24話 初の迷宮
転生した異世界で自由気ままに生きていく
~チートじゃない?才能です!~
24話 初の迷宮
「さて。早速だが迷宮に入ろうと思うが、ユーナ達はどうする?」
ユーナ達の元に戻った帝の第一声だ。
「どうするとは?」
「一緒に入るかどうかと言う事だ」
「と言うか私達、探索者の登録してないけど入れるの?」
ティナが帝の言葉にもっともな返事をした。
「問題無いらしいぞ。聞いた話だと登録してる探索者1人につき4人までは同行出来るらしい。つまり俺1人でユーナ、アイナ、ティナ、シオンの4人は一緒に入れる訳だ」
「ですが探索者の登録をしてもいないのに入れると言う事は、何かしらの条件があるのでは?」
「ユーナ言う通りだ、その場合は条件がある」
そう言うと帝は聞いた事を説明し始めた。
「条件と行っても大したことはない。迷宮に入る際に魔道具を渡されるらしい」
「魔道具を?」
「あぁ。その魔道具は探索者の登録している者が魔力を流すと宙に浮かんで、後方から監視をするらしい。そして監視中の映像はあの場所に映し出される様だ」
そう言って帝は壁に付いている白くデカい物を指差した。壁に備え付けられたそれは、地球で言うとこの映画館のスクリーンの様だ。
「今は何も映っていないが、魔道具が起動しているとあそこに内部が映し出されるらしいぞ」
「監視と仰いましたが何を監視するのです?」
「監視と言ったが正確には観察だな。迷宮内の情報を事細かに他者に伝える為だな。後、今言った魔道具は定期的に指名依頼で迷宮内の調査をする際にも使用されるらしいぞ。ただ欠点としては迷宮内でしか使えないらしい」
「確かに迷宮の調査には便利な魔道具ですね。口伝よりも正確ですし、宙に浮いてるなら手が空いてる訳ですしね」
「あぁ、それで話は戻るがユーナ達はどうする?別に嫌なら構わんが?」
「私は今回は遠慮します」
「私も遠慮しよう」
「私もいいかな〜」
「私も遠慮しておきます」
「ならまた今度だな。それじゃフェン達は・・・」
「勿論、儂は入るぞ!」
帝の言葉を遮りフェンが答えた。
「自分はいいかなぁ〜」
「私もいいや」
ヨルンとペイルは今回は遠慮するらしい。
「入るのはフェンだけか・・・。ヨルンとペイルが残るなら大丈夫だろ」
「何が?」
「いやな。女子供だけを残して行くと、絡んでくる馬鹿がいそうだったんでな?ヨルンとペイルも行くと言ったらどうしようかと思ってたんだが、2人が行かないと言うなら心配はないかと思ってな」
「あーそう言う事。なら任せといて!」
「そうだよぉ〜自分とペイルが居れば大丈夫だよぉ〜」
「あぁ、任せる。だが・・・」
帝はそこまで言って、周りを確認してから大きな声で続きを喋り出した。
「俺が離れてから直ぐに寄ってくる奴や、危害を加えてくる輩がいたら遠慮はしなくて良い。殺しさえしなければ何しても構わない、適当に痛め付けてやれ」
「「「「!?」」」」
帝達の話を聞いていた周りの冒険者や探索者、又は遠巻きながらも話が聞こえていた者達は一瞬だが動きを止めた。
「それは勿論そうするけど。でも良いの?」
「何がだペイル?」
「そんな事したら後々面倒事になるんじゃない?」
「それこそどうでもいい事だな。女子供に手を出す様なクズに気を使う理由が無い。殺さないだけ有難いと思えって話だ」
「まぁね」
「まぁ、こうは言ったが必ず絡んでくる奴は居るだろうから気を付けろよ?万が一があるからな?」
「りょうかーい」
帝はユーナ達をヨルンとペイルに任せると迷宮の入り口へ向かって行く。
「そうだ。一つ言い忘れた」
帝は立ち止まりヨルンとペイルへと伝え忘れた事を伝え始めた。
「万が一姿を消したり、気配を消して近づく奴がいたら、そいつらは問答無用で殺せ。悪事をしてる自覚が有るから姿や気配を消して近づく様な奴らだ。殺されても文句はないだろ」
「「わかった」」
それだけ言うと帝はフェンを連れて迷宮へと続く扉へと歩み出した。
迷宮へと続く扉の前に来た帝とフェンはギルド証を見せて係の者から話を聞いていた。
「御二人は初めての方ですね。どうなさいますか?」
