5話 早くも2度目の戦闘
ステータスの表記が多いので若干、長くなってますのでご容赦ください。
転生した異世界で好き放題に生きていく
~チートじゃない?才能です!~
1章 異世界の始まり
5話 早くも2度目の戦闘
「う~ん?」
目を擦りながら上半身を起こす帝。
「何か変な夢を見ていた気がするが・・・まぁいいか、思い出せないし」
そう言うと支度をしロビーへと向かう。ロビーに行くと3人の女性達が朝食を食べていた。
「おはよう」
帝が挨拶をする。
「おはよう。ミカド」
「おはようございます。ミカドさん」
「おはよう~」
3人がそれぞれ挨拶をしてくる。
帝が3人と同じ席に着くと。
「おはようございます。ミカド様。朝食はいかがいたしますか?」
店主が水の入ったコップを置きながら聞いてくる。
「おねがいします」
「ではお持ち致します。少々お待ち下さい」
そう言い奥に行く店主。
少しして「どうぞ」パン・サラダ・スープがテーブルに置かれていく。
食べ終えた帝が水を飲み一息つく。
「そろそろ行くとしようか?」
帝を待っていた3人に声を掛ける。
「そうだな。行くとするか!」
「そうですね。ティナ行きますよ?」
「待ってよ~もう少し食べる~」
ティナだけはまだ朝食を食べていた。
(朝から、どれだけ食べるんだ・・・)
「ほら!行くぞ!」
「ん~~!」
口に詰められるだけ詰め、両手いっぱいにパンを持った状態でアイナに首根っこを摑まれ引きずられていくティナ。
外に出ると店主がユーナ達の馬車を用意して待っていた。
「皆様、今回は調査の依頼ありがとうございました。それとこちらが新たな調査の依頼書です」
そう言うと男性は筒状の紙をユーナに手渡す。
「はい。確かにお預かりしました」
ユーナが依頼書を預かり腰のポーチにしまう。その間に帝とティナは馬車の荷台に乗り込む。アイナは御者台に座り手綱を準備する。
話が終わったユーナも荷台に乗り込む。
「それでは皆様、王都まで良い旅を」
そう言うと店主は頭を下げる。
「はっ!」
アイナが手綱を振り馬車が動き出す。
(さらば!初めて異世界で訪れた村!ハーレーン村!・・・今更だがあの村の名前誰がつけたんだ?)
荷台に揺られながらそんな事を考えていると。
「ミカドさん?どうかしました?」
ユーナに声を掛けられた。
「いやな、あの村の名前誰がつけたんだろうと思ってな」「村の名前?」
「確か村長さんのご先祖が作った村だから、その名前が付いたとか?」
(そうなのか?まぁ、ありがちな理由でつけられた訳か・・・ん?)
「そう言えば俺、村長に会ってないな・・・」
ふと思い帝が口にするが・・・。
「何言ってんの?今まで目の前にいたじゃん?」
「そうですよ?ミカドさんは何を言ってるんですか?」
「そうだぞ?何を言ってるんだ?」
御者台にいるアイナにまで言われる。
(目の前にいた?・・・もしかして!)
「宿屋の店主が村長か!」
「そうだよ~知らなかったの?」
「聞いてないぞ!」
「まぁ、村長は宿屋がメインで村長の仕事は合間にすると言っていたしな余り村長の仕事は無いらしいぞ?」
アイナが補足する。
(そうかあの店主が村長だったのか、次に行った時はきちんと挨拶するか!)
「そう言えばギルドの事、詳しく聞いてなかったな?王都に着くまで教えて貰っても良いか?」
ギルドの事について3人に聞く。
「ギルド?う~ん?私パ~ス」
「うむ私もパスだ。難しい話はユーナに任せる」
ティナとアイナはお手上げの様だ。
「それでは私が説明しましょう。ギルドとは世界各国にある冒険者を支援する為の組織です。各国と言っても例外はありますがそれは後々。
冒険者は世界の脅威である魔王や魔獣と戦う者達です。まぁ。魔王討伐を目指しているのは一部の冒険者です。勿論それだけではないですよ?でないと私たちの様な駆け出しの冒険者は直ぐに魔獣の餌食になりますから、今回の様な調査や採取、他にもありますが分かりやすく言えば何でも屋でしょうか?」
ユーナがギルドと冒険者について教えてくれた。
「他に質問はありますか?」
(他に聞く事はと聞かれても、これて言ってなぁ・・・駆け出し?)
