19話 同居者は精霊
「」の後に付いてる文字は精霊の属性を表してます。
分かりづらかったら申し訳ございません。
転生した異世界で自由気ままに生きていく
~チートじゃない?才能です!~
2章 王都動乱
19話 同居者は精霊
帝が甘い花を差し出すと精霊達は帝と甘い花を交互に見る。その内の1体が口を開いた。
「食べて良いの?」
口を開いたのは黄色い髪の精霊だった。
「あぁ、良いぞ?」
帝がそう言うと精霊達は甘い花に群がった。
「うめぇ!」火
「お、美味しい!」水
「・・・美味しい」土
「美味いな!」風
「・・・美味だ」闇
「最高!」光
「良い!」時
「おいしい〜!」空
「美味しいね!」花
「美味である!」木
精霊達は甘い花を口に含むと次々に喋り出した。帝は精霊達を観察しながら〈倉庫♾️〉から木のコップを人数分取り出し、水の創造で水を注ぐと精霊達に渡す。
「そんなに急いで食べなくて良い。気に入ったなら良かった。甘い花まだ有るからな?」
帝は笑顔で精霊達を見つめた。精霊達は調理台の上に座り黙々と食べながら帝の呼びかけに頷く。
精霊達が帝の差し出した甘い花を食べ終わる。
「美味かったぞ人間!」火
「お、美味しかったです!」水
「美味かったぞ!」風
「・・・美味しかった。ありがとう」土
「感謝する!」闇
「美味しかったよ!ありがとう!」光
「感謝!」時
「おいしかった〜」空
「ありがとうございます!」花
「美味であった!」木
「精霊が何を食べるか分からなかったから、口に合って良かった」
帝がそう言うと赤い髪の精霊が話す。
「ん?精霊は食える物なら何でも食うぞ?」火
「そうなのか?」
「私達を視える人は皆が同じ事言うよね?」光
「同じ物を食べるのにね〜?」空
「他の人は分からんが俺のイメージとしては、精霊は甘い物しか食べないと思っていたな」
「否定!」時
「ありえん!」木
「バカじゃな〜い?」空
「頭、大丈夫か?」火
「あ、有り得ない!か、体壊れちゃう」水
「い、いや。あくまでイメージだからな!?」
帝がイメージの話をしたら精霊達から激しく否定された。一部、馬鹿にしてる者が居るが・・・。
「ま、まぁ。それは良いとして精霊達はここで何をしているんだ?」
「住んでるんだよ?」光
「住んでる?勝手にか?」
「ち、違います!ま、前に居た魔法使いのおじちゃんが、す、住んで良いよって言ったんです!」水
(前に居た魔法使いのおじちゃん?多分この家を建てた宮廷魔術師の事を言ってるんだよな?)
「そのおじちゃんは何処にいるか分かるか?」
「ん〜とね、死んじゃったからもう居ないよ?老衰って言うの?歳とって死んじゃうやつ」光
(やっぱりか。さてどうしたもんか・・・。精霊達からしたら俺達が後から来た訳だから、俺達がここに住むには精霊達に許可して貰わなければ行けないが・・・)
帝は考えた末に正直に話す事にした。
「精霊達がここに住んでいるのは分かった。だがな、それは前に住んでたおじちゃんが生きてたから住めたんだ。そして今はおじちゃんが死んだから、この家を買った俺の許可が必要なんだ。それは分かるか?」
「難しい事は良く分からないけど、貴方が良いよって言えば良いの?」光
「そうだ。まぁ、俺としては悪ささえしなければ住んでも構わないと思っているが?」
「そんな事で良いの?約束するよ!私達は絶対に悪さしない!」光
「俺もだ!」火
「わ、私もしません!」水
「僕も!」風
「・・・約束する!」土
「約束だ!」闇
「肯定!」時
「約束するよ〜」空
「約束します!」花
「約束するぞ!」木
「良し!約束だ!なら先ずは皆にも紹介したいんだが、どうやって認識させるかだが・・・」
「見える様にすれば良いの?それなら簡単だよ?」光
「そうなのか?」
「俺達は自身の認識をコントロール出来るんだ」火
「だから僕達を認識させる事は簡単だよ」風
「なら俺が頼んだら皆が認識出来る様にしてくれ」
「分かった」光
精霊達との話が終わると帝は立ち上がり、ユーナ達の下へと戻るため歩き出した。
ユーナ達は3階の一番豪華な部屋に居た。豪華と言っても他の部屋に比べればの話だが・・・。
帝ぎ部屋に入るとユーナ達が気が付いた。
「ミカドさん。魔石の交換は終わりましたか?」
「あぁ、問題なく終わったぞ」
そう言いと帝は空いている椅子に腰掛けた。