係の者が言っている、どうするかとは迷宮に初めて入る者は最初の一度だけ特殊な迷宮に入る事が出来るのだ。
その特殊な迷宮と言うのは1人、つまりソロでしか入る事が出来ない。おまけに特殊な迷宮の難易度は入った者の強さにより変わるらしい。その為、特殊な迷宮に入る場合は強制的に魔道具を渡される。何故なら入る者により変わる為、その者の強さを計る事が出来るからだ。それにより探索者のランクが決まると言ってもいい。勿論特殊な迷宮に入らなくても問題は無いが先程言った通り、最初の一度しか入る事が出来ないのだ。
「確か特殊な迷宮は10階層が最大でしたか?」
帝の質問に係の者が答える。
「そうですね。現在、確認しているものですと10階層が最大になっています。因みにですが特殊な迷宮に出現した最大の魔獣はボスのバーサーカーミノタウロスです」
「確か今代の勇者の1人が入った特殊な迷宮だったとか?」
「そうですね。今代の剣の勇者様が入られた特殊な迷宮がそうだったと聞き及んでいます」
「参考までにその時の勇者のレベルっていくつか分かりますか?」
「正確な数値は覚えていないですが、100は超えていたと思います」
「成程。ありがとうございます。それではこの辺で・・・」
帝がそう言い迷宮の入口に向かおうとすると係の者に呼び止められた。
「あ、あの!?」
「どうかしましたか?」
「魔獣達も一緒に入るのですか!?」
「勿論。何か問題でも?」
「いえ、問題はございませんが宜しいのですか?」
係の者が言う「宜しいのですか?」とは魔獣使いと召喚士の者が迷宮に入る際に行っている最終確認なのだ。
どう言う事なのかと言うと、先程も述べたが迷宮はソロで入ると危険がある分、旨みがある。だが誰しも安全かつ楽に稼ぎたいだろう。その為、魔獣使いや召喚士のようにソロではあるが従魔がいる者が単身で迷宮に入ったが聞いていた迷宮内の情報とは違っていたらしい。どう違っていたかと言うと、まず1つ目に出てくる魔獣のレベルが情報よりも高かった事、2つ目に出てくるボス、番人の補佐や迷宮の番人が進化していたり、数が多かったりととてもじゃないがソロで攻略出来る範囲では無かったのだ。
その為、魔獣使いや召喚士が「ソロで入ったが情報と違う!どう言う事なのか!?」とギルドに詰め寄った。ギルドは情報と違うと報告を受け、急いで確認をしたがギルドでは直ぐには確認が出来なかったのだ。ギルドが時間を掛けて検証をした結果、魔獣使いと召喚士がソロで迷宮内に入ると従魔達の強さや数によって迷宮内の魔獣の強さが変わる事が分かったのだ。分かりやすく言うと迷宮内の魔獣のレベルが従魔達と同等になるのだ。故にギルドでは魔獣使いや召喚士が迷宮にソロで入る際には注意しているのだ。
「ギルドが行っている注意は理解しています。それを踏まえても問題ないです。そもそも魔獣達のレベルは6匹足しても俺の半分にも届かないので」
「そうですか・・・」
それだけ言うと係の者は帝を無理に止めようとはしなかった。
帝が迷宮に入った後、係の者、先輩と後輩の2人が会話を始めた。
「さっきの人、本当に大丈夫ですかね?」
「大丈夫と言いたいところだがな・・・。ただでさえ魔獣使いのソロは危ないのに、入るのが特殊な迷宮だろ?」
「確かに・・・。特殊な迷宮はただでさえ通常の迷宮と違い、入る者により強さが変わると言うのに・・・」
「無事出て来れるといいな・・・」
「そうですね。魔獣を6匹も連れているなら相当な強さなのでしょうし、失うには惜しいですからね」
「そうだな・・・」
ここで会話は終わったが帝と会話していた係の者、先輩の方は帝が最後に言っていた事が気になっていた。
(・・・流石に冗談だよな?6匹の魔獣のレベルを足しても彼の半分にもならないなんて・・・。そんな事があるのか?いや、確かに魔獣のレベルが6匹とも1〜10だと言うなら半分にもならないのは分かるが、それだって彼のレベルが最低でも120〜130と言う話だ。有り得るのか?あんな若い子が・・・。)
そう。帝の言った事をそのまま信じるのなら帝のレベルは最低でも120に達している事になる。