「じゃあ、お言葉に甘えて・・・3人のLvは幾つだ?ステータスはどれ位だ?」
3人のステータスを聞いてみる。
(〈神眼〉で視る事は出来るが教えて貰えるならそちらの方が良いだろ?)
「Lvとステータスですか?構いませんが駆け出しなので低いですよ?」
「私も構わないぞ?」
「私も別にいいよ~」
そう言うと3人のLvとステータスが視認できるようになる。
ユーナ・シュバルツ・ナシオン Lv7
職業 僧侶 種族 人間 16歳
HP 312 MP 412 ATK 211 DEF 243
AGI 298 MAG 366 LUK 252
〈回復魔法Lv2〉〈補助魔法Lv2〉〈光魔法Lv3〉
〈杖術Lv2〉
アイナ・レーニョ・シュヴァリエ Lv8
職業 戦士 種族 人間 16歳
HP 433 MP 274 ATK 404 DEF 379
AGI 312 MAG 198 LUK 289
〈剣術Lv3〉〈盾術Lv3〉〈格闘術Lv3〉〈身体強化Lv3〉
ティナ・アダム・クライン Lv8
職業 盗賊 種族 小人族20歳
HP 379 MP 332 ATK 369 DEF 299
AGI 465 MAG 274 LUK 399
〈剣術Lv3〉〈罠感知Lv3〉〈格闘術Lv3〉〈潜伏Lv2〉
〈奪取Lv2〉〈敵感知Lv2〉
(なるほど。本人の了承があればLv、ステータス、恩恵が確認出来る訳か・・・知らない恩恵ばかりだ。まぁ、こちらの世界に来たばかりだから知らない事が多い訳だが・・・と言うか・・・)
「ティナ!ハーフリングか!しかも20歳だと!?」
3人とも人間だと思っていたら1人だけ人間じゃなかったその上、3人ともが年上だった。
「そうだけど?そんなに珍しい?亜人は結構あっちこっちにいると思うけど?」
「いやミカドは極東から来たんだから珍しいのかもしれないぞ?」
「それもですけど、年齢もじゃないですか?私達も聞いた時は驚きましたし」
「えっと、ティナもだがユーナもアイナも年上だったんだ・・・ですね」
3人が年上と知り急に敬語になる帝。
「急に敬語は気持ち悪いから止めてくれるか?」
「っていうかミカドは何歳なのさ?」
「私も気になります!」
アイナに敬語を止めるように言われ、ユーナとティナに年齢を聞かれる。
「・・・15歳だ」
「「「え!!」」」
3人とも年齢を聞かされ驚く。
「15!?15であの強さなのか!?」
「15ですか、同い年か少し上位に思ってました」
「15か~まだまだ子供だね~」3人がそれぞれ思った事を口にする。
(ティナに言われると馬鹿にされている気しかしないな)
「ところで~ミカドのステータスは~どれくらいかな~?」「それは私も気になるぞ!」
「わ、私も気になります!」
「教えるのは構わないが・・・」
(これ素直に見せていいのか?ダメだと思うが・・・)
オウル:問題ありません。マスターの力は世界を逸脱しているのでうまく開示されない筈ですので彼女達にステータスの開示をして見て下さい。面白い事になると思われます。
(オウルがそう言うなら試してみるか・・・)
「じゃあいいか?」
そう言い3人へのステータスの開示を了承する。
「「「???」」」
3人は帝のステータスを見て首を傾げる。
「え~と?」
「何だコレは?」
「どういう事でしょうか?」
3人が帝を見て聞いてくる。
(おいおいアイナは前を見ろ!危ないだろ!ってか何か変な所あったのか?どれ俺も確認を・・・)
皇王 帝 Lv???
職業 ??? 種族 人間 15歳
HP ??? MP ??? ATK ??? DEF ???
