3話 自己紹介と勧誘
オウルと帝の会話が分かりにくいのでこれからはオウルがしゃべる際には オウル: と()の前に表記します。
転生した異世界で好き放題に生きていく
~チートじゃない?才能です!~
1章 異世界の始まり
3話 自己紹介と勧誘
「あの~?」いきなり後ろから声を掛けられ、正気になる帝。振り向くと3人の女性達が帝の側まで来ていた。
3人の内、僧侶の様な格好をし手には木で作られたと思われる杖を持ち、背中まである黒髪を三つ編みにしており身長は帝より頭一つ低いので165㎝くらいだろうか?顔立ちは結構整っている。おとなしそうなイメージだ。帝より年下に見える。それでいて胸が意外とデカい!そんな女性が1歩前に出て「助けていただいてありがとうございます」と頭を下げてお礼の言葉を口にする。
ちなみに帝は175㎝と15歳にしてはそこそこ身長がある方だ。
「いや。気にしなくて良い。たまたま近くを通りかかったら助けを求める声が聞こえただけだし」
帝がそう言うと・・・。
「でも普通、助けを求めてる声が聞こえたからって助けに来る?」
1人目の女性の後ろから姿を現しながら言うのは金髪ショートカットでヘソ出しスタイルで軽装の鎧を着ておりショートパンツで動きやすい格好をしている子供だ。腰には短剣を装備している。身長は1人目よりも低く顔立ちはこちらも整っている。活発で元気というイメージだ。胸は小さい・・・。
「だがそのおかげで助かったんだぞ?感謝しなくては罰が当たるぞ?」
そう言う3人目は、帝に逃げろと言った女性だ。赤髪のポニーテールでこちらも顔立ちが整っている。身長は1人目と同じくらいだ。見た感じ軽装の鎧だが戦士といった印象だ。左手に盾を身に付けており腰の左側にショートソードを下げている。強気なイメージだ。胸は2人の中間くらいだろうか・・・。
3人の話を聞きながら失礼な事を考える帝に対して金髪ショートカットの子供が「もしかして、助けたお礼を体で払えとかそんなとこ?」等と口にする。
それを聞いていた、黒髪三つ編みの女性と赤髪ポニーテールの女性が帝を軽蔑の目で見ながら「そんな訳は・・・」と言いながら後ずさりして行く。
「お前らなぁ・・・」
帝が声色を低くして3人の女性を見ると金髪ショートカットの子供が「冗談だよ!冗談!アハハ!」と腹を抱えながら笑っている。
イラつきながらも顔には出さないようにする。
「それよりもこんな所で何をしてたんだ?」
帝が3人に質問をすると赤髪ポニーテールの女性が「この森と近辺の調査に来たんだ」と言う。
「調査?」
帝が首を傾げて返答する。
「はい。先ほど貴方が倒したウルフタイガーは本来この辺りには生息しない魔獣なのです。本来ならこの辺りはスライム、ゴブリン、オーク、等の魔獣しかいないはずなのですが・・・。
最近この辺りの村からゴブリンやオークを見かけなくなったとギルドに報告がありまして・・・その為、私達が調査に訪れた次第です。調査なら難易度も低いので私達3人でも大丈夫だと思ったのですが・・・」
黒髪三つ編みの女性が教えてくれる。
「と言うか。君も調査をしに来たのではないのか?あれだけ強ければギルドから直接依頼が来てもおかしくはないと思うが?」
赤髪ポニーテールの女性が帝に質問する。
帝は「さっきも言ったがたまたま近くを通っただけでギルド?も依頼?も何の事か分からないのだが?」
(まぁ、ギルドが何の事かは何となくで分かるが・・・)
金髪ショートカットの子供が「本当にたまたまって事!?ってかギルドを知らないってどういう事?君はどんな田舎に住んでたのさ!」と驚愕している。
「そう言われても知らんものは知らん!それよりも自己紹介をしないか?貴方とか君とか呼ばれるのは嫌なんだが・・・」
帝や3人の女性はお互いに自己紹介をまだしていなかったのだ。
「すいません!申し遅れました。私はユーナ。ユーナ・シュバルツ・ナシオンと言います。僧侶です」黒髪三つ編みの女性が自己紹介をする。
「私はアイナだ。アイナ・レーニョ・シュヴァリエだ。見た通り戦士職だ」赤髪ポニーテールの女性が続く。
「最後は私だね~。ティナ。ティナ・アダム・クラインだよ~盗賊職だよ~よろしく~」金髪ショートカットの子供がチャラけた感じで自己紹介をする。
「俺は帝皇王 帝だ。よろしく」
帝の自己紹介を聞いたティナは「カミタカ?変な名前だね」と反応する。
「いや?ミカドが名前だぞ?」と帝が返答すると・・・。
「ミカドは極東の国出身なのか?」アイナが聞いてくる。
「まぁ、そんなとこだ」と適当に返答する帝。
帝はおそらく俺の名前は生前の世界の様に小さな島国が使う変わった名前なのだろうと考えた。