(そもそも彼の連れていた魔獣達はこの辺りには生息しない筈だ。カーバンクル、ナインテールフォックス、ナイトクロウ、アルミラージ、ハイドスパイダー、あのスライムは見た事がないが他の5匹は確実に強い。そんな魔獣達のレベルが1〜10?あり得ないだろ!だが俺が知らないだけで見た目が似ているだけの魔獣の可能性もあるか?いや、ないな。だがそうなると彼のレベルが異常な事になる・・・。もう考えるのはよそう)
彼は帝について考えるのを止めた。
迷宮に入った帝は周囲を確認して一つ頷いた。
「ふ〜ん。中はこうなってるのか」
帝の入った特殊な迷宮はトンネルのようになっており、帝の位置から真っ直ぐに通路が伸びている。迷宮の中は一定の距離で壁に松明が設置されており、明かりが確保されている。
帝はとりあえず通路を進み魔獣を探す。
「さて、迷宮初の魔獣は何が出るかな?」
先ず、帝の言っている事はおかしい。普通であれば迷宮内で探すのは次の階へと進む道だ。わざわざ魔獣を探す者はいない。いや、正確に言うならば、ドロップを目的として魔獣を探す者はいるが帝の様にただただ魔獣を探す者はいない。帝はワクワクしながら迷宮を探索する。
帝が迷宮を進み、始めて左右への分かれ道が現れた。帝は特に何も考えずに右の道へと進む。帝としては「行き止まりなら戻れば良いだけ」っと特に深い理由があって右の道を選んだ訳ではない。
右の道を進み始めて10分程経ったら開けている場所に出た。
「開けた場所に出たな。広さからして何かが出てくるとは思うが・・・」
帝は開けた場所、周囲を順に警戒するが特に何かが出てくる様子が無い。見た目で言うとコロシアムに似ているが出入り口であると思われる四方の扉が開く事はない。
「見た目で言えばコロシアム・・・。そうなると、中心に行けば何か起きるかな?」
帝はそう言いながら中心へと向かう。帝が中心地へ向かう為、囲いである壁を軽く飛び越える。囲いを超えた先は固い地面になっていた。帝が中心地へ到着すると地面が揺れ出した。
「おっ!それっぽい反応だな!さてさて何が出て来るのかな?」
帝は期待した様子で出て来るものを待つ。地面の揺れが収まる。だが何も起きない。
「???」
帝が首を傾げていると四方の扉が同時に開いた。
扉をくぐって出てきたのはミノタウロスだ。
「ほう。ミノタウロスか。けどなんか・・・色が赤黒くないか?俺が知っているミノタウロスは赤茶色だった気がするが?」
そう現れたミノタウロス4匹は赤黒い毛色をしており、通常のミノタウロスとは違う事が見て分かる。
オウル:マスター。あれらはミノタウロスではありません。上位個体のバーサーカーミノタウロスです。
『あれがバーサーカーミノタウロスか?色以外の違いが分からんが?』
オウル:色以外ですと個体によりますが、魔法を使える者もおります。他ですと使用している武器が戦斧以外だったりします。
『戦斧以外って言っても、見た感じ4匹とも戦斧だが・・・』
オウル:そうなりますと後は魔法を使えるかどうかですね。
『なら確認するだけだな』
そう言うと帝は〈神眼〉を発動し、バーサーカーミノタウロスのステータスを確認する。
バーサーカーミノタウロス Lv68
HP 42341 MP 5241 ATK 72943 DEF 43524
AGI 18342 MAG 5537
〈切断王〉〈格闘王〉〈体力超回復〉〈身体超強化〉〈攻撃力超強化〉〈防御力超強化〉〈剛力〉〈剛腕〉
〈剛脚〉〈打撃超強化〉〈斬撃超強化〉〈無双斧〉〈翔擊〉〈覇気〉〈手刀〉〈足刀〉〈武神〉〈凶化〉〈突貫〉〈砲哮〉〈金剛角〉〈破壊王〉〈震撃〉〈超加速〉
「さすがに上位個体だけあるな、所持している恩恵が全て進化済みか。残念だが魔法は所持してないのか」
バーサーカーミノタウロスの所持している恩恵はどれも強力なものだ。・・・そもそも、本来は遭遇したなら真っ先に逃げ出すレベルの魔獣だ。だが帝にとって初めて遭遇する魔獣は強さ、希少性、関係無く恩恵を獲得する為の資料や材料の様に考えている。




