだ!?」
2人が顔を真っ赤にして抗議する。
「アハハハッ!冗談だよ!冗談!」
2人を見て笑うティナ。
「あのなぁ・・・普通に考えて女性2人が寝てる所で一緒に寝れる訳がないだろ?それに3人は朝から馬車の操縦をしていたろ?俺には出来ないからせめて出来る事は優先的にな」
帝がそう言うと。
「ミカドがそれで良いなら別に良いけど?」
「私も別に構わないが・・・しかし一晩となるとなぁ」
「そうですよ!一晩見張りなんて!」
(ユーナとアイナは否定的だな)
「なら3人で先に見張りをしてもらって少したったら交代するとしよう、それなら問題ないだろ?」
帝が提案すると。
「それなら問題無いです!」
「私も賛成だ!」
「じゃぁ、ミカドが先に寝ると言う事で決まりだね~」
そう言いながらテントから出て来るティナ。
「頃合いを見て起こすからゆっくりしてて~」
「分かった。じゃぁ悪いが先に寝かせて貰うな」
そう言いテントに入る帝。
テントの中には寝袋が3つあるだけだ。
(3つ?あぁ、1人が見張りをしてる間に3人が寝るからか・・・けど、どうするか?コレ、俺が使うと1つだけ汗臭くなるよなぁ、あ!寝なきゃいいのか!別に寝るつもりはなかったから良いか、なら丁度良いから恩恵と能力の確認でもするか!〈神眼〉を発動と)
〈全てを知る者〉〈強欲な剥奪者〉〈限界突破∞〉
〈創造者〉〈神眼〉〈魔眼〉〈探索者∞〉〈観測者∞〉
〈環境適応∞〉〈言語理解∞〉〈全魔法適正〉〈身体強化∞〉
〈能力強化∞〉〈倉庫∞〉〈統率者Lv2〉〈威圧Lv18〉
〈超再生Lv10〉〈格闘術Lv15〉〈剣術Lv30〉
〈毒耐性Lv50〉〈体力回復Lv15〉〈再生Lv20〉
〈斧術Lv21〉〈槍術Lv12〉〈擬態Lv22〉〈敵感知Lv20〉
〈打撃無効〉〈魔法無効〉〈斬撃耐性Lv19〉
〈経験値増加Lv28〉〈急速成長Lv22〉〈蘇生Lv99〉
〈致死毒攻撃〉〈痛覚無効〉〈盾術Lv15〉
(おぉぅ・・・打撃と魔法が耐性から無効に変化してる。そう言えば〈創造者〉使ってないな。どんな能力だっけ?)
オウル:〈創造者〉は生物以外の物なら何でも作り出す事が出来ます。
(そんな能力だったか。なら取り合えず武器でも作ってみるか!折角武器使用の恩恵がある訳だし!でどう使うんだ?)
オウル:作りたい物の形、細かな装飾をイメージする事で具現化します。恩恵等の付与も可能です。
(マジで!強い武器作り放題じゃん!取り敢えず試しに・・・)
オウルの言う通りに細かくイメージをしてみる。すると目の前に剣が現れた。
(おぉぉぉ!!イメージ通りに出来た!この恩恵は良いな!っと能力の確認をしないとな〈魔眼〉と)
聖剣エクスカリバー(創造されし剣)
〈不壊〉〈聖属性〉〈攻撃力強化〉〈斬撃強化〉
〈使用者固定〉〈MP消費0〉
(おぉぉぉ!能力もイメージ通りだ!上出来だ!この恩恵はかなり強力だぞ!取り敢えず片っ端から作ってみるか!)