「ところでミカドは何職なの?」とティナが聞いてくる。「何職と言われてもなぁ・・・無職?」と答えると「自分で言っといて疑問形って・・・どうなのよ?」と返された。
「ミカドは冒険者じゃないのか?」アイナが聞いてくる。「冒険者が何なのか知らないが・・・違うと思う」帝は自信なく答える。
「拳闘士じゃないのですか?素手でウルフタイガーを倒すくらいですし」ユーナが答える。
「拳闘士が何かは何となく分かるが違うと思うぞ?」
帝は直ぐに答えた。
「まぁ、いいや。とりあえずミカド。ウルフタイガー解体しなくていいの?」と聞いてくるティナ。
解体と言われても解体の仕方を知らない帝はティナを見て首を傾げる。
「もしかして解体の仕方知らないの?あれだけの強さなのに!?」驚愕の表情で帝を見るティナ。
「いや、ミカドは解体の仕方と言うよりも解体そのものが分からないのでは?解体用の短剣も所持してないようだし・・・」
アイナが帝を見てティナに説明をする。言われて帝はアイナとティナの装備をよく見ると2人とも主要武器とは違う短剣を腰のところに装備していた。恐らくあれが解体用の短剣だろう。
「分かった。じゃあ、助けてくれたお礼にウルフタイガーを解体するよ」とティナが言うので「いや。解体の仕方を教えてくれるだけでいいよ。でないと後々、大変そうだし」
と帝が返答する。
「確かに解体できないのは大変ですからね」
ユーナが苦笑しながら答える。
「だよね~。私とアイナだけじゃ、一苦労でさ~」とティナがニヤニヤしながら言うと。
「うぅぅぅ。すいません。解体は本当に無理なんですぅぅ」
どうやらユーナも解体が出来ないようだ。と言うか話を聞く限りでは解体が出来ないではなく、したくないの様だ。まぁグロテスクだからだろうな。
「なら私の予備の短剣を貸すから一緒に解体するとしようか」言うとアイナは腰から1本の短剣を帝に渡す。
解体を始めるアイナ、ティナに続いて帝もウルフタイガーを見よう見真似で解体し様とすると・・・。
オウル:マスター。少し宜しいですか?
(どうした?)
オウルが帝へ呼び掛ける。
オウル:解体するのでしたら最適な方法をお教えできますがいかが致しますか?
(そんな事できるのか!?なら早速頼む!)
オウル:了解しました。脳内へ解体方法を送ります
オウルに言われると帝の脳内にウルフタイガーの解体方法が流れ込んでくる。唐突に目眩がする帝。
(この感覚は嫌な感じだな)
脳内へ解体方法を直接流し込まれた帝は脳へと負担が掛かり軽く目眩を起こしてしまったのだ。
オウル:申し訳ありません。こればかりはどうにもできませんので我慢していただくしかありません
オウルが謝罪をする。
(いやそう言う事なら仕方ないだろ?)
帝はオウルの言った事へのフォローをしながらウルフタイガーの解体を始める。
「意外と面倒だなこの作業・・・」
ウルフタイガーの解体を淡々としながら帝が愚痴をこぼす。
「愚痴をこぼしながらの割に上手いじゃないか、本当に解体は初めてなのか?」
アイナが帝の解体作業を見ながら言う。
「いや、確かに初めて何だが・・・何となくで此処はこうするというのが分かってな・・・」
流石にオウルの事を説明する訳にもいかないので適当な言い訳をする帝。
「何となくで分かるとか、猟奇的すぎない?もしかしてミカドは大量殺人犯とか?」
ティナが茶化しながらも解体作業を進めている。
帝がティナを睨みつけると「じょ、冗談だよ!冗談!本気にしないでよ!」慌てて弁明するティナ。
「茶化してる余裕があるなら口よりも手を動かしてくれるか?」
アイナが笑顔でティナを見ると慌てて解体作業へと戻るティナ。
帝、アイナ、ティナの3人がかりで解体作業をしても12匹のウルフタイガーと体の大きいウルフタイガーロードは時間が掛かってしまった。ウルフタイガーロードはウルフタイガーの上位種族なだけだったので、解体方法は変わる事無く時間が掛かっただけで無事終わった。
「やっと終わった~疲れた~」
そう言いながら地面に大の字になるティナ。
「お疲れ様です」
ユーナが解体作業を終えた3人を労う。
「まだ終わりじゃないだろ?この中から選別しなければいけないんだぞ?」
アイナがティナに言う。
「分かってるよ~けど、ちょっと待ってよ~少し休ませて~。私はアイナみたいに体力馬鹿じゃないんだよ~?か弱い女の子だよ~?」と愚痴をこぼす。
帝がアイナの方を見ると額に青筋を立てて「ほぅ。お前が私をどう思っているのかよ~く分かった・・・そこを動くなよ?永遠に寝かせてやる!」そう言い放ち腰のショートソードを抜き放つ。
(アイナは短気なのか?)