「お疲れ様です。どうぞ」
そう言いシオンが水を入れたコップを帝に差し出す。
「ありがとう」
帝はコップを受け取ると喉を潤した。
「にしてもこの家は本当に大きいな。魔石の交換が思ったよりも大変だった。と言っても俺が交換したのは調理場と風呂場の2箇所だけだがな」
帝が魔石を交換したのは1階の2箇所だけだ。他の部屋の魔石はエルフ達が交換を行ってくれている。
一息付いた帝はアリアが居ない事に気付いた。
「アリアさんはどうしたんだ?」
「アリアさんなら積荷の運び込みがまだ終わらないので、職員の方々に指示してますよ」
「ならちょうど良いか・・・」
「ミカドさん?」
「精霊達頼む!」
帝がそう言うと帝の周囲に精霊達が現れた。
「「「「!?」」」」
「はじめまして。光の精霊です」光
「俺は火の精霊だ!」火
「は、はじめまして!み、水の精霊!」水
「・・・土の精霊」土
「僕は風の精霊だよ!」風
「・・・闇の精霊だ」闇
「時の精霊。・・・よろしく」時
「私は空間の精霊だよ〜!よろしくね〜!」空
「花の精霊です。宜しくお願いします」花
「我は木の精霊である。宜しく頼む!」木
精霊達は姿を現すと各々が挨拶をする。
「せ、精霊!?」
「ど、どう言う事ですかミカドさん!?」
「何で精霊が?」
「初めて見たけど可愛いね〜」
ユーナ、アイナ、シオンは精霊が現れた事に驚いているが、ティナは精霊の姿を見て可愛いと褒めている。
「実は・・・」
帝は先程、調理場で精霊達とした話を皆に聞かせた。
「成程な。別に良いんじゃないか?」
「私も良いと思います」
「私も問題ないと思います」
「別に問題ないでしょ?」
話を聞いたユーナ達は問題ないと言った。
「良いのか?」
「追い出すのは可哀想だろう?」
「それに居てくれた方が助かると思いますよ」
「そうですね。空いた土地に果樹園や菜園を作るなら居てくれた方が助かりますし」
「そうだよ!それにこんだけ可愛いんだから追い出すなんて出来ないよ!」
「確かに居てくれた方が色々と助かるか・・・。なら精霊達が住むのは問題ないとして、どの部屋を使うか?」
「部屋はいらないよ?」光
「どうしてだ?寝るのに困るだろ?」
「特に困らないよ?」光
「くつろいだり出来ないだろ?」
「全然出来るよ?」光
「ん?」
「「「「「ん?」」」」」精霊達
精霊達が使う部屋の話で帝と精霊達の会話が噛み合わない。
精霊達に詳しく聞くと、どうやら精霊はそもそも視認出来る者が少ない為にその辺でくつろいだりしているらしい。更に分かった事は、精霊は好みの魔力の側に居る事で体調の良し悪しが有ると言う事実。好みの魔力とは波長の様な物らしく、波長が合わないと側に居るだけで精霊は体調を崩すらしい。
「それでこの中だと俺の魔力が一番だと言う事か?」
「そう!ミカドの魔力はね、とっても安心出来る魔力なの!」光
「と、とっても落ち着く」水
「心地良いのだ!」木
「まぁ、俺の側が落ち着くと言われて嫌な気はしないが、四六時中側に居られるのは流石に困るが・・・」
「それは大丈夫!ミカドが魔力を少し解放するだけでこの家中にミカドの魔力が、充満するから!」光
「待て。・・・解放とはどう言う意味だ」
「ん?だってミカドは魔力を無理矢理抑え込んでるでしょ?それを少し解放するだけだよ?簡単でしょ?」光
「・・・何で俺が魔力を無理矢理抑え込んでると思うんだ?」
「だってミカドからは魔力を不自然なくらいに感じないもん。それって魔力を抑え込んでるからでしょ?前に居たおじちゃんが教えてくれたよ」光
「・・・分かった少しずつ解放する」
「やったー!」光
「だが先に言っておくぞ。俺が解放する魔力はユーナ達に合わせるからな?」
「私達ですか?」
「どう言う事?」光
「俺が魔力を抑え込んでるのは周囲に影響があるからだ」
「つまりミカドさんの魔力はそれだけ膨大と言う事ですか?」
「ユーナの言う通りだ」
「因みにそれはどのくらいですか?」
「ユーナ、アイナ、ティナ、シオン、他のエルフ全員を足しても俺の魔力の10分の1にも満たない」
「「「「「なっ!?」」」」」
「それだけの差があるんだ。抑え込んでいなかったら大変な事になっていた可能性がある」
「そ、それは確かにそうですね」
「えーと。それって何か関係あるの?」光
「関係って、大アリだろ!魔力が濃いと体に影響が・・・」