AGI ??? MAG ??? LUK ???
<???><???><???><???><???><???>
<???><???><???><???><???>
<???><???><倉庫?><統率者Lv2><威圧Lv3>
(・・・何だコレ?。???だらけだぞ?バグか?)
オウル:マスターの力は恐らく口頭で伝えた物だけがステータスに表示されるのだと思います。恩恵のLvが∞の物は伝えてもLvは表示されないと思われます。その為〈倉庫〉はLvが?になっています。
(なるほどな、なら他のステータスも口頭で伝えれば表示されるのか?)
オウル:表示されますが数値は伝えた物になりますので戦闘が終わる度に伝える事になります。
(それはかなり面倒だな・・・さて、どう説明するか・・・)
「だから言ったろ?教えるのは構わないがって?俺自身ステータスが良く分からない状態なんだ」
苦しい言い訳をしてみる。
「なるほどな・・・不利恩恵所持か・・・」
アイナが何か言う。
「不利恩恵?何だそれ?」
帝が聞き返す。
「不利恩恵とは文字通り所持者に不利な能力を付与する恩恵です」
ユーナが説明してくれる。
「不利恩恵は絶大な強さと引き換えに不利な能力を与える恩恵だよ~。不利な能力は人それぞれらしいけどね〜」
ティナが補足する。
(まぁ、実際は俺の場合、不利恩恵ではなくこの世界を逸脱した力のせいらしいが・・・)
「不利恩恵の解除って出来るのか?」
不利恩恵があると言う事は対処が出来るのでは、と思い聞くが・・・。
「解除と言うよりは不利恩恵の消失ですね。ですが・・・オススメはしませんね。絶大な強さを失う事になります」
ユーナの説明によると不利恩恵は消失させる事が出来るらしいが代わりに絶大な強さを失うらしい。
(俺には全くもって関係が無いがな!)
「因みに不利恩恵の消失ってどうやるんだ?」
「不利恩恵の消失は〈恩恵破壊〉が付与された道具を使い儀式を行う事で恩恵の消失を行います」
(なるほど儀式か面白そうだけど、俺には必要ないしな・・・)
と帝が考えていると。
「!!!。皆、気を付けて!」
ティナが声を上げる。
すると森の中から緑色の体をした大きい生き物と小さい生き物がぞろぞろ出てくる。
「オークとゴブリンだと!」
アイナが手綱を引いて馬が暴れないように落ち着かせようとする。
(あれがオークとゴブリンか緑色の体に醜悪な顔、漫画やゲームと同じだな。ん?なんか様子が変だな?)
「あいつら何か変じゃないか?」
帝が言うと。
「確かに変ですね。普通なら直ぐに襲い掛かって来るんですが・・・」
何故かオークとゴブリンは武器を構えてはいるが襲って来ない。
「気のせいじゃ無ければだけど・・・ミカドの事、見てない?」
ティナに言われてよく見ると確かに帝の方を見ている気がする。
試しに帝が荷台を降りて馬車から離れると、オークとゴブリンが帝の方に近づいて行く。
(俺、狙われてる?身に覚えが無いんだが・・・。そう言えば服屋の店主が「この服を着ている人だけが狙われるそうでして・・・」と言っていた気がするな・・・まぁ、いいか。とりあえずオークとゴブリンのステータスを確認するか)
帝は〈神眼〉を発動する。
オーク Lv10
種族 魔獣
HP 366 MP 16 ATK 466 DEF 137 AGI 102 MAG 21
〈威圧Lv3〉〈超再生Lv2〉〈格闘術Lv3〉
〈毒耐性Lv4〉〈体力回復Lv3〉
ゴブリン Lv7
種族 魔獣
HP 209 MP 107 ATK 167 DEF 101 AGI 209 MAG 99
〈再生Lv2〉〈毒耐性Lv3〉
(う~ん。良い恩恵は〈超再生〉〈毒耐性〉〈体力回復〉くらいか?〈再生〉よりも〈超再生〉のが上だろうし・・・。
でも少しずつ恩恵が違うが使用武器のせいか?オークは武器がこん棒で統一されているがゴブリンの方は剣、短剣、斧、槍とバラバラだな。〈威圧〉があるな同じ恩恵は奪えるのか?ってか〈威圧〉の能力って何だ?使えるのか?)