「アイナ落ち着いて!私がティナの代わりに選別を手伝いますから!」
ユーナが言いながらアイナを羽交い絞めにして止め様とする。
「ミカドさんも見てないで止めて下さい!」
傍観していた帝に対してユーナが抗議する。
「と言うか何のために選別をするんだ?」
帝の一言で3人とも動きを止め、帝の方を見る。
(あれ?なんか変な事言ったか?)
帝は自分の言った事がそんなに変な事か?と思いながら動きを止めてこちらを見ている3人を見る。
「確かに解体は初めての様だな」
アイナがショートソードを腰の鞘に戻しながら言う。
「解体したらお金になる物、ならない物で選別して持ち帰るんだよ」
ティナが説明をする。
「流石に全部を持ち帰るのは無理ですからね」ユーナが苦笑しながら説明を補足する。
「〈倉庫〉と言う名の恩恵があると全部持ち帰る事が出来るのですが〈倉庫〉もLv次第でしまえる量が変わりますし」とユーナが言う。
(〈倉庫〉の恩恵?あれ?確か俺の所持恩恵の中にあった気がするが・・・)
そう思い自分のステータスを確認する帝。
(・・・あるな・・・〈倉庫∞〉・・・どう使うんだ?コレ?オウルどうすればいいんだ?)
オウル:〈倉庫∞〉にしまいたい物を指定して頂ければそれだけでしまう事が出来ます
なるほど。そう言うと帝はオウルの言う通りに指定し試しに足元にある解体したウルフタイガーロードをしまおうとする・・・。
パッ!そんな効果音が似合う消え方をする、ウルフタイガーロードの死骸。
それを見ていた3人は驚愕の表情をする。
「ミカドさんは〈倉庫∞〉の恩恵所持者何ですか!?」
ユーナが目を輝かせて近づいてくる。
「あ、あぁ、そうだ」
若干引き気味に答える帝。
それに気づいたユーナは「す、すいません〈倉庫〉持ちの方が珍しくて、つい・・・」謝りながら少し距離をとる。
「それにしてもウルフタイガーロードを丸ごとしまうとか凄いな!」
アイナが賞賛しながら近づいてくる。
「じゃあさ解体したウルフタイガーも入らないかな?選別の手間が省けるんだけど?」
ティナが質問しながら近づいてくる。
「いや流石に全部は無理だろう?選別をし価値のある物だけ運んでもらいたいのだが良いだろうか?」
アイナが帝に確認を取る。
「う~ん。多分選別の手間は掛からないと思うが・・・ちょっと待ってくれ、試してみるから」
そう言うと帝は残ったウルフタイガーを全て指定してみると・・・。全てのウルフタイガーが消えた。
「ふむ。全部入ったな?何とかいけたか」
帝が満足げに言うと。
「マジで!?冗談のつもりだったんだけど・・・」
「あの量をしまえるとはミカドの〈倉庫〉はどれほどのLv何だ!?」
「すごいです!ミカドさん!」
3人がそれぞれの驚きを口にする。
〈倉庫〉の恩恵所持者は帝の他にもいるようだが3人の身近な人にはいないようだ。
帝と3人は森を出るため歩き始める。
「そういえば3人はこの森まで徒歩で来たのか?」
疑問に思い確認をしてみる帝。
「いえ、流石に王都からこの森までは距離があるので近くの村まで馬車で来ましたよ?」
ユーナが答えてくれる。
「そういうミカドは何で来たの?村から森までも距離はあるよね?」
ティナが聞いてくるので・・・。
「徒歩だが?」
何気なしに答える。
「その装備で?何の用意も無しに?」と返された。
「装備とか用意とか言われてもなぁ。言ったろ?たまたま近くを通っただけだって?散歩するのにそんな準備するか?」
帝が言うと「散歩って・・・弱いと言っても魔獣も出るのに?」とティナが言うが・・・。
「あの強さを見れば納得ですよ」
ユーナが言い。
「確かにあの強さなら散歩するのに準備はいらないな素手で倒すくらいだし」
アイナも賛同する。
(まぁ。散歩は嘘な訳だが、転生したら近くにいましたとは言えないだろうしな)
「ところでミカドはこの後どうするの?一緒に来る?」
「ティナ!いきなりパーティーに誘うなんて!」
「でもユーナ?男手は助かるし〈倉庫〉の恩恵所持者だよ?それにかなり強い!」
「確かになあの強さだけでもパーティーには是非とも加わってほしいな」
「アイナまで!?」
「ユーナは嫌なの?かなり有望だよ?ミカドの強さをしったら他のパーティーが即勧誘だよ?」
「せっかくの縁なのだからダメ元で勧誘すればいいだろう?」
ティナとアイナがユーナに淡々と説明をする。
(せめて俺の聞こえる位置で言わないでほしいのだが・・・。)
と考える帝であった。
3話の部分が変な位置になってますが治らなかったので諦めました。気にしないで下さい。