帝が言い終わる前に光の精霊が遮った。
「うん、あるよ?だけどそれは魔力の濃さの話だよね?さっきも言ったけど私達は魔力の濃さじゃ無くて波長を好むの。だから魔力の濃い薄いは関係無いの」光
「つまり?」
「ミカドは今よりも少しだけ魔力を解放すれば良いの」光
「・・・」
言われた帝はユーナ達の様子を見ながら魔力を少しずつ解放して行く。
「そうそう!それくらいなら良いかな!」
帝が魔力を徐々に解放して行くと光の精霊からストップが掛かった。量的にはユーナ達全員を足したくらいの魔力量だ。
「このくらいで良いのか?」
「充分、充分」光
帝が解放した魔力は精霊達には充分な様で皆んなが嬉しそうな顔をしている。帝はユーナ達の様子を伺うが特に変わった様子は無い。
「ユーナ達は大丈夫か?」
「特に問題は無いですね」
「私も大丈夫だ」
「私も〜」
「私も問題は無いです」
「なら良かった」
「って言うか1つ気になったんだけど」
「どうしたティナ?」
「ミカドは今まで魔力を抑え込んでたって言ったけど。それって〈魔力操作〉が上手いって事だよね?」
「そうなるな」
「それなら私達に魔法教えてくれない?」
「・・・悪いがそれは出来ない」
「やっぱりダメか〜!」
「・・・先に言っておくが教えないじゃなくて、教えられないだからな」
「どう言う事?」
「確かに俺は魔法が使えるが、俺自身が感覚で使ってるところが有る。だから他人に魔法を教えるとなると、どう教えれば良いのかが分からない」
「そう言う意味かー。残念だけどそれならしょうがないか」
「なら精霊が教えてあげようか?」光
「「「「!?」」」」
「良いのか?」
「別に良いよ。ただ準備があるから教えるのは明日のお昼の後で良いかな?」
「是非ともお願いします!」
「是非とも頼む!」
「是非!」
「お願いします!」
どうやらユーナ達は明日の午後から精霊達に魔法を教わる様だ。
「ミカドはどうする?」
「そうだな。ローンとの約束は3日後だしな。それなら俺は迷宮に興味があるから探索ギルドに行って来る」
「探索ギルドですか。無理しないで下さいね?」
「勿論だ。ついでに食料を多めに買って来る」
「食料ですか?今でも十分に有ると思いますが?」
「精霊が増えたからな。それに俺の〈倉庫〉に入れておけば傷むことも無いから、有るに越した事は無い」
「「「「え?」」」」
「ん?どうした?」
帝が探索ギルドに行くついでに食料を買って来ると伝えたら、ユーナ達が驚愕の表情で固まっていた。
「えっと、ミカドさんの〈倉庫〉は入れた物が傷まないのですか?」
「言ってなかったか?傷まないと言うか・・・時間の経過が無いらしいな」
「「「「はぁ!?」」」」
帝の返事にユーナ達は驚きを隠せなかった。
「急にどうした?」
「どうした?じゃ無いですよ!」
「大事だぞ!」
「そんな大事な事が知れ渡ったら一大事だよ?」
「ミカドさんは何処までも規格外ですね」
皆が皆、驚きを隠せない様だ。
「俺の〈倉庫〉が規格外なのは分かった。それに言わなかったのは悪かった。だが俺以外に〈倉庫〉の恩恵を持ってる奴に会った事が無いんだから、自分のが普通だと思うのはしょうがないだろ?」
「まぁ、確かに自分の恩恵しか知らなければ、そうなるか」
「確かにミカドさんの言う通り、自分以外が持ってなければ自分の恩恵を基準に考えてしまっても、仕方ないのかも知れませんね」
「そうだろ?」
「それに〈倉庫〉の所持者は入れられる容量に関係無く珍しいですからね」
「因みにだけど、ミカドの〈倉庫〉ってどれくらいの容量なの?」
「・・・限界まで入れた事が無いから分からん」
「「「「・・・」」」」
ティナの質問に帝が返答すると、聞いた皆は黙ってしまった。
「そ、そんな事よりこの後はどうするか!」
帝は話を逸らす。
「この後とは?」
「そろそろ昼時だろ?ここで作っても良いが、買った荷物の片付けもあるから遅くなるだろ。なら街に戻って昼食を取って、ついでに夜食や追加の買い出しをした方が良いんじゃないかと思ってな」
「そうだな。それで良いんじゃないか?」
「私も賛成〜」
「私も良いと思います」
「決まりですね。なら皆を呼んできますね」
「私も行きます」
そう言うとシオンとユーナは立ち上がり、魔石を交換してくれているエルフ達を呼びに行った。