オウル:恩恵は本来使用する事でLvが上がりますが〈強欲な剥奪者〉で奪った際はLvが数値分追加されます。
〈威圧〉の能力は自分より弱い相手を僅かな時間、恐慌状態にします。それと〈超再生〉と〈再生〉ですが別物です。
〈超再生〉は体の傷〈再生〉はHP、MPの自動回復です。
(なるほど同じ恩恵を奪う事でLvが上がる訳か、〈超再生〉と〈再生〉も別物なのか、なら〈再生〉も奪っとくか。
〈威圧〉も1対多なら使えそうだな。ゴブリン達は使用武器がバラバラな為〈剣術〉〈斧術〉〈槍術〉と恩恵に少しの差があるがLv3で同じか。オーク5匹にゴブリン15匹いるが皆、恩恵が同じようだな)
「グォォォォォッ」
オーク達がいきなり大声を出す。するとゴブリン達が一斉に帝に襲い掛かるが・・・。
帝が〈威圧Lv3〉を発動した為、ゴブリン達の動きが止まる。オーク達は〈威圧Lv3〉を所持している為か効いていないようだ。その隙に近くにいるゴブリン5匹を力任せに殴る帝。
ゴブリン達は周りの木に当たったり、地面を転がり動かなくなる。そしてオーク5匹を対象に〈強欲な剥奪者〉を発動するとオーク達がその場に倒れる。何が起きたのか分からずその場にいる全員がオーク達を見ている。
オウル:〈強欲な剥奪者〉によりオーク達のステータスを奪ったのです。〈強欲な剥奪者〉は相手のLvが低ければ一瞬で奪い切ります。Lvが高くてもステータスが低ければその分速く奪い切ります。
オーク達のステータスは低い上にLvも低い為一瞬で奪い切ったらしい。ゴブリン達が我に返り逃げようとした為、残りの10匹を対象に〈強欲な剥奪者〉を発動するとオークの時と同じようにゴブリン達もその場に倒れていく。戦闘が始まり3分も経たずに終わってしまった。
帝は〈神眼〉を発動して自分のステータスを確認する。
皇王 帝 Lv11
職業 なし 種族 人間(転生者)15歳
HP 4581 MP 1675 ATK 4692 DEF 2303
AGI 3410 MAG 1544 LUK 422
〈全てを知る者〉〈強欲な剥奪者〉〈限界突破∞〉
〈創造者〉〈神眼〉〈魔眼〉〈探索者∞〉〈観測者∞〉
〈環境適応∞〉〈言語理解∞〉〈全魔法適正〉〈身体強化∞〉
〈能力強化∞〉〈倉庫∞〉〈統率者Lv2〉〈威圧Lv18〉
〈超再生Lv10〉〈格闘術Lv15〉〈毒耐性Lv50〉
〈体力回復Lv15〉〈再生Lv20〉〈剣術Lv15〉〈斧術Lv9〉
〈槍術Lv6〉
ステータスが恐ろしい数値になっていた。
(どうしよう・・・Lv11なのにLUK以外のスタータスが4桁いっちゃった・・・てか魔獣にLUKが無い以上Lv上げでしか上がらないのか・・・どうするか・・・面倒だな)
オウル:魔獣はLUKがありませんが亜人、獣人、魔人には存在しますのでそちらから奪取する事が出来ます。
(なるほど魔獣以外にはLUKが存在するのか。だが、無差別で奪取する訳にもいかないしな、敵意剥き出しの奴なら良いか?)
「ミカドがやったのか?」
アイナが問いかける。
「他に誰がいるんだ?」
帝が素っ気なく返答する。
「確かに私達が手を出してないんだからミカド以外にいないよね~」
「そうですね。恩恵の能力は分かりませんがミカドさん以外にいませんね!」
ティナもユーナも納得したようだ。
「とりあえず旅を続けるか」
そう言い帝達は王都への旅を続ける。